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孫を自慢したかったお隣さん
こんにちは。さなぎです。
息子が中学生になり、早2年。
ということはまわりのお子さんも同じ年頃が多いわけで。
お隣さんのお子さんも中学3年生となりました。
つまり受験生ですね。
わたし自身はそちらの家庭とはほとんど関わりはないのですが、敷地内同居している夫の祖母がよくそのお宅のおばあちゃんとお話をします。
先日、珍しく話しかけてきたと思ったら「〇〇高校に推薦入学した」と言ってきたそう。
普段そんな話はあまりしないのにあえてしてきた。ついでにいろいろと自慢に聞こえるようなお話も多かったそうで笑
夫の祖母は咄嗟にこう思ったのだそう。
「ああ、きっと自慢したかったんだな」
あるよねー。あるある。
というわけで今回はそんなお話です。
ぜひ最後までお付き合いください。
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さてさて、普段あまりお孫さんの話はしないお隣さんのおばあちゃん。
わざわざ「〇〇高校に推薦入学した」と伝えてきた。
その〇〇高校は我が家が住む地域で一番偏差値が高い高校です。そこに”推薦入学”したのですから、さぞかし自慢だったことでしょう。
この現象、実はわたしの時代にも似たようなことを経験しています。
わたしには幼馴染が2人いました。
みんなで一緒に水泳をはじめ、なぜか泳げたわたしはどんどん進級し、違う時間帯へ移動。
勉強に関しても小学生時代だけは(だけは笑)ほぼ満点。
学級委員や委員会でも委員長をしたりと、要は小学校時代に関してはわたしは「できる子」だったのです。
だから周りの親はこう言いました。
「すごいね、〇〇ちゃん」
「なんでもできるね、〇〇ちゃん」
当時は何も考えておらず、言葉を真に受けていました。
だからかいつからか変なプライドが現れます。
「これをしたらカッコ悪いと思われそう」
「これに失敗したらカッコ悪い気がする」
「失敗したら幻滅されるかもしれない」
次第に挑戦が怖くなっていったのです。
そんな状況でしたが、とりあえず中学受験も軽く経験しました(軽いのは途中で受験自体をやめたからです)。
しかし中学受験専門の塾には意味のわからないレベルの頭のいい子がゴロゴロいます。
ご想像の通り、そこでわたしは落ちこぼれというか”中の中”になった。
そうなるとプライドが許さない。
受験に失敗するのも怖いし、落ちたら怒られそう。
そして母にこう伝えます。
「やっぱり地元の中学校に進学する」
逃げたんです。
そのあたりからですかね、怖くて努力をやめました。
中学校での成績は”上の中から下”。
勉強ができないわけではありません、成績は良かった。
でも飛び抜けてできたわけでもありません。
まだ引きずっていたわたしが選んだ高校は地元の進学校……なんですが、ほどほどの感じ(偏差値でいうと62くらい)でした。
そのころ、幼馴染2人はどうしていたかというと……。
1人は地元どころかこのあたりで1番の偏差値(70超)の高校へ。もう1人は1番の高校は落ちてしまいましたが、2番目(65)の高校へ。
わたしは、、、7番目とか8番目の高校。
「抜かれてるわ〜」「終わった…」と思ったのは記憶に残っています(いや、でも、ゆーてもそれなりの偏差値の高校ではありますが)。
そのあとさらに事態が変わります。
そう。大学です。
幼馴染は2人とも全国でも有名な私立大学へ進学。
わたしは、、、もろもろあって地元の専門学校へ。
はい、終わったー!と思いました。
ずーっと人と比べることがクセになっていたんですね。
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わたしは20代前半で結婚。翌年に息子を出産しました。
すると様子が変わります。
幼馴染の親たちがこぞってこう言うのです。
「いいね、〇〇ちゃん」
そうなんですよ。ないものねだり。
全員の年齢が30を過ぎたころ、さらに言われるようになります。
「うちの子なんてまだ結婚もしてないのよ」
結局のところみーんなないものねだり。
ただわたしの周りでは自慢するような人はあまりいませんでした(もしかしたら裏でバトルしていたかもしれないけれど)。
そんな感じでわたしは生きてきたものですから、きっと息子がN中に入っていなかったらずっと言い続けていたことでしょう。
「〇〇くんのところはこうだよ」
「〇〇ちゃんのところはこうなんだってさ」
……N中を選んでくれてよかったのかもしれない笑
むしろN中に通い始めたことで”まったく違う道から将来のしあわせを目指す”ことを受け入れた。
最初の最初、やはりどこか気にはしていました。
でも息子の変化を見ていたら少しずつ「通わせて良かった」と思えるようになった。
今ではむしろ「ここで良かった」と思っている。
徐々に受け入れ、自身につながっています。
だから不思議とお隣さんのおばあちゃんの言葉はわたしには突き刺さりませんでした。
きっと地元の中学校に通っていたとしたらいろんな感情が湧いてきたのだと思います。
「大人になったとき、その子がしあわせでいてくれたらいい」
今はそう思えるようになったのです。
ただね、ちょっと懸念点はあります。
絶対来年聞いてきますよね? 息子の進路を。
だから先に夫の祖母にはジャブを打っておきました。
「来年聞かれたら”ひ孫のことだからわからんわぁ〜”くらいで流しておいて、どうせ下に見るだろうから」
きっとN高に進学したと聞いたらお隣のおばあちゃんはこう思うでしょう。
「なーんだ、通信制高校か」って。
そんなことは覚悟しています。でもなんとなく夫の祖母にその変な劣等感を抱いて欲しくないなと思うのです。
わたしたち両親はこう考えています。
「異世界ルートでやりたいことを見つけて、しあわせに生きる」
いいんです。異世界だもの。今話題の異世界ものですよ笑
どうしても祖父母世代は公立高校が優位、続いて私立高校。
それもずいぶん変わってきておりますが、どうしてもまだまだ通信制高校はそんなイメージです。
でもね、わたしたちはむしろ”息子を他人と比べずに済んだ”。
自分がそういう経験があったからこそ、歴史を繰り返してしまうところだった。
他人の目なんて気にしなくていいのです。
彼は彼でとてもがんばっているのですから。
さ、今日も自分たちのしあわせを願って暮らしましょう。
まもなく年度が終わります。
コツコツ積み重ねた1年を気持ちよく締められますように。
今回はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。