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成長マトリックスとバリューチェーン:営業提案のアプローチ

要約


今回は、営業活動における提案のポイントを見つける方法についてのお話です。主なトピックは、お客様のビジネスを理解する方法、提案のテーマを設定する方法、提案を行う方法です。具体的には、成長マトリックス、中期経営計画、バリューチェーン、「3つのなぜ」のフレームワークなどのツールを紹介。アクションアイテムとして、これらのフレームワークを使ってお客様理解を深め、提案テーマを設定し、提案を成功させることを挙げています。


はじめに


営業マンが日々お客様に提案しているが、提案のポイントをどのように見つけているのかについて解説する。営業の仕事は、お客様の課題と自社の解決策をマッチングさせることである。


お客様のビジネスを理解する方法


お客様のビジネスを理解するために、成長マトリックスや中期経営計画などの既存のフレームワークを利用する。成長マトリックスでは事業戦略のフォーカスを、中期経営計画では現状・目標・数字・戦略を分析する。


提案のテーマを設定する方法


提案のテーマを設定する際は、バリューチェーンで課題を発見したり、「なぜ3つ」のフレームワークで必要性を訴求したりする。


提案を行う方法


「3つのなぜ」の疑問に答えられるように準備してから提案する。提案時にはお客様理解の結果を説明し、提案がそれに基づいていることを示す。


行動項目


1.     成長マトリックスや中期経営計画などを使って、提案先のお客様のビジネスを理解する。
2.     バリューチェーンのフレームワークを使って、提案テーマを設定する。
3.     「なぜ3つ」の疑問に答えられるように準備してから、お客様理解に基づいた提案を行う。


ここから本題


今日はお客様理解から提案ポイントをどう見つけるのかというお話をしていきたいと思います。

大枠を最初にお話をした後、具体的なお話をします。まずお客様のは、こんなことをしたいとか、もっとこうなればいいなというふうに考えていることがあります。

これは例えば、経営戦略中期経営計画、その他の記事だったり、ホームページで取り組みを発信されています。私たち営業マンは、自社の製品だったりサービスがありますよね。それを通じてお客様をどんなふうに支援ができます。貢献できますといったいわゆる武器を持っているわけです。


このお客様が考えていることと私たちが解決できるもの。支援できるものを要は「マッチング」していく仕事というのが私たち営業の仕事になります。先ほど言ったように、経営戦略や中期経営計画、ホームページだったり記事だったり諸々お客様が発信されているところから情報を得ます。

一方、私たちの製品の概要、既に使っていただいてるお客様の事例だったりとか、仮説ですね。どういうふうにお客様にお役に立てるのかというところをすり合わせていく作業になります。

いろんな課題が世の中はあります。お客様もいろいろ解決したい課題というのはお持ちです。ただその一つ一つに向き合っているとなかなか話が前に進まなくなるので、その会社の中でもいわゆるとなる、いわゆる中心となる課題だったり取り組みっていうのは何なんだっていうところを、私たちは見極めていかなければなりません。


その幹を見極めた上で適切に対応していくという話になります。ここまで話を聞いて「そういうことはわかっているよ」「そんなこと言われなくても知ってるよ」という方もいると思います。ただし、それがわかってるけどできない理由ってのがあるわけですよね。


日々営業活動で忙殺されてると、お客様について調べる時間なんかないよとかですね。あとさっきあの経営戦略とかあと中期経営計画だったりっていうのが、お客様が出してるのは知っているけど、それどこ見ればいいのみたいな話があったり。いろんな課題があるわけです。

今回はシンプルに

1) お客様のビジネスを紐解く方法
2) 提案のテーマ(仮説を立てる方法)
3) 提案する方法

というこの3つについて簡単にお話をしていきたいと思います。

一つ目のお客様のビジネスを紐解く方法についてですが、いろんな世の中にある、いわゆるフレームワークを使っていくといいかなと思います。例えば私が推奨している一つのフレームワークとしては、アンゾフの成長マトリクスというものがあります。




わからない方は、ググってください。簡単に説明すると、縦軸にお客様が新規なのか既存のかというのがあって、横軸に製品が既存か新規かというものがあります。要はお客様の事業戦略を理解する上でどこを伸ばしていこうとしているのかというのをこのマトリックス図を使って理解をするわけです。
例えばお客様のお客様が、既に持たれている既存のお客様で、製品が既存の場合は、市場の浸透性というのを重要視しています。購買数・購買金額・リピート率を高める話がここですね。


一方、製品は既にあるものなんだけれども、お客様として新しい市場を開拓していきたいという場合は、新規市場の開拓というところが必要なってきます。これに関しては、例えば今まで提供していなかった域外のお客様ですね。日本国内でも海外に進出するというのでもいいです。市場を開拓していくという話になります。


あとお客様は既存のお客様なんだけれども新規の製品を作っていくとすれば、新規製品開発というとこりですね。既存の製品ではなく今まで培った技術を使って新しい製品を作っていくという話になります。


最後がお客様の製品も新しいという場合は、事業自体を拡大していくという話ですね、新たな収益チャンスを見つけていくという話であります。どこにお客様が注力してるのかによって私たちの提案内容変わってきます。


例えば富士フイルムさんの例でいくと、お客様も製品も既存でいくと、例えばインスタントカメラとか、レントゲンのフィルムとかですね。そういったものは元々作っているし既存のお客様に提供しているものになります。一方、元々作っている製品を、新しいお客さんに売っていくっていう場合は、液晶のフィルムとか、あと携帯電話用のプラスチックレンズみたいなものが、市場を新たに開拓していくという形になります。


あとはお客さんが既存で製品が新規という場合は、レーザー内視鏡とかですね、あと医療用の画像情報ネットワークシステムみたいなものは結構新しいチャレンジとして数年前始められました。


あと製品もお客様も新規っていうとこでいくと、もう最近少しずつ増えてきましたけど、化粧品とかですね。アスタリフトとか。ご存知の方もいるかなと思います。富士フイルムさんで作っている化粧品っていうのは、結構新しい最近のサービスになります。


あともう一つは中期経営計画を見ようという話をちょっとしたんですけども、そこに関しては3つ見ればいいところがあります。


1.     現在、状況そして未来どういったとこに向かいたいのか
2.     定量的な数字
3.     戦略(どこにリソースを投下しようとされているのか)


この3つを見ていただくと、中期経営計画の見るポイントとしては十分です。
一応先ほどのお話の通りビジネスを理解する紐解くという方法ありましたが、次が提案のテーマですね。

例えば仮説を立てるときに、どんな方法あるのかというお話をします。ここに関しては、バリューチェーンというものを使って理解すると良いです。
例えばBtoBの製造業の場合ですね。左から右にフロー図が流れているというのを想像してください。左から例えば研究開発、マーケティング、お客様の要件定義ですね。試作品を作って提案をして、納品すると、アフターフォローみたいなものがある。

大きく分けると、これが製造業のバリューチェーンになります。それぞれでどんな困りごとがあるのかというのを理解すればいいですね。例えば研究開発のところでいくと、これまでの情報がうまく蓄積されていますでしょうか?

マーケティングで言うとKPIの設定ですね、どういうふうに設定すればいいのか。差別をどうすればいいのか。

あとはそうですね。試作品を作るというとこでいくと、もっとプロセスをうまく回せるんじゃないかとか、重複の作業ってあるんじゃないのという観点などですね。

それぞれのプロセスでどんな課題があるのかっていうところを直接聞いてもいいですし、こちらで調べてわかることがあれば、それを仮説立てしてお客様に持っていくということができます。

あとはバリューチェーン以外にも、3つなぜを考えると良いというものあります。これは、

1.     なぜ、今お客様は変わらないといけないのか
2.     なぜ私達の会社を選ぶ必要があるのか
3.     そしてなぜ今なのか


これらを考えて持っていくといいです。お客様は既に何かしらのシステムだったりとかツールだったりとかを使って今の業務を行っているわけです。それを、要は取って変えないといけない。変わらないといけない。その理由は何なんだっていうところ考えることですね。


2つ目のなぜ私たちの会社である必要があるのかという話です。あなたの会社、提供しているサービスだったり製品っていうのは、競合は、いないでしょうか?似たようなサービスや製品を世の中に提供してる会社はないですか。

要はお客様から見たら、そっちの別の会社でもいいわけです。なぜあなたの会社である必要があるのかという理由を答える必要があります。

最後のなぜ今なのかですね。もうちょっと先でもいいんじゃないかみたいな話になるわけですよ。

確かに魅力的な提案だけど、なんで今なのみたいな話になったときに、それをしっかりと説明できる必要があります。説明できないと提案が通らないわけですね。

提案するときにはまず、今の最後の3つのなぜというところに答えられる状態で、提案すると良いです。提案する過程で先ほどのアンゾフの成長マトリックスだったりとか、バリューチェーンみたいなものを理解してこの分野だとこういうところにお困りなんじゃないですかという話をし方をすると、お客様理解をした上で、だからこの提案をしてるんですよっていうところが、しっかりと紐づいてきます。

まずはそういった方法でやってみると良いかなと思います。

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