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MACH!DA解説 第1節 サンフレッチェ広島戦 

いよいよ2025シーズンも始まった。昨シーズン、町田はJ1初年度ながら3位という好成績を残して、ACLを勝ち取り、今シーズンはさらなる躍動を求められることになるだろう。

2025年2月16日 第1節 サンフレッチェ広島と対戦した。

試合データ

スターティングメンバー


第1節 サンフレッチェ広島戦 スタメン

両チームシステムとしては3-4-2-1のシステム。広島は昨シーズン通して3バックのシステムで戦ってきたが町田は昨シーズンの序盤・終盤で3バックを利用している。広島の方が3バックに対する慣れ・理解があり、町田はこれから新戦力含め徐々にならしていかないといけないだろう。
広島はスーパーカップで神戸を下し優勝したばかりである。しかしACL含め選手の疲労はたまっていると考えられる。町田は開幕戦前の試合はなかったものの、チームコンセプトを落とし込む時間は十分とれたと思う。

試合スタッツ


・試合結果 1-2 (町田-広島)
・シュート 6:16 枠内 1:5
・ボール試合率 37% : 63%
・パス 243 : 401 パス成功率 55% : 74%
・ファウル 22:10
・イエローカード 2:1
・コーナーキック 3:7

得点の流れ

前半 26分 相馬 ゴール
後半 59分 トルガイ・アルスラン ゴール
後半 77分 中村 ゴール

広島の戦術

基本的には高い位置でハイプレスをかけショートカウンターを狙ってくる。そのため前線に人数をかけてきた。WBも前線まであがり1トップ・2シャドーをサイドからサポートする。ダブルボランチも積極的に攻撃参加し攻撃への手厚いサポートがここまでの攻撃的サッカーを支えている印象。3トップでかけるハイプレスの破壊力は大きいがそれは守備陣の負担が増えることにもつながる。

試合のポイント

オ・セフンとジャーメイン良のタスク

今回の試合は同じ3-4-2-1というシステムでミラーゲームとなった。
しかしシステムは同じであれCF(センターフォワード)の役割は全く違う。

・ オ・セフン
町田のオ・セフンは高身長を活かしたプレーで空中戦・ボールキープがタスクである。基本的には周りの味方が前線にあがる時間を稼ぐというのが主なタスク。今回の試合を見ていてもオ・セフンのいるところに高いボールをけりこんでいる場面が何度もうかがえた。町田の戦術の基本はオ・セフンを動かすことで始まる。

・ジャーメイン良
広島のジャーメインは機動力を生かしたゲームの組み立てが主なタスクである。オ・セフンのようにポストプレーというよりは様々な場面に顔を出しゲームメイクをする選手である。広島の1トップ2シャドーはジャーメイン良のゲームメイクにより技術の高いトルガイ・加藤の飛び出しが脅威に変わっていくのである。

このようにポジションが同じでもタイプが違うだけでタスクが大きく変わってくる。タスクが違うということは戦術も異なってくるのだ。

相手のトップを徹底マーク

昌子・菊池・岡村の3人はマッチアップするトルガイ・ジャーメイン・加藤をマンツーマンでマークをしていた。特に1列落ちて起点を作るジャーメインに対しても菊池は自分が守備のできる範囲で必ず捉えており攻撃の中心を潰すタスクを遂行していた。体力のある前半に1点リードし町田ペースで守りぬくことができたのも町田のディフェンダー陣の質が高いからである。
しかし状況が変わったのが後半、菊池・岡村が負傷退場し昌子・中山・ドレシェヴィッチで戦うことになる。ジャーメインは基本的には高い位置をとるがトルガイが下がり、川辺があがったり、ジャーメインと加藤が位置を入れ替える動き(渦のような動き)を繰り返し相手のマークを外そうと何度も試みていた。後半57分 自陣に押し込まれた時の町田はこのような立ち位置になっていた。

57分の立ち位置

この図からわかることはジャーメインをマークする選手は3人もいたということである。
ドレシェヴィッチは前に出すぎたため戻っており、途中視野にジャーメインを捉えており望月も中に絞っていたためジャーメインを捉えている。昌子はこの時ジャーメインを背面視野で捉えていた。まさか自分含め3人がマークしているとは気づいていなかっただろう。結局この時、川辺のマークはだれもおらず、この後たまたま振り返った白崎が気が付き視野で捉える。しかし振り返る前、白崎は加藤を視野で捉えており2人を一人でマークすることになっていた。

広島のねらい

広島はこの試合がミラーゲームになることを十分予想していたと思う。
だからこそマークのズレを広島は前半を通して狙っていた。
解説の林凌平が言っていたようにマークのズレを狙ってくるというのは57分の図を見てもよくわかる。ズレが起きて守備崩壊するのは今に始まった話ではない。昨シーズンの課題の一つは守備のお約束事が実現できていなかった部分にある。昨シーズン町田が複数得点を相手に許してしまう試合のほとんどは町田のハイプレスを利用しそれによってマークのズレ・スペースを作られたことがキッカケにある。前半、菊池がジャーメインをしっかりマークしており、もし退場していなかったら1-2のスコアで終わっていた可能性は高かったはずだ。

最後に

待ちに待ったJ1が始まり、開幕戦で惜しくも敗れてしまった町田。新戦力の力強さがわかる試合であったが、逆にメンバーが変わった時に質の差が出てしまうことが分かる試合でもあった。課題が見つかるスタートとなってしまったがまだシーズンは始まったばかりだ。諦めないで応援していきたい。
次回の投稿は第2節 FC東京戦になります。また次回も読んでいただけると嬉しいです。ありがとうございました。


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