お母さんたちの視点
子育ての風景
以前考古学の発掘調査の整理作業員をやっていたことがあって
掘り出されたものを数えたり帳簿に記録したり
作業員は言われたとおりにやればいいので
ほとんどが主婦のアルバイトだった。
で、作業員同士でごしょごしょとしゃべっていたこと。
「焼成粘土塊(しょうせいねんどかい)」というものがあった。
小さな梅干しくらいの大きさで
粘土をくしゃくしゃにして焼いたようなシロモノ。
要するに「なんだこりゃ」。
これ、ナンですかと調査員さんに尋ねると
「粘土を小さくちぎって試しに焼いてみたのではという説があって…」
へええ、とは聞いたものの…
これってさあ、大人が土器作って焼くときに
子どもが、あたちもやるー!って、やりたがったから
はい、あんたの分って
粘土をちょっとあげてぐちゃぐちゃ何か作った気にさせて
はい、あんたのも一緒に焼いてあげるからねー
って、やったんじゃないの?
そー思う、そー思う、とお母さんたちはその意見に賛成。
「クマ形土製品」というものがあった。
手の平にちょこんと乗るくらいの大きさで
動物をかたどったお供えだとかの説を聞いたが…
クマかい、これ?ぷぷっ、ネズミだよねー。
これ、子どもが作ったんじゃないの?
幼稚園で作ってる感じだよね。
親が子どもに作ってやったとか。
ね?ね?ふふっ
「ミニチュア土器」というものがあった。
形はそのままで大きさだけが何分の一かに小さくなっているもの。
これはお供えという説と子どものままごと道具という説とがあるそうだが
お母さんたちの意見は一致して「おままごと」だった。
なんだか専門家の人たち、考え過ぎなんでないの~
と、我々は気楽に笑っていたのだった。
素人、最強だぜい♪
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