見出し画像

指す将順位戦9th自戦記 B級1組 9回戦 (vs よ 初段[1556])

前局で遂に3敗目を喫してしまった。
指す順以前に参加していた月光戦を含めてもリーグ戦形式の棋戦で3敗以上するのは初めて。これで直接昇級の目はなくなってしまったが昇級プレーオフに入ることを目標に頑張りたい。


【対局前】

◇対局相手の印象

正統派純粋居飛車党
先手番は角換わりを主体として後手番では2手目△8四歩で相手の作戦を受ける王道タイプの将棋。一方でたまに先手相掛かりや2手目△3四歩の採用など戦型の分散もさせていて対策が立てにくい。

チャートでは若干攻めよりの定跡派。
ただ実はこれ、よさん作のチャートなので自己評価という点には留意したい。自己評価と他己評価が異なるというのは往々にしてあることだ。

◇対戦成績

初手合い
本局を迎えて互いに5-3の成績ということで上位争いをする上で意味の大きい戦いになりそうだ。

◇事前準備

前提として、本局は特に凝った準備はせず(というか相手の将棋の性質上できず)本来の将棋で挑もうと思う。

 [▲先手番]

先手番では角換わりの採用を考えていて、なかでも13手目▲1六歩の将棋にしようと思っている。
角換わりの有力な進行の一つだが指す順では指したことがないのでこの機会にやってみたい。

想定局面①
後手が悠長に組めば桂馬速攻発動

 [△後手番]

後手番の場合は2手目△8四歩で相手の作戦を受けようと思う。最近は後手雁木も試しているが正統派相手には結局一番難しい戦型で戦うのが最も隙を作らないと考えている。

想定局面②
対2五歩保留型腰掛け銀


想定局面③
上野四段が連続採用し注目の10手目△4二玉
10手目△3四歩型からの流用もある程度できそうで取っつきやすい

~対局前まとめ~

先手番でも後手番でも角換わり予想で知識を深めておく。相手から作戦を変えてくる可能性も十分にあるがそれは出たとこ勝負で。
最新型の戦いが予想され有利を取るのが難しそうだが自分の方が精度が高いと信じて挑む。


【対局開始ッ!】

先手:mint89(1659)
後手:SaisokuAmanogawa(1714)

(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)
https://shogi.io/kifus/260423

















◇急所の局面(57手目▲7九金まで)

定跡のゴールからどのように優位を拡大するか。
ここでは△3七歩成という手が最善手で後手優勢らしい。どのように局面を良くしていくのだろう。

△3七歩成 ▲同歩 △3六歩

△3七歩成には▲同歩の一手。そこでさらに△3六歩と追撃するのが好手で先手は困っている。

例えば▲2七飛は△3七歩成▲同飛△2六角が間接王手飛車だ。
▲3八香は△3七歩成▲同香△3六歩▲同香△3七角がやはり王手飛車。
とにかくこの王手飛車があり△3六歩を取れないというのが非常に厳しい。

▲3八金と、△3七歩成▲同金△3六歩▲同金となっても37に利きを残せるように防御するのが最善の対応だが、以下△4四桂と金を攻められて苦しい。37に利きを残さないと王手飛車があるので▲3七金と逃げるが△3六歩▲3八金に△7七とでハッキリ後手が良い。

△4四桂は馬を止める意味もあったのだ。
以下は▲7七同桂に△8八角と打って▲7八金△7七角成▲同金△8八飛成と強引に突破。
先手陣を荒らしながら左右挟撃形に持ち込めるのでかなり勝ちやすいだろう。
この変化を選ぶと本譜のように壁形を作らせて寄せるような戦い方ではなくなりそうだが、評価値的にも実戦的にもこちらの方が有力だと感じた。



【対局後】

◇本局の振り返り

最序盤の端歩のやり取りで錯覚があったがそれ以外は概ね良く指せた。
前局酷い負け方をしたあとのこの勝ち方は気持ちが良い。終局まで一度もこちらの玉が動くことなく激しい戦いになったが妙に取っ掛かりのない 強いときの居玉になっていたと思う。
こういう定跡勝ちからそのまま勝ちきるのが理想の将棋なのでもっと多くの対局でそう指せるように研鑽を積んでいきたい。

◇最後に

この日は第37期竜王戦七番勝負第一局当日で、挑戦者の佐々木勇気八段に注目が集まるなかで佐々木勇気新手の△3七銀を指せたのは不思議な縁を感じた。
対先手早繰り銀は(腰掛け銀の方がハッキリ有力なのもあって)あまり指すプレイヤーがおらず定跡整備も手薄になっていたのでこれを機に理解を深めていきたい。
……が、残り2局は対振りが濃厚なのでまずはそちらの勉強を頑張ろうと思います。それじゃあ。


いいなと思ったら応援しよう!