#165 .【「犬は笑うのか?」を真面目に考える。①】
こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている
ドッグトレーナー×ペットロス専門士×アニマルコミュニケーター
尚ちゃん先生と申します。
前回は
#164 .【「犬に反抗期はありますか?」への質問回答】
をお伝えしました。
今日は「犬は笑うのか」ということについて深堀していこうと思います。
みなさんは、「犬は笑う」と思いますか?
それとも、そう思いませんか?
犬と暮らしていらっしゃる多くの方が「犬は笑う」と
思っていらっしゃると思いますし、
犬の可愛い映像などでも「犬が笑う」ような画像がよく映っていますよね。
「犬が笑う」と思う方。
どんな時に犬は笑うと思いますか?
そして、どんな風な表情をしたときに「笑っている」と思いますか?
「犬は笑いますか?」とご質問をいただきましたが、
私はこの問いに、即答することができませんでした。
これにはいくつか理由があります。
具体的には
問①:「笑い」の根源にある感情は何か
問②:犬に感情はあるか
問③:犬の感情と表情は直結しているのか
問④:「笑顔」と人が捉える表情の特徴
問⑤:誤解されやすい犬の表情
これらのことが挙げられます。
さらに、「犬が笑っている」と
人が感じられる理由についてもお話していこうと思います。
まず、問①:「笑い」の根源にある感情は何か?
人はどのようなときに「笑う」のでしょうか。
「面白いとき」「嬉しい時」「幸福を感じたとき」
「愛想笑い」「相手をなだめるとき」「敵意がないことを示すとき」
などでしょうか。
もちろん、ほかにもあると思いますが、
「人が笑っている」ということを感じるとき、
それが心の動きから出た「笑い」ではなく、
戦略的またはコミュニケーションの一環としての
「表情」や「反射的な反応」であったりすることは
みなさんもご理解いただけると思います。
それでは犬はどうか。
この部分を考えていくときに、切っても切れないものは問の2番目。
問②:「犬に感情はあるのか」
「これがどうして、問題になるの?そんなの、【ある】にきまっているじゃない」と言われる方が大多数でしょうが、
実はほんの150年ほど前は、
「犬をはじめとする動物には感情がない」
という考え方が社会的通念でした。
各界の著名人たちも、
「動物には感情がない。「痛がるそぶり」「笑うそぶり」があっても、
それはあくまでも反射的な身体の反応である」
というような見解を抱いていました。
今となっては信じられませんが、
実はこれはいまだに議論される事柄でもあります。
なぜなら、「動物に感情がある」ということは
今では疑う人もいないような常識となっていますが、
それを科学的に証明することが難しいからです。
ですので、「動物に感情がある」ということはわかっていますが、
それがどのくらい人間と共通の意識として、
同じように捉えているのかは非常にわかりづらいところです。
たとえば、お笑い番組を見て、犬が笑うのか?
面白いジョークを聞いて、犬が笑うのか?
そう考えると、
3つ目の問い
問③:「犬の感情と表情は直結しているのか」
は
人間の「笑顔になるとき」と「犬が笑顔になるとき」は
多少の違いがありそうだなとおもいませんか?
犬がどんな時に「笑顔」になるのか。
問④「どんな表情を人は「犬の笑顔」と捉えるのか。」
これを考えるとき、
4つ目の問い、
【「笑顔」と人が捉える表情の特徴はなにか】を考える必要があります。
皆さんの中で、「笑っている犬の表情」を思い浮かべてみてください!
どれはどんな顔でしょうか。
目じりが下がって、目が弓なりになりなるかまたは見開いている、
口を開けて、口角が下がっている。
たち耳の犬は耳が軽く伏せられている・・・・
そんな表情をみて「笑っている」と思う方は多いかもしれません。
犬がこんな表情になるときはどんな時でしょう。
「ボールやおもちゃで遊んでいるとき」
「お散歩で一緒に走っているとき」
「お留守番などのあと、久しぶりに飼主さんと再会したとき」
「日向ぼっこをしていて名前を呼んで振り返ったとき」
など・・・
他にもきっと、皆さんの中で思い当たる状況と結びつく、
愛犬さんの笑顔があるでしょう。
ただし、ここで一つ注意をしたいのが
問⑤:「誤解されやすい犬の表情」です。
目じりが下がって、
目が弓なりになりなるかまたは見開いている、
口を開けて、口角が下がっている。
たち耳の犬は耳が軽く伏せられている・・・・
この表情。実は、「喜んでいる表情」とは限りません。
特に目が弓なりになっている、
口角が引かれ犬歯が見えている、
耳が伏せられているとともに態勢が低くなっている、
尻尾が下に垂れて左右に細かく振られている・・・
こんな様子が見られたら、
その表情は「笑顔」ではなく「宥め」です。
相手に
「落ち着いて、僕には敵意はないよ。ほら、武器である犬歯はこんなに小さいでしょ」
という相手を落ち着かせるための表情であることが多いのです。
また、反対に目が見開かれ、耳が立ち、
口が開かれながら犬歯が見えない状態であれば興奮、
少しの警戒や威嚇にも発展しかねない表情です。
もしくは、暑い日や日向ぼっこのあと、かけっこの後などでは、
体温を下げようとするための身体の反応です。
日差しのもとではさらに、まぶし気に目を細めて口を開けて呼吸をします。
この「笑顔」は、まさに身体的な反応の一つでもあります。
あなたが思っている「犬の笑い」はもしかしたら、
「宥めるための行動」「身体的反応」「興奮」かもしれません。
それを差し置いても、
「犬の笑い」はある!と思えますし、犬は笑う。と私は思います。
では、どうして犬は、笑うのでしょう?
次回は「犬は笑うのか?②犬が笑う理由」でさらに、
深堀してみたいと思います。
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