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子どもたちの小さな“疑問“はやがて大きな確信へとつながる。“白いワンピースの少女“に導かれてたどり着く先は、真実か過ちか…。鬼の燈の島。鬼は己、己は誰か。

「鬼燈の島」 作・三部けい 全4巻

PAKU★★★☆☆ POKU★☆☆☆☆ BLACK★★★★☆

公式ジャンル:虚偽と欺瞞のサスペンスホラー

舞台はとある島。ここには学校しかない。学校に通うのは様々な事情から親と暮らせない子どもたち。子どもたちは日々の生活の中での、小さな“異物“に徐々に気がつき出し、やがて大人たちから逃げ出す決意をする。

公式ジャンルの「サスペンスホラー」というのはあながち間違っていない。ただ、「虚偽と欺瞞」と言ってしまうと、まったく救いがないようにも思えてしまう。それほど絶望に溢れた作品でもない。

子どもの頃には見えていた、「大人の未知な部分」と「世界の不思議な部分」がバランス良く描かれた作品。あくまで主人公が子どもたちなので、目線もそちらに合わせている。そのため、謎が分かりそうで分からない。情報が少なかったり、解釈にズレが生じたりして、核心が見えてこない。

最後までどうなるのかわからない、展開の読めない作品ではある。彼らが信じているものが正しいのか、過ちかも分からない。むしろそれさえも些末なことなのかもしれない。

じっとりとした、説明のしようがない影がひっそりと首をもたげたような作品。全体を通して薄暗い洞窟をイメージさせる。

タイトルの「鬼燈(ほおずき)」。鬼の燈(ともしび)。果たして鬼は誰なのだろうか。

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