秋田県、三種町 食べて、つながる”イワンファーム”
秋田県の三種町にあるイワンファーム、病害虫の発生が少ない冷涼な気候を生かした有機栽培と、豊かな伝統に基づく発酵食品や乾燥野菜などの保存食づくり、季節ごとに消費者が生産のプロセスに関われるワークショップなどを開催しています。
先人が積み重ねてきた知恵を生かした農業を通じて、次の世代に豊かな農村とそこに息づく生きる知恵を伝えていきたい、そういう思いでイワンファームを経営されている森山 大輔さんにお話を伺いました。
三種町に移住して5年、今は移住を受け入れる側になっています!
Q:森山さんが三種町に移住するきっかけは何だったのですか?
私自身の移住のきっかけはリーマンショックです。
リーマンと同業に勤務していたのでまさに爆心地で経験しました。人生の折り返しにさしかかった頃で、自分の子どもたちはじめ次の世代へのバトンタッチを考えたときに、持続可能な世界を引き継ぐ責任を感じ、当時広がりつつあった半農版Xを念頭に、働き方、暮らし方を見直し始めました。
元々東北の出身であったため、次の舞台は東北と定めて移住先の具体的な検討に入った頃、東日本大震災が発生。震災が妻の背中を押すこととなり、約二年間の準備期間を経て2013年に三種町に移住しました。
当初は農業以外を生計の柱とする予定でしたが、移住後に農業主体に方針変更。農業と農産加工の技術を習得して、2016年より宅配中心の有機野菜農家として農業に勤しんでいます。
Q:移住後の暮らしはどのような感じですか?
移住後は経験者として受け入れ側にまわり、セミナーで体験を語ったり、体験ツアーを開催したり、相談に対応したりしてきました。
秋田はUターン希望者が特に多い県なのですが、希望する仕事がないために戻ってこれない。それでは仕事を作ってしまおうということで、「みたねトレジャーツアー」を開催しています。コンセプトは「みたねの宝物x自分の宝物で夢を実現」。
移住起業の先輩はじめ地元のサポーターの皆様の協力を得ながら、参加者の方の宝探しワークショップ、町内及び周辺地域の宝探しツアーと、それらをかけ合わせて仕事に作り上げるワークショップを開催しています。基本スケジュールは2泊3日。最後にビジネスプランをプレゼンテーションしていただくと(想いがこもっていれば大丈夫です)、助成金ももらえます(基本25000円、家族やグループは上限50000円)。
三種町はとてもオープンな気風で、地域の助け合いのネットワークに移住者を快く迎え入れてくれます。
単独での起業は心細いものですが、皆でよってたかって一緒に考えてくれますので、心強く、楽しく起業できますよ。
ツアーの詳細とお問い合わせは下記のウェブサイトをご確認ください。皆様のご参加お待ちしております。
Q:移住をして今のお仕事をするときの決断にはどのような想いがありましたか?
そうですね、決断と言っても頭で考えるよりも体で考えたようなところがあるので、言葉では説明しづらいんですよね。
大きな決断にはそれが大切な気がします。最近は結構認識している方が増えていると思いますが、身体性の回復というところでしょうか?
決断してから理解するというか、頭の中での辻褄を後で合わせるというか、そのような感じです。
Q:森山さんにとっての秋田の魅力は何ですか?
多くの地方が標準化されていく中で未だに土着のカルチャーが支配的であるところです。
時間感覚、価値観の軸などぜんぜん違います。そしてローカルコミュニティーが強い。
仲間に入ると他人ではない関係になってしまいます。これからの時代こういう関係を再構築していくことが必要なんじゃないかと思います。
Q:最後に読者の方や、これから秋田に移住を考えている方に一言お願いいたします。
おすすめしながら言うのもなんですが、新天地でイチから暮らしと仕事を立ち上げるのはエネルギーが要ります。
時間をかけて自問自答を繰り返し、自分の想いを熟成発酵させておくのが成功の秘訣だと思います。
多彩な活動で、周囲の人を元気にし続ける森山さんご夫妻です!人生の折り返し地点で秋田移住を決意し、起業し、さらに移住者を受け入れる活動を積極的に行っている森山さん、これまで、幾多の困難もあったことと思います。今回お話を聞いて、森山さんのその力強い心の在り方に大変感動しました。
イワンファームの元気な野菜たちは全国宅配もしています!東京でもイベントなどを通して販売をされているとのこと、秋田の空気と水、そして森山さんご夫妻の愛情をたっぷり受けて育った野菜たちを是非食べてみてください☆☆☆