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T'S BAR 11夜 10cc

Deceptive Bends / 10cc

何かのきっかけで「I'm not in love」が流れているのを聴いて、今夜は久しぶりに 10ccを聴こうかなと思ったのでした。

もちろん、「I'm not in love」が収録されたアルバムといえば、この前々作の「The Original Soundtrack」なわけですが、私がレコードで聴き込んだ 10ccは、その後の「How Dare You!」と「Deceptive Bends」なのです。

その革新性から評価の高い「The Original Soundtrack」ですが、プログレ好きな私にもかかわらず、これはどうにも馴染めませんでした。
一方でその後のアルバムは、親しみやすいポップさの中にイギリス的な諧謔精神も感じられて、魅了されました。
ポップであるということは、実は非常に高度なことだと常々思うのです。

最初に手に取ったのは、「How Dare You!」でした。
日本語タイトルは「びっくり電話」だったでしょうか。
当時はスルーしていた英語タイトルですが、今やグレタ・トゥーンベリさんのスピーチで、がっつり胸に残っています。
改めて聴き直してみるのも良いかなと思いながら、やっぱり寝る前に聴くならスローな曲が多い方が良いなと思い直して「Deceptive Bends」です。

名曲「The Things We Do For Love」や「People In Love」を惜しげもなく前半に配置したり、後半の頭で11分の組曲を置いた構成は、なんだかアルバム全体を掴みにくくしたような気がします。
名曲がありながら評価がいまいちなのは、アルバムとしてのまとまりの悪さなのかもしれません。

でも、でも、聴き進めてやっぱり思ったのでもう一度書きます。
ポップであるというのは音楽的に高度なことなのだなぁ・・・。


Photo by Carson Masterson