ヒロインは山路八重 85歳。こんなところで死ぬくらいだったら、仏も神も撲殺するだけ。
「ぐらんば」 押切蓮介
PAKU★★☆☆☆ POKU★★★★★ BLACK★★☆☆☆
おじいさんとおばあさん、2人は山深い一軒家で、慎ましく暮らしていた。ある日、おじいさんがヒグマに襲われて、亡くなってしまう。おばあさんは一人きり。今日も水戸黄門を観て、角モナカを食べて過ごす。きっと明日も…。ところが、山でおばあさんを襲ったのは、ベルゼバブをはじめとする暗黒の神々。おばあさんと神々の戦いが始まる。
相変わらずの「押切蓮介ワールド」で、たとえ神々だろうとボコボコに殴る。ただ、そこにあるのは、おばあさんのどこまでも深い悲しみ。なぜ戦うのか、なぜ生きるのか、人知を超えた力を手に入れ、戦うおばあさんを見ると、涙が出そうになる。
1巻完結だが、その大半がバトルシーン。戦いを重ねる上で、様々な人間模様が分かってくる。悲しい現実の中に、おばあさんが「なぜ生きようとするのか」という人としての真髄が垣間見える。
終始シリアスかというと、おばあさんが鬼の形相で戦っている段階で、若干コメディ色が漂う。登場する人物の思考もシンプルでわかりやすい。だからこそ、リアルに感じてしまう。
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