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#181.イギリス・ハイランドでの鳥撃ち猟(シューティング)の思い出

こんにちは!

15年以上【犬の保育園】の先生を行っている
ドッグトレーナー×ペットロス専門士×アニマルコミュニケーター
尚ちゃん先生と申します。

前回は

をお届けしました。

さて今回は、
私が

イギリス犬留学時代

で体験したシューティングの中でも

1番心に残った、
スコットランド北部「ハイランド」といわれる地方で参加した

シューティング(鳥撃ち猟)についての思い出

をお話しようと思います。
※長尺になるので、ご承知ください!

私の師匠は「ガンドッグ」という、
撃たれた動物(とくに鳥)を回収する
犬と人の共同作業を「スポーツ競技」化した
ドッグスポーツを教える専門家であり、自身もその競技者でもありました。

「ガンドッグ」に分類される犬種の中でも特に
「回収」をメインに行う「レトリーバー」の教育に熱心で、
それは今でも専門トレーナーとして活躍し続けているほどです。

日本でもおなじみの大型犬、

ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー。


この2犬種の名前を言われて、想像もつきませんという方は少ないのではないかなと思うのですが、

では彼らが専門職として長い間お仕事をしてきた「ガンドッグ」
または

「狩猟回収作業」というものがどういうものなのか

は、
ご存じない方の方が多いのではないでしょうか。

私も恥ずかしながら、師匠の家に住み込んでこの眼で見るまで、
全く知らない世界でした。

「ガンドッグ」はスポーツ競技として、
独立して競技会やテスト、
トレーニング大会が行われる一方、
本物の鳥撃ちをしながら行われる大会もあります。

ただし、本物の鳥を撃つためには許可が違いますし、
専門職も違いますので、ワーキングテストやガンドッグ競技会では、
本物の鳥と同じくらいの大きさと重量のある「ダミー」というものが使われます。

レトリーブの始まる前、犬とハンドラーは1組から数組、
横一列になって指定された場所まで進みます。

前方のポイントにダミーを投げる人がいて、
「マーク」と大声を出しながら投げたり、
時には銃声を聞かせてからダミーを投げます。

この時犬とハンドラーは微動だにせず、
投げる所、投げられた方角、落ちたであろう方向をしっかりと見定めます。

「ジャッジ」といわれる審判に、1頭&1組ずつ呼ばれ、
「今落ちたダミーを回収してきてください」というように指示を受け、
ハンドラーは犬をその方向に送ります。

犬はハンドラーの指示とおりに指し示られた方向に走っていき、
ダミーを咥えてハンドラーの手の中に渡します。

という、一見単純なゲーム・・・つまりは「もってこい」なのですが、

ここには物凄いドラマが込められているものです。


私は過去、まず「ライン」という横一列になって前進できない、
銃声を聞いて怖気づいてしまう、
ダミーの方向に「送った」はずなのにどこかへ遊びに行ってしまう、
持ってきたダミーを途中で放り投げてどこかへ行ってしまう、
ハンドラーの元に持って帰ってきたのに、手の中に渡さずに落とす、
またはハンドラーに渡さない・・・・

いろんなケースを見てきました。

さて、私が師匠に「ヨークシャーにいくわよ」と言われたとき、
「ヨークシャー」がどこなのかもさっぱりわからない私でした。

ヨークシャーはイングランド北部にあり、
私が当時いた中部とはまた異なる、自然豊かな土地であると知りました。

ヨークシャーでのシューティング大会は、
師匠のガンドッグ仲間が出場するため、
小旅行がてら私達は前泊していくことになりました。

というのも、この「大会」、集合は朝8時、解散予定は午後3時。

とてもじゃないけれど、片道5,6時間飛ばしていける距離でもありません。

私は師匠が運転する車に揺られながら、
イングランド中部の代表的な牧歌風景、
なだらかな丘陵地帯とどこまでも続く牧草地・・・という風景が、
段々と起伏に富み、山や木々が高くなり、
緑が濃くなっていくことに気が付きました。

そう、中部と北部では少し風景が違い、
このあたりは「ミッドランド」とも言われますが、
これより北のスコットランド地方「ハイランド」は
さらに風景が一変していきます。

「え、こんな山奥に泊まるところなんてあるの」と心配になるくらい、
街の明かりどころか民家すら見えない山の奥の道を通り、

そして付いた先の「ぽつんと一軒家」的な農場についている
宿泊施設に着いたのはもう夜でした。

私の記憶では寒かったのですが、当時の写真をみると8月下旬。

そう、ミッドランドの8月下旬はもう、
半そで一枚ではいられないのでした。

翌朝、7時前には起きて支度をし、簡単な朝食を済ませ、
「お弁当」をもって再び車に乗り込み、出発。

暗い中ではわからなかったのですが、
左右に迫る丘陵地帯の斜面は見渡す限り紫で覆いつくされていました。

これは「ヒース」や「ヘザー」という野生のハーブで、
もともと「ヒース」はイングランドやスコットランドの荒れ地の事を指したらしいのですが、

夏場に一斉に咲くこの花にも、この名がついたのだとか。

それはそれは、壮大で美しい眺めでした。


会場は、ここ!

ヒースのじゅうたんの中で、「大会」ははじまりました。

一体全体、どういう構成なのか趣旨なのか、どこまでが範囲なのか。

そんなことは誰にも聞ける雰囲気ではなく、
真剣な勝負の場ならではの緊迫感がただようなか、
私ができることは、

目の前に繰り広げられる光景と
耳に流れてくる英語をどれだけ結び付け、
自分がどうふるまうべきかを予測することだけ。

結果、黙ってついていく。ということ。

この大会が、今まで見た大会と違うのは、
「シューティング」に携わる
すべてのお仕事犬たちの審査もまた含まれている事。

そしてダミーではなく、
犬の大会のために専任のガンがいて、ジャッジがいること。

ここではレトリーバーの出番は最後です。


出待ちの黒ラブさんたち


まずはじめに出てくるのは、
アイリッシュ・セッターやイングリッシュセッターなどの
「セッター」たち。
そして「ポインター」たちです。


セッター・ポインターたちはハンドラーと共に
ジャッジに指定されたエリアに、野鳥を探しに行きます。

セッターは獲物を見つけると「セット」、
ポインターは「ポイント」という独特なポーズをすることで、
ハンドラーとガンに獲物の位置を教えます。



セッター・ポインターは先陣を切ります

飛び立たせる必要がある場合には、飛び立たせる指示を出し、
犬が鳥を追いかけて飛び立たせたところに、ガンが撃ちます。

なお、「飛び立たせる」専門のお仕事犬として、
コッカーたちも待機しており、大活躍でした。

ガンが銃を構え、レトリーバーとハンドラーたちは
横一列にLINEをつくり、少し離れたところに待機し、
ガンで鳥が打たれたら、
ジャッジの判断で1組ずつどのあたりに鳥がおちたから、
あなたは右側の鳥、二組目のあなたは左側の鳥を回収してください
と指示が下ります。

指示を受けたハンドラーは、指示を受けた場所へ、犬を送ります。

回収できたら特典が入り、その犬が回収できなければ、
レトリーブの権利は次の組にうつります。

ということをまあ、
朝の9時から15時までほぼずう~~~っと行っていきます。

丘陵地帯は、眼下に川が流れるいわば渓谷の斜面という感じですが、
もちろん日本の野山のように、
高い木々はありませんのでどこまでもどこまでも見通しがきき、

次の丘、次の丘と永遠、紫の丘が折重なる風景。


「いったい何個丘を越えたら終わりなんだろう」と思ったのは
恐らく私だけではないと思いますが・・・

そして世にも奇妙なこの大会、範囲が広大すぎて、
人もばらばら、
そしてもちろん野生動物を驚かしてはいけないので、
ジャッジとセッター・ポインター、コッカーのハンドラー、ガン、レトリーバーとハンドラー・・・・
とつづいた最後に見学者はついて居なくてはなりません。

はっきり言って、

ジャッジが采配をふるいます


最前列の方では何が起きているのかよく見えなくて、
銃声だけ聞こえる事もありました。

ここで困ったのは・・・そう、トイレです!!

これは本当に困りました。


水分補給も、朝持ってきたペットボトル1本しかなかったのですが、
それでもトイレには行きたく成ります。

そういう時はどうするのか・・・・
それは「そっと列を離れて、野で済ます」です!

そして、大きな岩や木々がないので、
人々の姿を遠くにみながら「どうか、誰も振り返りませんように」と
祈りながら済ますのです。

これはハタチそこそこの私には、なかなかハードな体験でしたよ!

もちろん、自販機どころか人工物が一切見えない場所だったので
「どうしてこんなところでみんな方角が分かるんだろう」
と私は怪しんだものでした。

それでもどうにかこうにか最初の駐車場(といってもただの砂利の広場)に戻ってきたときには既に日は傾きかけていました。

長い話を最後まで読んで頂き、ありがとうございました💛


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