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OpenAIの最新アップデートについて解説!【OpenAI o1,Canvas,プロンプトジェネレーター】

2024年、OpenAIが画期的なアップデートを発表し、AI業界に新たな革命を起こしています。特に注目を集めているのが、O1モデル、Canvas機能、そしてプロンプトジェネレーターです。
これらの新機能は、AIの活用範囲を大幅に拡大し、ユーザーの生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。本記事では、これらの革新的な機能の詳細と、ビジネスや日常生活での具体的な活用方法をご紹介します。

この記事にぴったりな人

・OpenAIの最新アップデートについて知りたい方
・Canvas,プロンプトジェネレーターの活用事例について知りたい方

今回の担当

なお、こちらの記事の内容はYoutubeでも公開しておりますので、そちらもあわせてご覧ください!!

1. o1モデル:専門タスクに特化した新たなAI

o1モデルは、OpenAIが2024年9月12日に発表した、特定のタスクに特化した新しいAIモデルです。従来のGPT-4が汎用的な能力を持つのに対し、o1は数学、物理学、生物学、コーディングなどの専門分野で卓越した性能を発揮します。

O1モデルの特徴

  • 専門性:複雑な数式の解釈や科学実験の結果解析に強み

  • 処理速度:高度なタスクに特化しているため、処理に時間がかかる傾向

  • 適用範囲:専門的なタスクに最適化されているが、汎用性は低い

活用シーンと具体的な使用例

  1. 研究開発:複雑な実験データの分析や理論検証

  2. エンジニアリング:高度なアルゴリズムの最適化や性能改善

  3. 金融分析:複雑な数理モデルを用いた市場予測やリスク分析

GPT-4oとの使い分け戦略

  • o1モデル:高度な専門知識が必要なタスクや深い分析が求められる場面

  • GPT-4o:日常的な会話や幅広いトピックに対応する汎用的なタスク

o1モデルとGPT-4を適切に組み合わせることで、より効率的で多様な問題解決が可能になります。例えば、o1モデルで専門的な分析を行い、その結果をGPT-4oで一般向けに分かりやすく説明するといった使い方が考えられます。

2. Canvas機能

Canvas機能は、AIが生成した文章をその場で直接編集できる画期的な機能です。これまで別の編集ソフトを使用する必要があった作業が、一つのインターフェース内で完結するようになりました。

キャンバス機能の概要と使い方

  1. まず、ChatGPTのモデルを「ChatGPT with Canvas」に変更します。

  2. 編集したい文章を貼り付けまたは生成

  3. 別ウィンドウでキャンバスが開き、直接編集や、文章に対してChatGPTがレビューする機能が使用可能になります。

Canvasのその他の機能について

  • バージョン管理:編集履歴を保存し、以前のバージョンに戻すことが可能

  • 文章レベル調整:大学院レベルから幼稚園レベルまで、読者に合わせて調整可能です。ただ、例えば幼稚園レベルは文章が崩れて元の意味がわからなくなることもあるので、用途によって使い分ける必要があるでしょう。

  • 長さの調整:文章の長さを簡単に拡張または縮小できます。

  • 絵文字の追加:文章にニュアンスを加えるために絵文字を追加する機能もついています。ただ、絵文字をつけるとなると親しい間柄に限られてくるので、ビジネス文書にはちょっと難しいかもしれません。


ビジネス文書作成での活用事例

  • 契約書のレビューと編集

実際にCanvas上で契約書チェックをやってみました!
なお、より詳しい内容については以下の記事で紹介してますので、こちらもあわせてご覧ください。

まず、契約書をCanvasで開きます。

Canvas上で対象箇所を選択するとレビューしてもらうことも可能です。
レビューした内容はドキュメントのようにコメントもしてくれます!

また、Canvasの左側のチャット欄からGPTsを呼び出すことも可能です。
試しに、下請法に特化したGPTsを呼び出して、再度契約書のレビューをしてもらいましょう。

より専門的な内容でレビューをしてくれました!
レビューしてもらった内容は、そのままCanvas上で編集して反映させることができるので、もう違うツールに貼り付けて編集。。。なんてことはしなくてOKです!

他にもコード生成などでCanvasは真価を発揮できるので、皆さんの業務でもCanvasを通じたソリューションが見つかるのではないでしょうか。

3. プロンプトジェネレーター

プロンプトジェネレーターは、効果的なAIプロンプトを自動生成する革新的なツールです。この機能により、AIとのより効率的で生産的な対話が可能になります。

プロンプトジェネレーターの使い方

まず、大前提として、プロンプトジェネレーターはChatGPTの機能ではなく、OpenAIが提供する「PlayGround」というページから使用することができます。

最初に、Google検索で「OpenAI プレイグラインド」と検索しましょう。
おそらく一番上に表示されるのでこちらをクリックします。

ページに遷移したら、右上のPlayGroundをクリックしてください。

以下のようなページになれば成功です!

※もし表示されない場合は、左側のメニュー一覧に「Chat」とあるので、それをクリックすればいけると思います。

業務効率化のための具体的な活用方法

今回は、フリーランス新法という法律が11月から施行されるので、フリーランス新法に違反していないかチェックするためのプロンプトを、プロンプトジェネレーターに作ってもらおうと思います!

フリーランス新法に特化したプロンプトにするためにも、まずは情報を収集することから始めます。
今回は検索型AI「Felo」を使って情報を収集し、その情報を基にプロンプトジェネレーターでプロンプトを作成する流れにしていきます。

なお、Feloについては以下の記事でも解説しておりますので、こちらもあわせてご確認ください!

まず、Feloで検索したい情報を入力します。

次に、PlayGroundに移動して、Feloで集めた情報に基づいて、契約書チェックのプロンプトを作ってもらうよう指示します。

プロンプトが出来上がりました!拡大するとこんな感じです。

このプロンプトでは、契約書や取引の適正性を確認する際に、法律の要件を満たしているかを判断するための質問や手順を提供します。

# 法律に基づくチェック項目

以下の各チェックポイントに従い、契約や取引がフリーランス新法に従っているかを確認してください。

## 1. 特定受託事業者の確認

- 契約相手がフリーランス新法の対象であるかを確認してください。具体的には、以下の基準に一致するかを確認します:
  - 従業員を使用せずに個人で事業をしている。
  - 副業として単独で個人事業を行っている。
  - 一人社長の法人である。
  - 注意:週20時間未満または31日未満の短期雇用は「従業員」に含まれません。

## 2. 取引条件の明示

- 取引条件の明示が行われているか確認してください。具体的には:
  - 報酬、納期、仕事の範囲などが書面やメールで明示されているか。
  - 明示方法が適切か(契約書、発注書、サイトURLなど)。

## 3. 支払期日の設定と支払い義務

- 納品から60日以内に支払いが設定されているか。
- 契約書に支払日が明記されているか。

## 4. 禁止行為の回避

- 受領拒否、報酬の減額、返品などの禁止行為に該当する条項が存在しないかを確認してください。

## 5. その他の義務の遵守

- 契約解除・不更新の予告に関する規定のチェック。
- ハラスメント防止措置が取られているか。
- 妊娠、出産、育児、介護への配慮がなされているか。
- 募集情報の適切な表示がされているか(該当する場合)。

## 6. 再委託の場合の特例

- 再委託の場合、支払い条件に関する例外規定が法律に沿って適用されているかを確認します。

## 7. 業界特有の注意点

- 建設業など、業界特有の規制や慣行との整合性を確認してください。

# 出力形式

プロンプトの出力は、各項目についての遵守状況を「はい」「いいえ」「不明」のいずれかで答え、具体的な修正や補足が必要な場合にはその内容を記述してください。

# 例

**契約書確認の例**

- **特定受託事業者確認**: はい
- **取引条件の明示**: いいえ(報酬が具体的に明記されていないため、契約書を修正する必要があります)
- **支払期日**: はい
- **禁止行為の回避**: はい
- **その他の義務の遵守**: 不明(育児への配慮が明記されていないため、確認が必要です)
- **再委託の特例適用**: はい
- **業界特有の注意点**: はい

# 注意点

- 法律の解釈や適用についての不明点がある場合は、法律の専門家に相談することをお勧めします。

マークダウンの使い方など、結構本格的に作成してくれました。さすが本家?が作ってくれたプロンプトって感じです。

あとは、このプロンプトを基にGPTsを作ればいいだけです。ChatGPTの画面に切り替わって、GPTsを作っていきましょう

基本的に指示のところに作ってもらったプロンプトを貼るだけで問題ないです。(余計な出力が出ないためにも、Web検索と画像生成は外しています。)

では、早速テストしてみましょう。
今回はこちらの契約書をダミーとして使っていきます。
支払期限など、フリーランス新法上NGとされている部分をあえて記載しているので、GPTsがこれを検知できるかドキドキしますね。

                   講師業務委託契約書(ダミー)
第1条(業務内容)
受託者(講師)は、甲(委託者)が指定する講義を行うものとする。詳細な講義内容、日時、場所については後日、甲が通知する。
第2条(報酬)
受託者に支払う報酬は、甲が定めた額とする。報酬の支払いは、受託者が業務を完了した月の翌々月末日までに行うものとする。報酬の具体的な金額については、別途合意することとする。
第3条(支払方法)
報酬は甲の指定する方法により支払う。ただし、支払方法は甲の都合により変更することができる。
第4条(契約期間と解除)
本契約の有効期間は1年間とする。甲は、理由を問わず、いつでも契約を解除することができる。受託者が契約を解除する場合は、甲の承諾を得るものとする。
第5条(募集条件)
甲は、講師の募集に際して、受託者に対し業務の詳細を事前に通知する義務を負わないものとする。
第6条(ハラスメント防止)
甲は、ハラスメント行為をしないよう努めるものとするが、具体的な措置については別途協議する。
第7条(労働環境)
甲は、受託者が快適に業務を遂行できるよう、必要な場合に限り適切な措置を講じるものとする。
第8条(妊娠・出産・育児等の配慮)
甲は、受託者が妊娠・出産・育児等の状況にある場合、業務に支障が出ない範囲で可能な限り配慮を行う。
第9条(損害賠償)
受託者が本契約に違反し、甲に損害を与えた場合、受託者はその損害を賠償する責任を負うものとする。また、甲が本契約に違反した場合、受託者は甲に対して損害賠償を請求する権利を有する。
第10条(秘密保持)
受託者および甲は、本契約に基づく業務遂行に関連して知り得た相手方の秘密情報を、相手方の事前の書面による承諾なく、第三者に開示または漏洩してはならない。本条の義務は契約終了後も継続するものとする。
第11条(合意管轄)
本契約に関する紛争については、甲の本店所在地を管轄する裁判所を専属的な第一審の管轄裁判所とする。
第12条(協議解決)
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に関して疑義が生じた場合、甲および受託者は誠意をもって協議の上、これを解決するものとする。

なかなかいい感じですね!

僕がやったこととしては、Feloへの検索依頼とGPTsへの貼り付けくらいでしたが、たったそれだけで本格的なチャットBotを作成することができました。

もちろん、情報はFeloなどの検索AIだけではなく、自身の知見を基に作成してもOKです(むしろそちらのほうがより質の高いプロンプトが作れそう)

AIは連携次第で大きな業務効率化に繋がりますので、ぜひお試しあれ

4. まとめ

OpenAIの最新アップデートは、AIと人間の関係性を新たな段階へと押し上げました。O1モデル、Canvas機能、プロンプトジェネレーターという3つの革新的機能は、それぞれが単独でも強力ですが、組み合わせることでさらに大きな可能性を秘めています。

これらの機能を効果的に活用することで、ビジネスプロセスの効率化だけでなく、創造性の向上や新たな価値創造の機会が広がります。同時に、AIリテラシーの向上や適切な使用ガイドラインの策定など、新たな課題にも直面することになるでしょう。

AIとの共創時代において、重要なのは技術の進化に追従するだけでなく、人間ならではの創造性や批判的思考を磨き続けることです。OpenAIの最新アップデートは、そのための強力なツールを提供してくれています。

今こそ、これらの新機能を積極的に探索し、自身のワークフローに組み込んでいくチャンスです。AIとの効果的な協働を通じて、個人や組織の可能性を最大限に引き出し、イノベーションを加速させていきましょう。

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