誰でもすぐPlay to Earnゲームが始められる!Web3ゲームプラットフォーム「LootRush」とは
LootRushとは?
LootRushとは、様々なWeb3ゲーム(ブロックチェーンやNFTの技術を活用したゲーム)を簡単に始めることができるゲームプラットフォームです。
2021年に米拠点で創設された企業で、米国の超有名VC「アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)」の他、「Axie Infinity」「Dapper Labs」など、ブロックチェーンゲーム領域の有名企業の創業者らが出資したことで話題となっています。
なお、a16zの投資先一覧は以下で確認できます。
LootRushが解決する課題
LootRushは「Crypto gaming for all」を同社のミッションとして掲げており、この言葉に彼らの目指すものが集約されています。
現状、ブロックチェーンやNFTを活用したゲーム群、特に「Play to Earn」と呼ばれる領域は大きな注目を集めていますが、参入するハードルが非常に高いことが課題となっています。
具体的には、LootRushは以下の3点を普及の課題と定義し、その課題を解決するプラットフォームを作ろうとしています。
準備に技術的な知識が必要
高額なお金が必要になる場合がある
ゲームを始めるまでに時間がかかることがある
LootRushの提供するサービス
では、LootRushが具体的にどのようなサービスを提供しているか見ていきます。
LootRushの公式ページにアクセスすると、複数のPlay to Earnゲームのタイトルが並んでいます。Play to Earnの祖ともいえる「Axie Infinity」、サッカーカードゲームの「Sorare」、大型タイトルとして期待される「illuvium」や「STAR ATLAS」など、注目タイトルばかりです。
しかしながら、実際にこの中でLootRushを利用してプレイできるのは「Axie Infinity」のみであり、今後のゲームが遊べるようになるのはまだ先のようです。
LootRushを使うことで何ができるかについては、以下の図が端的に示しています。本来はウォレット作成など面倒な手間が多いPlay to Earnゲームを、以下の数ステップでプレイ開始できるようにしています。
LootRush上でプレイしたいゲームを選択(ただ、現在はAxieのみ)
ゲームで使いたいNFTを選択
ゲームを開始
ゲームプレイ報酬を受け取る
通常のPlay to Earnゲームを始める際に必要なウォレットの準備や暗号資産の購入が不要となっており、MetaMaskなどのウォレットがない状態でもAxieをプレイすることが可能です。
※ただし、報酬の受け取り(4の部分)にはウォレットが不可欠なので、結局作成は必要
LootRushでAxieをやってみた
ここから実際にLootRushを利用してAxie Infinityをやってみた過程をご紹介します。
アカウント作成を済ませた上で、「Axie Infinity」をLootRush上で選択すると、以下のような4つのプログラムが表示されます。
いずれのプログラムも最初にエントリーフィーが発生し、高額のプログラムほど、エネルギー量が多く(多いほど1日にたくさんバトルが可能)と、より強力なAxieが使えるようです。
よく見ると「Entry fee+●●SLPs/day」と書かれており、この意味合いはプログラムごとに決まったEntry feeを最初に支払うことに加えて、毎日ゲームをプレイすることで稼げるSLP(Axie Infinityの報酬トークン)のうちから一定額をさらに徴収される、ということのようです。
今回は一番初期費用の安い「Trainer」を選びます。
複数のAxie(NFTであり、ゲームで戦闘に使用するモンスター。3体1チームで戦う)のチームが表示されるので、自分が使いたいチームを選びます。
通常Axieを購入する際は暗号資産のイーサリアムが必要ですが、LootRushではクレジットカード決済が可能です。
※ただ、実際は購入ではなく、LootRushのサービスを介して「レンタルしている」ような状態ですが。
支払いが済むと、すぐにゲーム開始・・・とはならず、しばらく自分のアカウントがアクティベートされるまで待つ必要があります。私の場合は数日かかりました。
アクティベートが済むと、マイページにAxieをプレイするためのメールアドレスとパスワードが表示されます。
このメールアドレスとパスワードを使って、Axie Infinityにログインすると、LootRush上で自分が選んだAxieのパーティーが表示され、ゲームを遊ぶことが可能となります。
ゲームを遊ぶことで獲得した報酬は自動的にLootRushのマイページに反映されます(多少時間のラグがあります)。
私が20エネルギーをフル消費して獲得した額が28SLP=約14円('22/6/17時点のレート)であり、このうち、10SLPをLootRushに徴収されるので実質的な稼ぎは10SLP=約9円ほど、と考えると、エントリーフィーを回収するだけでもけっこうな日数がかかってしまいます。現状あまり”おいしい”状況とはいえませんね(LootRushというよりは、Axie自体があまり稼げない状態になってしまったことが原因ですが)。
LootRushの今後
実際に触ってみた感想も含めて、LootRushの今後を考察してみます。
Play to Earnゲームの世界では「ギルド」と呼ばれる、複数のNFTに投資し、そのNFTをゲームプレイヤーに貸し出し(=スカラーシップ)、集団でPlay to Earn報酬で収益を上げる団体が存在感を持っていますが、LootRushはそうしたギルドを「汎用システム化」するような動きとして見ることができるかと思います。
Yield Guild Games(YGG)を筆頭に、ギルドはスカラーシップの仕組みを通じて暗号資産、NFTから縁遠いユーザーをWeb3の世界に引き込み、市場拡大に大きく貢献しました。
ただ、依然として「Play to Earnゲームはやってみたい。ただギルドって何?」というユーザーは世界中に大量に存在する一方、彼らが簡単にPlay to Earnゲームに参画できる手段は現状見当たりません。
イノベーター理論で見ると、イノベーター+アーリーアダプターくらいのリテラシーの人々は自分で調べたり、周囲に聞くことでPlay to Earnへのアクセス方法を見つけることができると思いますが、キャズムを超えてマジョリティ層に普及していくためには、LootRushのようなリテラシーを問わずに誰もがPlay to Earnできるプラットフォームの存在が必要になると思います。
LootRushの現状としては、まだ遊べるタイトルがAxie Infinity1タイトルだけであること、かつ、そのAxieで稼げる額が少なすぎることから爆発的な普及には至っていませんが、新しいタイトルが追加され、稼げる額もより大きいゲームがLootRush上に次々に追加されれば必然的にLootRushを利用しようとするユーザーは増えることになります(逆に言えば、ギルドビジネスと同様、有力タイトルの誕生と成長に依存しているモデルでもあります)。
外的要因に左右される面は大きいですが、調達した豊富な資金を使って、プラットフォーム自体の利便性を高めていくことに加え、かなり積極的なマーケティング活動(一度アクセスすると以下のようなターゲティング広告にひたすら追いかけられます笑)も展開しており、今後業界でのプレゼンスは間違いなく高まっていくと考えられます。
以上となります。
Play to Earnの業界は、Axie Infinityなどゲーム自体の提供者に加えて、ギルドやLootRushのような周辺プレイヤーが次々と現れ、市場がどんどん細分化・役割分担されてきている印象があります。
今後も引き続き、業界の注目プレイヤーの動向をウォッチしていきたいと思います。
書いた人:Ha-Ru l Web3マーケター
https://twitter.com/Ha_8_Ru
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