T'S BAR 36夜 JOHN CALE
Fragments Of A Rainy Season
ロック好きの人と話していても、あまり名前が挙がることは無いジョン・ケイルさんですが、実はロック・ミュージックの概念を拡大することに貢献した重要人物だと私は思っています。
プレイヤーとしては、ヴェルヴェット・アンダー・グラウンドでの活動が有名ですが、バンドのメイン・タレントはルー・リードさんが務めていましたので、それほどクローズアップはされていなかったかもしれません。
でも、音楽的・音響的な貢献は大きく、シンプルなロックンロールを前衛的でアートな作品にしていたのは、ジョン・ケイルさんのおかげではなかったかと思うのです。
ソロになってからは、様々なタイプの音楽を発表しますが、実験音楽的なものが多くなったせいで、ヴェルヴェット・アンダー・グラウンドからのファンは離れてしまった方も多くいたと思われます。
なんだか、ブライアン・イーノさんと重なるところを感じますね。
このアルバムは、周辺情報がないまま輸入盤を買ったのですが、彼の弾き語りライブの形で、ソロ時代の集大成的な内容になっています。
ファンには嬉しい選曲だと思えます。
中でも白眉なのが、レナード・コーエンの「ハレルヤ」のカバー。
数多くのアーティストがカバーしている名曲中の名曲ですが、個人的にはジョン・ケイルさんのものがベストです。