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しゃがむ人座る人

読書

縄文時代のある遺跡の人骨を調べたら
骨の「すり減り」具合からよくしゃがみ込んでいたことがわかった
というのを読んだことが。
いや、縄文時代に限らず
テレビなどで東南アジアの風景を見ると
家の中や道端で普通にしゃがんでいる人たちを見る。
いや、東南アジアに限らず
自分が子どもの頃は大人も子どもも疲れたらしゃがんでいたなあ、と思う。
子どもの頃は大人用のイスに座ると足がぶらぶらして落ち着かなかった。

さてそこで、図書館で見かけて思わず借りて読んでみたのが
「アジアに見るあの坐り方と低い腰かけ」井上耕一著 丸善ブックス
しゃがみ姿から正座まで種々様々なイスじゃない座り方が面白い。
面白く思ったのが
現代私たちが普通に座っている椅子が権力の象徴だったということ。
座るだけで一段高くなっての「上から目線」ですねわかります。
一方
今時の家の中が例えば時代劇の部屋に比べてモノが多いという印象は
大型家電が入っているだけでなく
イスやテーブルがあることも大きいと思う。
かさばるのは間違いない。
これが床に座る生活だったら
イスはいらずテーブルは手軽に動かせるちゃぶ台くらいになるはずで。
イスが取り入れられてきたのは土足で部屋の床が汚れているから
という理由があったようだ。
掃除機の発明も室内を土足で歩くので絨毯が埃で汚れるからだという。
そうすると日本のように履物を脱いできれいな足で家に入る様式は
なかなか賢いやり方だと思う。
ちなみにこの本は2000年に出版された本なので
かろうじて密林では扱っていたが書店では在庫なしで古書店にも無くて…。
面白くていい本なのにと、非常に残念なのでござる。
図書館で出会えたら、ぜひどうぞ ♪