精油百花 #35 ヤロウ
◆ヤロウの基本プロファイル
【学名】Achillea millefolium
【科名】キク科
【精油抽出部位】全草
【芳香】ハーブ調でスパイシー、温かく苦みのある甘さ
【ノート】トップ~ミドル
【性質】涼・燥
【五行】木(そして金)
【原産地】ヨーロッパ
【抽出方法】水蒸気蒸留法
【化学組成】αーピネン、サビネン、1,8-シネオール、カンファー、ボルネオール、リモネン、カマズレン(微量)など
【作用】鎮静、抗カタル、消炎、鎮痙、収斂、去痰、止血、消毒、消化促進、通経、解熱、強肝、胆汁分泌促進
【安全性】妊娠中・授乳中は使用を避ける。2歳以下の小児に使用を避ける、てんかん症のある人は禁忌。希釈濃度は2%以下にすること。
多年生、ほふく性のハーブ。
直立した茎にレースのような葉で細かく裂けた羽状の小葉をつけ、茎頂に小さなデイジーに似た白もしくは淡紅色の花を無数に咲かせる。
ヤロウにまつわる民話のテーマは、愛と忠誠心などに広く及ぶ。
別名:ミルフォイル(種小名であるmillefoliumは千枚の葉の意味)
《東洋医学的視点》
鎮痙作用と消炎作用➡同じキク科のカモミール同様(涼性・燥性)
肝を刺激し、エネルギーの流れを調整するため、消化不良や腸の疝痛、過敏性腸症候群、胆汁分泌の欠乏に適する。
鎮痛作用➡「痺」(つまって通じない、しびれや痛みのある状態)を取り除く。
通経作用➡生理痛の緩和を助ける。
多様な効用➡心・腎に働き、穏やかな強心作用(血行不良や低血圧)に適する。
「肝」と「魂」にも深遠に働きかける➡気滞を解消し、それに関わる感情のブロックを取り除く。
◆ヤロウタイプのパーソナリティ
心の中に抱えている怒りや激情が、心の傷や傷つきやすさに意識下で繋がっている人におすすめ。
隠れた怒りによる辛さを抱えた人の心を解き放ち、涙を流せるようにするのに役立つ。
◆サトルアロマセラピー
陰陽エネルギーのバランスを取る助けになると言われる。
相反する力を融和させるのに役立つ。
中年の危機、更年期障害など人生の転換期のお共に役立つ精油である。
◆ブレンディング
アンジェリカ、クラリセージ、ジュニパー、タラゴン、バーベナ、メリッサ、レモン、ローズマリー
◆特記
骨髄に直接作用し、血液の更新を刺激促進する➡体全体の強壮剤
気力が衰えた時に有効である。
古代から「傷の薬草」と名高い。
精微なレベルでは守護のハーブ。「オーラ」という個人の霊的な場を強めると言われ、そのため東洋医学の五行説では「金」に入る。
*何故か?
➡肉体の境界線、皮膚の毛穴の開閉を調節するヤロウ精油の働き(生理学的理由となる)
蚊はこの精油の匂いが嫌いである。