#168 .【ペット専用マンション利用規約に「犬は必ず去勢」は必要か?~後編】
こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている
ドッグトレーナー×ペットロス専門士×アニマルコミュニケーター
尚ちゃん先生と申します。
前回は
#167 .【ペット専用マンション利用規約に「犬は必ず去勢」は必要か?~前編】
をお届けしました。
今回は「ケンカやトラブルを避けたい」「無駄吠えによるクレームを減らしたい」
という目的について、
「去勢必須」の条項が実行力を持つかどうか
をお話していこうと思います。
まずは「ケンカやトラブルは去勢をすることで防げるのか」
という点について。
これはご想像の通り、去勢をすることだけでは全く防ぐことはできません。
「去勢をする=穏やかになる」ということは
私はあまり期待しない方がいいと思います。
特に、幼年期に去勢をした場合、
行動の基本となる「個性」人間で言えば、
「人格形成」が出来ていくのはその後のことになります。
「攻撃性がある」という犬が、
去勢を勧められるということは昔はよくあったようですが、
現代では
「犬の攻撃性=男性ホルモンだけの問題ではない」
ということはよく知られています。
そして雌犬に関しては、「避妊した雌犬」のほうが、
問題行動を起こしやすいという事も知られています。
(「犬の攻撃性と避妊の有無」件については話が逸れてしまいますので、控えます)
犬同士のケンカやトラブルを防ぎたい、
という気持ちは、管理者側であればもちろんその気持ちが強いでしょう。
ですが残念ながら、
「ケンカやトラブル」は去勢、
つまり男性ホルモンの製造をストップしたところで
なくなるものではありません。
これは雌犬同士がケンカすることもある、
ということからもお分かりになると思います。
もしできるとしたら、
発情期の雌犬を巡って行われるオス同士の争いや競争に関してであれば、
恐らく効果はあるかもしれませんが、
それ以外であれば大した効果は得られないでしょう。
というのも
「犬同士のけんかやトラブル」は
大きく2つの要因から起きるから
です。
「犬同士が接触すること」
「飼い主さん及び管理者による犬のコントロール力が不足していること」
です。
逆に言えば「犬同士の極端な接触を避け」、
「飼い主さん及び管理者がコントロール力を身に着ける」ことで
「ケンカやトラブル」は避けることが出来るのです。
そして
「無駄吠えによるクレームを減らしたい」という問題。
こちらに関しては、去勢がどれだけ効力を発揮するのか?
そもそも、オーナーさんが心配をしている事の一つは、
「発情中の雌犬をめぐって未去勢の雄同士がケンカをしたり、
吠えあったりするのではないか」という事がありました。
「発情中の雌犬が近くに居ると、遠吠えしたりするんでしょう?それだと近所迷惑になるのでは」という懸念がありました。
これについては、この条件については多少効果はあるかもしれません。
「去勢避妊」については、あくまでも飼い主さんの判断だと思いますが、
日本の犬の仕事に関わるプロであれば
(繁殖に使われるブリーディングを行う以外は)
「去勢避妊」を薦めることが多いと思います。
私もこんな話をしていますが、
「去勢避妊に反対」しているわけではありません。
発情中の雌犬に引き付けられているのに、
自分ではどうにもしようがない本能に突き動かされている
未去勢のオス犬の気持ちを考えたら・・・・
私が女性であったとしても、すこし可哀想だなあと思ってしまいます。
ですので、やはり周りに「発情中の雌犬」がいれば、
いつもより過剰に吠えたり、
遠吠えをする未去勢の雄犬がいても不思議ではありません。
ただし、その条件を取り払った場合には、
「去勢をしていないから吠える」ということはありません。
犬の吠えに関しては、必ず理由があります。
そして「警戒」や「警告」、
「恐れ」や「攻撃行動」から来る「吠え」は、
対象が無くなれば、長く続く事はありません。
これは私の経験上からのいち意見ですが、
マンションなどの集合住宅でクレームとなるほどの吠えは
だいたいが「長く続く吠え」です。
この「長く続く」というのは人によって30分か1時間か、
3時間か変わりますが、
例えば3日に1回来る宅急便の人に5分程度吠えるくらいでは、
マンションの理事会で議題に上がる事は稀でしょう。
(よほど犬嫌いの人が隣人でない限り)とはいえ、
それを放置しておいていい、というわけではないのですが。
であれば
マンションなど集合住宅で問題になる吠えは
「頻度」と「長さ」です。
そして過去、
多くの隣人との「吠え問題」に携わってきた私の感覚としては、
集合住宅で問題になる吠えは
「攻撃性」「警戒」よりも「要求吠え」です
例えば人が帰宅した時の「かまって!あそんで!」という吠え。
例えばごはん時の「早くくれ!」という吠え。
例えば朝の「早く起きて散歩やごはんをクレ!」という吠え。
例えばお留守番をさせられた時の「寂しいよ!誰かいないの?帰ってきてよ!」という吠え。
これらの吠えは「要求」が叶えられるまで続き、
吠える事によって要求が叶えられた経験から、
犬は更に強く長く、頻繁に吠えるようになります。
そしてここに去勢や避妊の有無はほとんど関係ないと思います。
ということで、
「ケンカやトラブルを避けたい」
「無駄吠えによるクレームを減らしたい」
という要望は、
「去勢を必須にする」ということでは対策不十分
だという事は皆さんにもよくわかったと思います。
では、犬同士のケンカやトラブル・無駄吠えによる
住民同士のトラブルを防ぐためにできることはなんでしょう。
それはやっぱり、
「犬のコントロール・管理を飼主さんがしっかり出来るようにしておく」
という事に尽きると思います。
私はイギリスでの留学時代、
よく猟場やガンドッグのトレーニングに連れて行ってもらいました。
その場にはオスもメスも居て、繁殖で良い血統を残すために、
去勢や避妊をしている犬は稀だったと思います。
それでも特に、
猟場やコンペティションでの犬同士のケンカやトラブルは厳禁、
御法度です。
血液の匂いで猟場が攪乱されてしまうので、
発情期の出血中は競技には出場できませんが、
その前後はOK.
当然、発情期の直前直後にはかなりフェロモンの匂いが強いですから、オ
ス犬の中にはかなり引き付けられる犬もいます。
ですが、猟場は神聖な場。
当然、撃ち落された鳥を回収するときにはノーリードですが、
一目散にお目当ての雌犬に走っていく・・・・という姿は、
ハイレベルのコンペでは見たことが在りません。
私はそのことで、
「去勢避妊は犬のコントロール能力を左右するものではない」
と強く感じました。
去勢避妊をしようが、しまいが、
「犬のコントロールを飼主さんがどんな時でも行い、その行いに全責任を負う」
ということは犬を飼う上では基本的なことであり、
その方法は今や無料でも簡単に、手に入ります。
もし、コントロールの方法が分からない、難しい、という場合には
プロフェッショナルの方に指示を仰がれるといいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました💛
11月セミナー🐶【読めてる!?犬の気持ちとボディランゲージ】
オンラインセミナーを行います♪
ご参加のみなさんと、動画を見ながら
「この犬は今、どこに意識を向けて次にどんな行動をするのか」等の
予測を立てたり、修正方法を考えていきます❣
🐶お申込み・詳細はこちらをクリック
🌸《公式LINE》では、イベントやセミナー情報をお届け中💛
お気軽にどうぞ♪👇
【人生は、運と縁とタイミング】 ここまで読んで下さりありがとうございます✨
ご縁に感謝🤗
Stand.fmでは犬のアレコレ、プライベート雑談、旅配信を音声で配信中♪
【なおちゃん先生@ゆるっとワントーク!!時々旅と子供たち♪】
https://stand.fm/channels/5fd49189dd3aea937b455b50
《犬の保育園》ってなにするの??保育園の様子をアップ!↓
【インスタグラム】 https://www.instagram.com/nwanclub/
《なおちゃん先生🐶の原点はこちら⬇》
📕✨初Kindle本、好評中💛
《104日間世界一周の船旅~アジア編》⬇️
https://onl.la/PC8PSq5
2冊目📕✨
104日間世界一周の船旅《ヨーロッパ前編》⬇️
https://onl.la/a4J7zCQ
3冊目📕✨
104日間世界一周の船旅《ヨーロッパ後編》発売‼️
https://onl.bz/GV8qtwU