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私が離人症になるまでのお話

part3   「幼馴染E」

MちゃんRちゃんに突き放されクラスで仲のいい子がいなくなったけれど、
毎朝一緒に登校しているEがいる、そう思っていた。

私は3組、Eは1組でクラスは違うけど10年弱仲良くしていて家族ぐるみの付き合いだった。
Eはキャピキャピしたませた子で、私はEについて行くことが多かった。
Eは積極的で活発な子なのに、遅刻したり休みが増えた。
時々来るときは、いつも通りテンションが高かった。
ある時、ハマってるバンドがあると紹介してきた。
それはまだ当時無名で、小さい箱でやっていたゴールデンボンバーだった。
バンドマンの1人が推しで、ライブ中飲みかけのペットボトルを投げるパフォーマンスがあり、その水がかかるのが幸せだとかヘドバンしすぎて首が痛いけどやめられないという話を聞きながら学校に行った。

別日また久しぶりに会うと、実は、と学校に行かずにそのバンドのライブに行っていることを明かし、学校に行くかどうかわからないからもう朝待たなくていいよと言われた。あと、親に言わないでねと。
別にいうつもりはなかったけど、いろいろ質問せずにはいられなくて聞いてみた。
すると、親はライブに行っていることなんか知らない、学校に行くと言って制服を着てライブに向かう、お金は親が受験で少しでもいいところに行ってほしいと塾にお金をかけていたり、受験に有利になる英検や漢検のためのお金をくれるから、それを使っている、塾だといえば帰りが遅くなっても大丈夫だと返ってきた。
1つも大丈夫じゃないけど、だからと言って親にチクる気なんてないし、Eが楽しそうなところがEを止めない十分な理由だった。
私からは気をつけてねと言ってあとは楽しそうなEの話を聞いて最後に一緒に登校した。
仲がいい子がみんな離れていく。
私は朝もひとりぼっちになった。
              
                              続く

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