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対症療法か根治治療か

*2018年9月3日初出
6年前、不登校に対する眼差しが変わったなあと実感することが増えました。背景にはその前年の前川喜平さんのご発言、「死にたくなるくらいなら学校に行くな」があります。現役文科省事務次官のこの発言の破壊力は凄まじかった。この歩みが停滞しないことを祈ります。

・最近、メディアの報じる不登校像がずいぶん変わってきたような気がする。
不登校は世界の終わりではないし、人によっては新しい世界の始まりかもしれない。人生の選択肢の一つとして考えて何ら問題ない…。そんな感じの論調が目立つように思う。

たった5年でこんなに変わるなんて。不登校を巡る空気感の変化に驚くばかり。今学校に行っていない子どもたちが心穏やかに日々を過ごしていることを祈る。

不登校問題を考える者としては、この変化はとてもありがたく、嬉しい。でも、しかし…。

私たちは大事なことを忘れているのはないか。不登校になった子どもたちへの支援の形は確かに整いはじめている。けれど、そもそもなぜ不登校という現象が起きるのか。そのことについて、そろそろきちんと考える時期ではないだろうか。
不登校になった子どもたちへの支援は謂わば対症療法。これが適切であれば、すぐに元気を取り戻す。今、これが充実し始めたところ。でも、もう一歩踏み込んで、不登校になる要因を根絶する努力ができれば素晴らしい。これはすなわち、根治治療。難しいのはわかっている。だからといって諦めるのはあまりに残念。

まずは学校が楽しい場所にならなくては。
そのためにはどうすればいいのだろう。
たとえば全体主義や鍛錬主義と決別できれば、学校もずいぶん変わると思うのだけど。

ああ、根治治療以前に、自己免疫の高い、健康な身体(組織)であることが大事だったなあ。

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