私がぢマスターになるまで 3
これまでのあらすじ…
高校の球技大会中に発症したお尻の違和感。
制服姿で肛門科へ駆け込み、紛うことないイボ痔(外痔核)との診断を受ける。
そしてここから私と痔の長い付き合いが始まるのである。
痛いケツを引きずって、肛門科から自宅まで徒歩10分の距離を20分かけて牛歩で帰る。
途中、中学時代の知人(マイルドヤンキー)に声をかけられチャリで送っていくか?と通常ならありがたい申し出を受けるも、あいにくケツが痛いので自転車の荷台になど乗れるわけがない。
マイルドヤンキーは心優しい。
正直にお尻が非常事態であることを告げ、申し出を断るとそれはそれは同情してくれた。
家に着き、姉にこれまでの経緯を話すと爆笑された。
座ることもままならないのでうつ伏せで、肛門科からもらった資料を読む。
「裂肛(切れ痔)」「外痔核」「内痔核」「痔ろう」
痔ろう…初めての聞いた。
痔ろう…震えた…。
痔ろう、なんて恐ろしいのだろう。
肛門周囲腫瘍が進むと、直腸と皮膚を繋ぐトンネルが出来る…
もう字面だけでも恐ろしい。
肛門科からもらった資料には、痔になりやすい習慣なども掲載されていた。
・トイレに座りすぎ
・お尻の冷え(血行不良)
・食生活(刺激物など)
等など…
トイレに座りすぎ、これが私には死ぬほど身に覚えがあった。
当時、自分用の部屋がなかった私は個室といえばトイレ。一人になりたければトイレ。
平気でトイレに籠もる生活をしていたのだ。
また母の趣味なのか、トイレに芥川龍之介や太宰治の文庫本がおいてあった。
私は、その中の文庫本のメインタイトル「人間失格」にどハマリしている最中だったのだ。
女子高生がトイレで人間失格を読み、お尻に爆弾を抱えてしまったのだ。
それほどまでに、芥川龍之介の人間失格は私の心を掴んでいた。
そしてお尻の冷え。
体育祭は梅雨の終わり頃。
運動してかいた汗が冷えたのだろう。
そして体育館のかったーい椅子に長時間座っていたこと。
様々な要因が重なり、なるべくして私の尻は痔になったのである。
…次の日の体育祭は欠席した……
もうちょっと、つづく
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