車と腕時計とYシャツと私4
実はカバンを買うしばらく前に一度、腕時計の使用を試みたことがあります。
登場から数年を経て、いよいよアップルウォッチがキテルらしいとの評判に接し、自分も着けてみようかという気になったのです。ただ、いかんせんアップルウォッチはお試しで買うには値が張りすぎるので、まずは安い他社製品で使用感を試してみることにしました。
結果は、自分には必要ない、でした。体調管理に役立つかと血圧の測定などに使ってみたのですが、一度測ったら満足して、すぐに飽きてしまいました。他にやれることもスマホに近いし、スマホで十分と思いました。この当時は実用品として以外の価値を腕時計に見出していなかったため、ほどなく使わなくなりました。
それからしばらく経ち、ブランド品の服の高さに打ちひしがれていた頃、時計youtuberのRYさんの動画を観る機会があり、機械式腕時計というものを意識するようになりました。それまで、いわゆる高級時計は金持ちの道楽であり、自分には関係ないものと思っていたのですが、ブランドの歴史などを学び、それだけではないことを知りました。このあたり、事前にアウトドアブランドにはまっていたことが高級時計をすんなり受け入れる素地になっていたかもしれません。
機械式時計の特徴として、クォーツ式に比べて壊れやすいので丁寧に扱わないといけないとか、精度が劣るので時刻合わせを多めにしないといけないとか、放っておくと止まるので毎日のようにゼンマイを巻かないといけないとか、数年経つと精度がさらに落ちてくるのでオーバーホールに出さないといけないなどがあります。
これらは全てよくないことのように見えますが、翻って自分の乗っている車について考えてみます。ルノートゥインゴというMTの輸入車なのですが、これを選んだのはマニュアルシフトの不便さをむしろ好ましいものとして捉えていたからに他なりません。そういった気持ちで機械式腕時計に目をやると、前述の特徴は皆、好ましく思えてきます。むしろ、今までその魅力に気づかずにいたことを申し訳なく思うほどです。
それから、自分の服装や車との相性、予算などを考慮した結果、初めての機械式腕時計の購入に踏み切りました。ハミルトンのカーキアビエーションパイロットです。
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