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#164 .【「犬に反抗期はありますか?」への質問回答】

こんにちは!

15年以上【犬の保育園】の先生を行っている
ドッグトレーナー×ペットロス専門士×アニマルコミュニケーター
尚ちゃん先生と申します。

前回は

#163【どうして犬はトレーナーの言うことを聞きたがるのか?】

をお伝えしました。

今日はいただいたご質問にお答えしようと思います。

生後7カ月の男の子のワンちゃんの飼い主様からのご質問です。


「愛犬は生後3か月になったばかりのころに自宅に来ました。
最初が肝心ということで、私も犬を飼うのは初めてでしたが、
基本的な指示、
クレートのトレーニング、甘噛みの対処、
お散歩、口に入れたものを出す、
そして特にトイレトレーニングは力をいれて教えました。
愛犬はすぐに覚えて、5か月ごろにはトイレは完璧になりました。

6ヶ月半を過ぎて、去勢をしました。

そのせいかどうかわかりませんが、
最近トイレの失敗が目立つようになりました。

あんなに上手に出来ていたのに・・・・。

それに、最近は食事の前やおもちゃで遊んでいるときの
「まて」の時に吠えることもあります。

ちゃんと「おすわり」「まて」をしながら吠えるので、

叱っていいのかどうか悩みます。今までそんなことなかったのに。

一度教えた事、出来るようになった事が
突然出来なくなることってありますか?

犬に反抗期ってありますか?

ということでした。

「犬」「反抗期」と調べると、色々出てくると思いますが、
1歳前後のいわゆる仔犬期から成犬になりきる前の時期は、

青年期とも呼ばれ、このような問題が起きやすいことがあります。

ただし、

トレーナーの立場から言えば「反抗期」とは呼びません。


どちらかといえば「チャレンジ期」といえるでしょう。


この時期の犬たちは、その名の通り、
自分の帰属する社会への「チャレンジ」「挑戦」を
果敢にしていく場合があります。

これは、「反抗期」と捉えられることがあります。

反面、お家にやってきたばかりの無邪気さは、少しずつ失われていきます。

生後3か月ごろはまだ警戒心が薄く、
好奇心が強い仔犬は、呼べばすぐにくるし、
なんなら目を合わせただけで尻尾を振ってやってきます。

トイレの失敗や甘噛みに悩まされることもありますが、
それでも無邪気なかわいさの前には全て許してしまう・・・・
という方も少なくはありません。

ところでこの「無邪気なかわいさ」は
狼が犬化して人間とともに生きるために身に着けた

「幼形成熟」という術でもあります。

そのため、無邪気な可愛さは大人になっても、
シニアになっても残る犬の特徴の一つであるため、
大人になるにつれ全くなくなってしまうということではありません。

が、それ比べても、この仔犬の時期の特別の可愛さは永遠ですね。

この時期は第一社会化期、とも呼ばれますが、
この時期を終えると犬は青年期、第二社会化期に突入します。

これは私の過去配信でもお話しましたが、

第二社会化期は「恐怖と警戒を知る時期」でもあります。


生後6ヶ月を境にその傾向はますます強くなります。

産まれたばかりの赤ちゃんは、見る物・聞くものに反応しながらも、
吸収していく方が多いですよね。

その中で、自分を取り囲む世界がどのようになっているのか、
を学習していきます。

これは犬も同じです。

そして自分で動くようになり、
今まで学習したことを使って、
与えられる物事だけではなく、
自ら世界の反応を確かめるために挑戦をしていきます。

犬もまったく同じなんですね。


飼い主さんに教えられること、
教えられないことであっても、
飼い主さんに100%集中している時期は、その反応が全て。
飼い主さんが行ってくれることに対してぐんぐんと学習していきます。

どうやったら飼い主さんが意識を向けてくれるのか。
これも学習していきます。

そして生後半年を過ぎるようになると、
学習経験を使って、

「自分の都合で」飼い主さんの気をひくためにチャレンジをしていきます。

飼主さんの気を引くためだけではなく、

自分の「学習体験」がどこまで、誰に、
どういうシチュエーションで
通用するのかを自分の帰属する社会に対して試していく時期になります。

そのため、今まで出来ていたことが出来なくなったり、
教えて素直に実行していてくれたことが、
反応が悪くなったり、飼主さんの反応を試すような行動がでてきます。

それらは自分の帰属する社会の枠組み、
ルールの再確認作業であることが多いです。


「自分のふるまいは、どこまで、どういうタイミングで許されるものだろう」

という反応が起きてくるので、

そこが飼主さんにとって「反抗期」と捉えられがちなのだと思います。


また、特に大型犬の成長期においては、
身体と性ホルモンが急激に成長していく時期であるため、
思考回路が追いつかないということがあります。


つまり、エネルギーがホルモン生成と身体の成長にもっていかれるため、
脳内学習がちょっとお留守になる時期がある、ということですね。

これは犬種や体格、性差によっても変わってくるのですが、
だいたい7~8か月ごろにおきる現象のひとつといわれます。

こういった「大人への階段を上りつつある」時期には、
たとえば
「トイレは完璧にトイレシートで出来ていたのに、突然、1日数回、トイレから外れた場所にするようになった。どうしたんだろう」

とか

「ご飯の時には「お座り・まて」ができていたのに、座ったまま吠えるようになった。どうしたらいいんだろう」

というような飼主さんの混乱が起きやすくなります。

「出来ていたのだから、少し経てばまた、元に戻るだろう」という考え方は危険です。



なぜなら、仔犬の時とちがい、習った上で、
「こういうことをしたら飼主さんはどういう反応をするだろう」

と考えたり、

すっかり他のことに気を取られた上での身体の反応であったりするため、
放置したまま、よくなるということは期待薄です。

「できるようになったはずなのに、また出来なくなっちゃった!」


という犬の行動。

その場合にとるべき対処はただひとつ。

「できるところまで戻って、教えなおす」

ということです。


どの段階まで戻れば、できるのか。
そこを慎重に調査しながら、段階を追って元に戻していきます。

これを行うことで、
「やっぱり、これはダメなんだ。こっちじゃないとダメなルールなんだな」
ということ。

そして身体的成長にエネルギーがとられている場合では、
「あ、そうだった」と学びなおしができるからです。

ということで、
人間が自我の解放と独立のための一歩である反抗期を迎えるのと
全くの同義ではないと思いますが、

「犬の反抗期」にあたるといえるかもしれない時期は、確かにあります。

ただしこれは個体差があり、

全く問題にならないまま成犬となる犬もいれば、如実に現れる犬もいます。


特に精神的な活動を求める犬、大型犬、
留守番の多い(刺激のすくない)犬に多いようです。

そのような状況に陥ったときには、
反抗期の子供とケンカするのではなく、
冷静に「どこまでできて、どこからできないのか」を見極め、
教えなおし、

犬との間に改めてルールの確認をされてみてくださいね。


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