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#105.犬の感覚<聴覚>:犬は人より耳がいい?

こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。

前回までは、【嗅覚】【視覚】と続き、
今回は犬の感覚シリーズの中の【聴覚と聞こえ方】になります。

皆さんご存じのように、

犬は人より聴覚が優れています。


人間の聞き取れる音の周波数はおよそ20~20,000ヘルツと言われています。

一方、犬が聞き取れる周波数はおよそ65~50,000ヘルツで、
犬が最も聞こえやすい周波数は8,000ヘルツ付近と言われています。

ですので、人間の声の周波数は犬にとっては聞き取れない周波数ということはありません。

むしろ聞きやすい音なのですね。

若者に聞こえるのに、年齢を重ねると聞こえなくなるという高周波数音の「モスキート音」。1

7,000ヘルツ前後の超高周波数の音で、
これも犬は難なく聞き取ることができます。

ここで問題です。

「うちの子、外では全く私の声に反応してくれません」
「名前を呼んでも、知らん顔して振り向きもしません。」
「大音量で音楽がかかっていても平気で寝ているのに、遠くの方で小さく雷が鳴ると震えだして隠れます」
※すべて、実際寄せられたことのある質問です。


犬は、人間よりはるかに耳がいいのに、

なぜ、こうしたことが起きるのでしょうか?


答えは簡単です!犬の【聴覚】は人間よりいい。

ですが【聞こえ方】が違うということなのです。

まず、大前提としていえることのひとつとして、
犬は【聴覚】も【嗅覚】も人より優れていますが、

その真価が発揮されるのは【集中】が加わったときです。



また、【聞き分け】に最も威力を発揮します。

裏を返せば、【いくつもの感覚を一度に、多方面に使う】ことは苦手で、
この分野においては人間のほうが勝っているといえるでしょう。

多くの方が、この配信を聞きながら、手や目はほかの作業をしていると思います。

そういった【同時進行】は犬は苦手なのです。

【聴覚】も一緒なので、先に挙げた問題の①、②はとくに、ほかの感覚を集中して使っている場合があります。

お外など、刺激が多く、一心不乱に匂いを嗅いでいるときに、
愛犬に「ほら、〇〇ちゃん、あっちいこうよ」と声をかけても意にも介さない。。。。

そういうシーンはよくみかけますよね。

これは【全集中・お鼻の呼吸】を使っている最中なので、ほかの必殺技が使えない状況にあります。

なのでこういう時には、まず【嗅覚を使うことに集中】している状況を崩してから、改めて呼びかける必要があります。

例えば風上に立つ、匂っているモノと犬の間に身体を入れる、
などで犬が嗅覚を使うことをいったん、
止めてもらうという【行動】が先です。

そのあと、呼びかけることで、

「ああ、ママ、なんか言ってたの?」

という感じに我に返ります。

たとえて言えば、テレビにくぎ付けになっている子供に何度「宿題やったの!?」といっても無言なので、

テレビを消してから「宿題やったの」と聞くと「あ、まだだった」と答えるような感じでしょうか。

また、トレーニングや、言葉をかけるシーンでよくみられるのが
「言葉の意味を理解してい ない」ことや「無視することを学んでいる」というものです。

犬にとっては、【人の話す文章】はこのように、知らない外国語のように聞こえるものです。

経験と学習から、単語をまず、聞き取れるようになります。

ところが、この経験や学習がないと、
全く意味が分からなかったり
言葉をたくさん並べられることで、

本来知っているはずの【単語】もわからなくなったりすることがあります。

なので、犬に的確に何かを伝えたい場合、
「単語」や「コマンド」そのものを教えたいとい場合には、

同じシチュエーションで、同じ言葉を短く、伝えることで
より早く正確に言葉の意味が伝わります。


悪い例として、いつも名前を呼んで叱られるワンちゃんにとって、
【自分の名前=飼主さんが不機嫌な合図】ということになってしまい、
この単語が出たときにはなるべく目を合わせないで、姿勢を低く、知らん顔をしていよう、という様子になってしまうことがあります。

その様子を見た飼主さんはますます、大きな声で呼んでしまいます。

また、【経験】から【学習】した言葉の場合もあります。

【おいで】といってるのに来ない、

というワンちゃんの中には「おいで」と呼ばれたら
【自分の楽しい時間が終わってしまう】という学習体験をしている場合があります。

「おいで」=「絶対に戻ってはいけないやつ」という認識が付くと、
もちろん「呼び戻し」ができない、ということになってしまうのです。

この【経験】から【学習】した【音】という認識はとても強く、


特に生存を脅かす【恐怖】に即した音はいち早く反応することになります。

「怖い体験を伴った音は、より早く、より長く反応する」ということです。

雷や地震に対して、過度に恐怖を感じる犬と、
そうではない犬がいることは有名ですが、

過去にその音と同時に犬地震が「怖い」思いをしたことで、
より怖くなってしまう、より早く反応するようになる
ことはよく言われます。

また、犬にとっては

「正体不明の突然の大きな音」は怖くて不安に陥りやすいものです。


代表格はやはり、雷、花火の音などでしょうか。

それでも、これらの音は慣らすこともできます。

電車の駅に近い家に飼われた犬は最初は、電車の音にびっくりしますが、一日に何度も何度も聞くことですっかり慣れてしまうものです。

もちろん【嬉しい・楽しい】経験に結びついた【音】もよく覚え、
その経験が多ければ多いほど、強く印象がつきます。

シニアで耳が遠くなったのに、
ご飯を用意する音には機敏に反応する、ということもよくありますね。

クリッカーも同じ条件を利用した【音】を使ったトレーニングになります。

また、【聴覚】とはちょっと違うかもしれませんが、

「私や子供たちが止めて、と叱っても、全然聞いてくれず、ますます興奮してしまいます。主人が止めるように言うと、すぐに大人しくなります」

というお声もいただくのですが、こちらもあるあるです!

犬にとっての【聞こえ方】を知っておくと、
少し違った対応ができると思いますよ。

【人生は、運と縁とタイミング】 ここまで読んで下さりありがとうございます✨
ご縁に感謝🤗

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