公園のベンチから
昨年の夏はガラス張りの最上階で空ばかりを見ていた。ガラスを触ると、ほんのりと暑さが伝わってくる。街のいろんなニュースが流れる、えっとなんて言うんでしたっけ?キュレーションメディアかアプリかな。それの通知殆ど見てなかったんですが、とある場所の「本年いっぱいでCLOSEです。」みたいなのを読んで、夏という季節の中に居るのに、ほんのりと熱くなっているガラスに触ることしかなかったんだと、1年くらい前は、無表情に近い顔じゃなかったかなと、カメラロールを探しても、その頃の自分を自分で撮っていなかったので、わからなかった。
ただ、笑ったり泣いたりを繰り返して顔って構成されていく気がするので、もうお兄さんではなくおじさんと呼ばれる率が、ぐんと高まってしまった。
そして今年はどうだったかと尋ねられることも、有り難いことに無く、気に入らない写真をごっそりカメラロールから削除して、今年の夏っぽいボツ写真は無くなった。そんな作業を、ビルの谷間の公園のベンチでしていた。
「高層マンション購入の機会は今!」みたいなメールの通知が届いた。一瞬で指で消した。以前行った不動産会社の、家のポストに入っているようなやつだと思う。ごめんまったく興味がない。
東京タワーとか、展望台でしばし見る眺めは好きだけど、狭くてもいいから花を植えることができるような場所が好きなので、今座っているようなベンチひとつと小さな花壇があり、日除けになってくれる木がある場所で休憩しては、安い扇子でパタパタとしながら、スマホでこれを書いている。
キンキンに冷えた場所もいいけれど、意外と水分を摂って木の下にいるのも、思っていたより涼しい。いや、涼しくなってきたのか?もちろんおすすめはしない。まだまだ熱中症の危険のある気温と湿度だから。
夜だとおそらく涼しくて快適だろう。連絡が遅いのでベンチに横になってみて、およそ幅180cmちょっと。ひとりでもふたりでも、そんなに大きな荷物を持たないのであれば、ゆったりできる。
おや、なんでこんなにボクは、この公園のベンチのことを綴っているのだろう。このスマホのバッテリーが消費されるのが早くなってきた。バッテリーのピークパフォーマンスが標準だけど、新品時の83%になった。まだ使えそうだが、このスマホを持っているあいだ、あなたと会っていないですね。新しいスマホが、そろそろと、これまたキュレーションメディアからリーク情報とか通知は来たけれど、
お伝えしたいことがあるとしたら、このベンチの快適さより、次のiPhoneがどうとかでもなく、高いところは嫌いとかでなく、
ここに書いてあること以外のこと。
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