もうあの頃には、戻れない、戻りたくない。
人間は、一度経験したことに関しては、経験していない時の自分には戻れない。トトロを一度見たら、トトロを見ていない自分には戻れない。
先日、久しぶりに20時まで会社に残り仕事をしていた。完全フレックス勤務に移行してから初めて20時を過ぎて働いた。残業という概念がない勤務形態でありながら、久しぶりに残業をした気持ちになります。
その上で、5年前の自分であればなんとも思わない退勤時間でありながら、今の自分にとっては我慢ならないと感じるようになっています。「なぜこんな時間まで自分は働いているのか」と、疑問を感じるくらいに。
しなければならない業務、自分でなくても良い作業を遅い時間までやることへの抵抗が著しく低下していることを実感します。もちろん、自ら手を挙げて、自主性を持って行う業務に関しては、時間が長くなっても何も思いません。
一見すると、ただ長時間労働が嫌なだけのように思えるが、よくよく中身を考えてみると違う。先日の残業で嫌だったのは、時間ではなく仕事内容でした。
今回の私のケースでは、担当者が休暇を取っていて、代理でルーティン業務をこなす必要がありました。
引継ぎではなく、代理。
これは想像以上に辛い。なんせ、非効率なやり方だと感じても、一時的に任されているので、工程を変更することはできない。工夫する余地が見えていても、非効率を選ぶ、不合理。
単純に業務量も2倍になったので、頭を使いたいが、とにかくこなすので精一杯。考える余裕がなくなり、ただ作業を終えることを目的に一日がすぎる。
人生のハンドルを他人に任せているような気持ちになりますね。いつの間にか、知らない土地まで連れて行かれそうです。
これらは愚痴ではなく、こういった状況を言語化して客観視できる自分の成長を感じたわけであります。数年前なら当たり前で、疑問のギの字も思い浮かばなかったわけです。
仕事が終わった後、何か社外の人とイベントであったり、読書会で話したりすることはありませんでした。
ポジティブな面を考えても、一度経験したことは、経験していない時には戻れないのは同じですね。
忙しくて、時の流れに身を任せそうになったときは、5年前の自分を思い出しましょう。きっと、同じようには考えられないはず。
ネガティブな気持ちになりそうな時こそ、幽体離脱的に、自分を眺めることをお勧めします。
何かお手伝いすることがあれば、お声掛けください。
(壁打ち役になら、なれます)