頭足人
*2019年11月11日初出。
放送大学で心理学を学んでいたころのことです。こどもの絵にある意味を知って、娘が幼い頃にこれを知っていたらなあと思ったのでした。
心理検査法基礎実習。知能検査の一種、グッドイナフ人物画知能検査(DAM)について考察しました。
グッドイナフ人物画知能検査のDMAは何の略かというと、
Draw a man.
身も蓋もない感じですが、何をどうやって検査するのかは、よくわかります。
そうです、人物の描き方で知能を測るのがDAM。なので、被験者は子どもに限られます。
被験者の子どもに、男の子の絵を頭から足の先まで描いてみて、と指示した時に出来上がった絵に評価スケールを当てて、精神年齢を割り出そう、というのがこの時間のタスク。
詳細は研究レポートに書かねばなりませんので、ここには記しませんが、研究対象になったある絵を見て、娘画伯幼少のみぎりの傑作を思い出しました。
これ。
娘画伯3歳4カ月で描いたもののようです。
ほぼ3歳あたりで、子どもは「頭足人」という、胴体を持たない、頭からいきなり手足が出ている人間を描くのだそうです。面白い。その年齢の子どもは頭と手足を注視し、胴の部分はあまり興味ないんですね。トラ子作品は、頭足人からやや進化して、頼りないながらも細い胴体が描かれています。そして大きい人とそれより一回り小さい人と、真ん中にすごく小さい人。大きい人には無精髭が生えていて、一回り小さい人の目はパッチリしている。そして真ん中の小さい人だけはオレンジ色です。
頭足人に胴体を付けたことで性別、年齢の書き分けがより明確になっているのがわかります。なるほど、なるほど。
18年前、こんな感じで絵を見る習慣があったら娘をもっと褒めてやれたのになあ。あまりにもシュールで、見るたびに笑いが止まらなかった私。見る目がなかったなあ。
娘、ごめんね。笑ったりして。でも昔から私、娘画伯のシュール系作品、好きなんだよね。新作、期待しています。