見出し画像

久能整くんの名言『ミステリと言う勿れ』

*2020年10月9日初出。
このコミックス、大好きでずっと読んでます。TV放映もされましたし、映画化もされましたね。整くんの名言至言がとにかく刺さる。衝撃的な作品です。

「名言が刺さる」と話題のコミック、『ミステリと言う勿れ』。Facebook友だちの紹介で読んでみました。以前、サブスクのお試しで一巻目を読み、とても面白く思ったのですが、沼にはまりやすいわが身を鑑み、後ろ髪引かれながら結局そのままにしていたのです。でも今回、友人の勧めもあり、Amazonのポイントも貯まっていたので、沼回避のためサブスクはせず、アナログに全巻購入してみました。


注文翌日到着。早速読み進めます。結局沼化してしまったのですが、悔いなし。面白かった。でも何回か読み直さないと取りこぼしたことがあるような気がする。とても考えさせられるお話でした。

タイトルのわりには、ガチの推理物なんですが、主人公久能整(くのう・ととのう)くんのキャラが際だっています。

天パでカレー好きの、どこかボーッとした大学生。その外貌に似ない鋭い洞察力で難事件を次々に解決していきます。彼自身も何か根深い問題を抱えているようですが、現時点(第七巻)では、まだその内実は不明。どこにでもいるようで実は稀有な存在。それが主人公整くんなのです。
事件を解明する途上で、整くんはあまたの名言を残すのですが、今日は第二巻からご紹介。いじめに関する考察です。

・僕は常々思ってるんですが…
 どうして
 いじめられている方が
 逃げなきゃならないんでしょう?

 欧米の一部では
 いじめている方を
 病んでると判断するそうです。

 いじめなきゃいられないほど病んでる
 だから
 隔離してカウンセリングを受けさせて
 癒すべきと考える

 日本は逆です。
 いじめられている子を
 なんとかケアしよう。
 カウンセリングを受けさせよう。
 逃げる場を与えよう。

 でも逃げるのってリスクが大きい。
 学校にも行けなくなって
 損ばかりする。

 DVもそうだけど
 どうしてなんだろう?
 どうして被害者側に逃げさせるんだろう?

 病んでたり
 迷惑だったり
 恥ずかしくて問題があるのは
 いじめてる方なのに

 みんなが
 そういう考え方になればいいと思う。
 たとえば歩いてて
 知らない人に殴られたら
 すぐ周りに言うでしょう?

 それと同じように
 親や先生に
 「あいつにいじめられたよ」
 「あいつ病んでるかもしれないから
  カウンセリング受けさせてやって」

 隠さずにそう簡単に
 言えるようになればいい。

溜飲が下がりますね。言いたいことを真っ直ぐ、どストレートに解像度高い言葉で伝えてくれています。これが、「刺さる」と評判の整くんの名言。ね、ほんとに刺さるでしょう?
でもね、こんなに揺るぎなく正しいことを言う整くんは、このお話の中で「ウザくてキモい」と言われる設定なんです。残念。

事件の謎解きももちろん大事な読ませどころだけど、それ以上に大切なメッセージが随所に鏤められた本書。だからタイトルは『ミステリと言う勿れ』なのかも。

因みに、整くんは小学校教師志望なんだそうです。

いいなと思ったら応援しよう!