見出し画像

月に一本、映画とゲームのエンディングを見るという話-20年11月編

 気が付いたら外の気温が低くなっていました。時勢がどうとか関係無く、テレワークで自宅で仕事が出来る環境になっている今外に出る必要が一切無いので、季節を感じる事が極端に減りましたね。
 外出する趣味を持ち合わせて居ない為、基本は椅子の上に座ってやれる沢山の趣味に没頭しています。それこそ今みたくNoteの記事を書いたりギターの練習をしたり、ゲームをやったり映画を見たり。VRの世界に旅立つのも基本は椅子の上です。稀に立ちますが。ギターは触る機会を増やしたおかげで、ほんの少しだけ上達した気になっています。嬉しいね。

 さて、今月は映画を沢山見ました。どれも楽しめて非常に良い月になりました。まずはゲームから順繰りと。

・Bloodstained: Ritual of the Night

画像1

 月下の夜想曲を代表とするキャッスルヴァニアシリーズの親である、五十嵐さんの新作。新作とは言え既に発売から一年は立ってますが。
 ドラキュラシリーズは何作か遊んでいて、まさにそれと同じ体験が出来れば十分だと想像しながらプレイし始めましたが、こちらが考えた五十嵐ヴァニアはこういうのだよなっていうのを完璧に満たしてくれていて、最初から最後まで楽しめました。アクションは勿論の事、武器やソウルのドロップ回収も面白ければアイテムの精製、料理など以前は無かった要素も含めて全てメトロイドヴァニアでやりたい事が詰まっていました。
 行動の自由度の高さも非常に良くて、ただ普通に攻撃ダッシュジャンプとしているだけでも必要十分な楽しみ方が出来る中、攻撃バックステップキャンセル屈みキャンセル攻撃バックステップキャンセルといった忙しい行動をとる事で、DPSが上がるという忙しさによる遊びにも対応されていて。そこが非常に心地よかったです。忙しい行動は必須じゃないというのが良くて、やれるとちょっと強くなるよ程度に収まっています。
 探索型のアクションゲームがやりたいなと思う人でまだプレイしてない人には胸を張ってお勧めできるゲームかと思います。


CRYSTAR

画像2

 日本のデベロッパーgemdropsが開発したアクションRPG。当初との想像とは違いまさかのハクスラ系のゲームでちょっと驚きました。
 クライスタは哀しくも強くある為の物語です。僕の好きな作品で「ほんとうの悲しみはね、 悲しみが生まれることでしか 完璧にならないような物語だけが持つの」という言葉があります。これは一つの物語の構成に置いて自分にとってこれ以上ない答えだと思っていましたが、悲しみが物語を補強するのではなく、悲しみを物語が補強する事で一つの完成された作品になるといった逆説的な答えを見せてくれたのが、このCRYSTARという作品です。
 絵や音楽、背景美術、物語。どれをとってももっともっと評価されるべき作品なんじゃないかと思います。正直プレイ開始時は泣いてる女の子を見てニヤニヤしようという非常に不順な動機でした。実際にそこの欲望は満たされることになります。最高です。
 ただ、圧倒的に欠けている部分が一つ存在しており、一番触っている時間が長いだろうアクションゲーム部分の雑さがあまりに酷く、アクション以外は全て評価が高いゲームといわれてしまうのも仕方がない出来になっています。アクションパートのチューニングをした人間とディレクター出てこいや。勿体なすぎる。本当に心の底から勿体ないと思う作品です。
 ただ、やはり物語や世界観。キャラクタなど非常に魅力的な部分が多い作品です。アクションにあまり興味がない人こそプレイにストレスを感じないのではないかと思うので是非プレイしてほしいなと思います。
 割と自分の中では大事な作品になりました。


天穂のサクナヒメ

画像3

 今月は国産ゲームしかプレイしてないですね、珍しいかも。日本の同人サークルEdelweissが魂と根性で制作した、今まさに流行っている稲作アクションゲームです。
 まさか自分が最新のゲームをプレイする事になるのかと思いましたが面白そうなのでしょうがない。
 サクナヒメの芯になる部分は家族と絆の積み重ねであり、成長であると思います。
 稲作は勿論楽しく、稲作は肥料の調整や水量、畑の温度、虫や病気との闘い。wikiや米つくりのサイトを見て勉強し、知識をつけていくのも非常に楽しい体験でした。
 アクションパートも羽衣やコンボの選択肢が異常に多く自由度が高い為、打ち上げてエリアルからの安定コンボからコンボの締めに吹き飛ばしで巻き込みダメージを狙うか羽衣で体力を奪うなど、コンボルートを考える事も楽しいし、天返宮では弾く事が必須になる為、敵の行動や動きを見極め弾いて回復しつつダメージを確実に与えていくといったヒリついた攻防も楽しめます。何度も何度もトライしてボスを倒せたときの達成感はなかなかの物です。
 ただ、プレイしていくうちに気が付く事があります。序盤は畑やアクションパート、探索度の事をばかり考えていくなか、気が付くと一緒に生活しているキャラクタ達がいつのまにか家族になっていくんです。サクナも最初はわがままで贅沢ばかりするクソガキだったのが、いつの間にか想像以上に大きく大きく成長していきます。
 今まで与えられる事ばかりだったのが、自ら場所を作った訳です。居心地の良さや生活の質は神界の方が百倍上等でも、一から自分が作り育てて来た場所、世界の方が価値がある事に気が付いていきます。サクナが成長するのと同時にプレイヤーも共感していきます。なんせ実際に畑を耕してるのはプレイヤーでもあるからです。
 後半にかけてドライブしていく物語と家族達への愛情は想像もしていなかった感動を与えてくれました。
 なんだよ。サクナヒメ稲作とアクションが面白いと思って始めたのに、一番面白かったのストーリーじゃん。そうなる作品でした。人によってはゲームオブザイヤーになる可能性が十分にある作品です。お勧めです。


アポカリプト

画像4

 メル・ギブソン監督作品のマヤ文明をテーマに圧倒的なパワーに溢れた鬼ごっこ映画です。
 何か大きなメッセージが有ったりとか、そういう映画なのかなと期待して見始めたんですが、実に意外で、そういった難しいようなメッセージ等ではなく単純な家族愛や搾取する者への搾取される者のカウンターだったり
 鬼ごっこだったり、アクションだったり単純にちょっとグロかったり、狂乱的な祭典だったりとにかくパワーの中にパワーがありふれていて
 割と最初のシーン以外は緊張感があるシーンが多くハラハラし続ける感じになりますが、冗長的なシーンが少なく画面に食い入るような展開がポンポン入り込みます。
 マヤ文明の生贄のシーンは、はるか昔にアステカやマヤ関係を調べた時に想像していた物と近く、わーこれか!これこれ!って祭壇を見た時に思いました。
 人の生首とか首以下の身体が転がってるんですが。後、一度の儀式に生贄一人とか厳正したものなのかなと思っていたのに流れ作業で人殺しまくってるのは地獄でした。
 平和に暮らしていた村が襲撃され、女は売られ男は生贄として殺され、弄ばれるという凄惨な出来事を目にしてきた所でラストシーンで出てくるスペイン軍の船を見て
 それをしてきたマヤ文明がスペイン人に襲撃される側になるんだろうと思うと、村や小さいファミリアのアポカリプスが有った後に本来の大きな文明が閉じるアポカリプスがこれから起こるのだろうと思うと
 パワーに溢れた映画だなと思いました。面白かったです。


音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!

画像5

 三木聡監督で主演は阿部サダヲ。三木監督の作品は正直見た事がなかったんですが、阿部サダヲが出ているという事と、アポカリプトで圧倒されたので何も考えなくても良さそうという理由でふと見てみました。
 正直この手の日本の音楽映画は期待せずに見始めます。直球かもしれませんが何かと出来が悪いというかなめんなよ?と思う映画が多いのです。
 この映画もどちらかといわれたら、非常に漫画的で、漫画的というとちゃんとした音楽漫画に失礼かもしれないけれども、コミカルな映画という感じの作品です。キャスティングが豪華なのにやらせてるのは無駄なキャラという意見も非常に多いのですが、正直に言うと、僕はこの作品は好きな作品で楽しめたというのが素直な感想です。
 都合の良い展開とか変な展開とか愛嬌で受け入れてしまえてしまった訳です。喉が避けて吐血するシーンもバカバカしく血が噴き出していて、要するにこれは真面目にやってません。誇張していますという姿勢の提示だと思いました。正直血の量とか出方なんかどうでも良くて、ハードなヴィジュアル系のライブに来てる客が血を浴びて引いてる事の方が100倍きになりました。ボーカルが吐いた血なんて喜んで受けにいくだろ。そこらへんのディティールは欠けてるかなと思います。
 後は小峠のバンドの裏にカタルさんやナボさんが居て、結構画面に映っていたのがうれしかったです。本当にその程度の感じの映画でした。
 割と好きな映画ですが見なくて良いと思います。酷い話だ。


クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

画像6

 誰だって知ってる。クレヨンしんちゃんの映画が名作である事を。知っていながらなぜか別の映画を見続けていたけれども、ようやく重い腰が上がって見てみました。
 結果はわかりきっていて、クレヨンしんちゃんの映画は、子供から大人まで、素直な人間から斜に構えたサブカルオタクまで全方位で納得せざるを得ない完ぺきな作品であったと言わざるを得なくて、あらゆるポイントで心臓を殴りつけてくれる訳です。
 先日、ある話会にてクローンについて話す機会がありました。自分と全く同じ記憶と容姿を持った人間が作られた場合どうするかといった話です。スワンプマンからの派生でしたがそちらは置いておきます。
 良くあるオリジナル-クローンの関係ですが、作られた瞬間の時点で完全一致してる以上両方とも”本物”である事には間違いが無いわけです。今回ひろしは人間とロボットという容姿や身体能力が違うという差がありましたがロボットになった側のひろしは直前まで”人間”だったひろしの記憶が存在しています。
 どうなるかというと、もちろんロボットひろしは自分はロボットに改造されてしまった”本物”だと認識します。しんのすけやひまわりは大事な自分の子供だし、みさえは愛する妻である訳です。
 その後人間側のひろしとロボットのひろしが対峙する事になります。その時のひろし達や、回りの人間達の感情の動きや所作については全てが納得が行くようで全く納得がいきませんでした。当然人間側のひろしを”本物”だと認識するからです。
 容姿以外何一つかわらない家族で父親のひろしはそれを見てどう思うだろうか。唯一しんのすけだけはあまりに純粋であまりに熱く二つの父親の存在を受け止めています。泣かない訳がないだろそんなの。
 敵対しあう本人達は物語を通して完全に同じ行動原理の下家族を守り、結果認め合います。自分に託す自分と、自分から託される自分。それを認めたしんのすけ。
 たった96分という尺で描かれるには濃すぎる内容で、かつ完璧にまとまっていました。大量の予算をつぎ込んで120分以上かけて描き切れていない、無駄が多い映画が多い中、クレヨンしんちゃんの映画群はそれを圧倒していると映画批評家が言っていました。
 前提条件として子供向けであるという部分がそこのシンプルさを担保しているのだろうと思いますが、それにしても見事です。
 そもそもクレヨンしんちゃんは青年向け雑誌で連載開始されていたという二律背反したバックボーンがあるのも面白い要素かもしれないけれども。
 お勧めです。


最強のふたり

画像7

 良く考えるとフランス映画ってあまり見た経験がないなと思いました。
 頸椎損傷で首から下が全く動けなくなってしまった大富豪と、その友達の話です。
 障碍者に対してどうするかとか、色々と考えられる作品だと思いますが、それを考える事の時点で差別なんじゃないかとは昔から思っていました。
 その差別っていうのはどういう事かというと、特別扱いするかどうかかとも思うし、意思疎通が難しい場合は専門的な人間の知識や経験が必要かと思うけれども、フィリップのように意思疎通が出来る人とは特別扱いせずに普通に接して生活すれば良いと思ってる自分は障害者との生活を行った事が無いという経験からなんだろうか。これはただの綺麗事なんだろうかと映画を通して思いました。
 映画はドラマとしては王道的で、障害者の自分にたいして、障害者としてではなく人間として接してくれているドリスを気に入ったフィリップが雇うという話です。
 堅い金持ちという印象だったフィリップは意外とユーモアもあるし笑うし喋る人間で、ドリスは遊びに行こうぜとフィリップを連れ出して夜の街を楽しんだりします。それが単純に楽しそうで面白くて羨ましさを感じます。
 こんな生活も良いな、ずっと話をして笑って生活できれば幸せなんだろうと。この映画の良い所はそれが映画が終わった後も続いている事でしょう。
 これは実話です。勿論映画用に調整されてる部分は多くありますが、四肢麻痺をした実業家と青年が出会って世界が変わったのは事実です。そして映画が終わった後も二人は最強のまま繋がっています。
 こういう話があるだけで、世界は捨てたもんじゃないと海の上のピアニストみたいな事を言いたくなるような映画でした。This is ヒューマンドラマ。
 お勧めです。

 という訳で11月はゲーム3つと映画4つ見ました。12月はアルトデウスBCとサイバーパンク2077があり、アルトデウスは現在プレイ中なので、この二つの作品で今年はしめくくりかなと思っています。
 先日のセールでCRYSTARと一緒にダンガンロンパ1~3まで購入したので来年はダンガンロンパから始めようかなと思っています。
 映画もノルマの12本は消化したので、合計値的には月1で映画とゲームのエンディングを見るは達成できました。実は初めてかもしれない。Noteに記事を書き始めて居て居なければ達成できなかったと思います。ログを残す事でどういう事を感じたんだっけと見直す機会にもなれるので来年もやり続けたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?