風雅 誠

本を読むためのメモ。

風雅 誠

本を読むためのメモ。

最近の記事

『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第六章 エコロジーはなぜ哲学の問題になるのか)

p.168 人新世(Anthropocene) … 地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP)の2002年のニューズレターで、オゾンホールの研究でノーベル化学賞を受賞したオランダの大気化学者パウル・クルツェンが、“地質学上の年代”を指す言葉として使った p.172 ユクスキュル『動物の環境と内的世界』(1909, 21) … 各生物にはそれぞれの「環世界 Umwelt」があることを指摘している ハイデガー『存在と時間』(1927) … 「環世界」の議論の影響を受け、人間が自ら

    • 『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第五章 動物やAIにも権利はあるか)

      p.140 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(2005) … オリジナルへの臓器提供、臓器のスペア確保の目的で誕生したクローンが人間扱いされない近未来が描かれている 映画『アイランド』(2005) … 同上。ユアン・マクレガー主演 p.142 カーメル・シャレフ「ヒト・クローンと人権」(2002) … クローン作製は人間の尊厳に反するという一般に流布している見解を批判的に検討し、クローンとして生まれた個人は双子みたいなもので、人間度が低いなどということはないと明言する

      • 『現代思想入門』を読むためのメモ(第七章 ポスト・ポスト構造主義)

        p.194 メイヤスー『有限性の後で』 … 21世紀のフランス現代思想で最も議論を呼んでいる著作 アラン・バディウ『存在と出来事』(1988) … 集合論をベースにして存在論とそこからの逸脱を論じるもの p.196 メイヤスー『有限性の後で』 … 「思弁的実在論」(Speculative Realism)の火付け役。英語圏で爆発的に読まれた p.201 グレアム・ハーマン『四方対象』(2010) … 意味づけを逃れる「それ自体」を、個々バラバラのオブジェクトというあり方で言お

        • 『現代思想入門』を読むためのメモ(第六章 現代思想のつくり方)

          p.178 カント『純粋理性批判』 … 人間がものを認識し思考するときの前提として、人間の精神にはあるシステム、いわばOSがあり、それによって情報処理しているのだというようなことを論じた p.182 レヴィナス『全体性と無限』(1961) … 哲学史は他者の問題を排除してきた、だから他者の方へ向かう哲学を考えなければならない、という立場。最大の仮想敵は、ハイデガーの存在論 p.184 デリダ「暴力と形而上学」(『エクリチュールと差異』所収) … レヴィナス論。純粋に絶対的な他

        • 『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第六章 エコロジーはなぜ哲学の問題になるのか)

        • 『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第五章 動物やAIにも権利はあるか)

        • 『現代思想入門』を読むためのメモ(第七章 ポスト・ポスト構造主義)

        • 『現代思想入門』を読むためのメモ(第六章 現代思想のつくり方)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第五章 精神分析と現代思想──ラカン、ルジャンドル)

          p.144 デリダ「真理の配達人」(『現代思想』1982年2月臨時増刊号「デリダ読本」に翻訳が掲載) … 名高いラカン批判の論文 東浩紀『存在論的、郵便的』 … デリダのラカン批判があってこそ書かれた ドゥルーズ+ガタリ『アンチ・オイディプス』 … 精神分析批判によって欲望の新たな捉え方を打ち出した p.146 「自由エネルギー原理」 … 脳科学の新しい理論。イギリスのフリストンらが提唱し、注目されている。精神分析とも親和性が高く、その観点からフロイトを再検討する論文も書かれ

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第五章 精神分析と現代思想──ラカン、ルジャンドル)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第四章 現代思想の潮流──ニーチェ、フロイト、マルクス)

          p.116 ニーチェ『悲劇の誕生』(1872) … 秩序の側とその外部、つまりヤバいもの、カオス的なもののダブルバインドを提示した。古代ギリシアにおいて秩序を志向するのは「アポロン的なもの」であり、他方、混乱=ヤバいものは「ディオニュソス的なもの」であるという二元論 p.117 千葉雅也『動きすぎてはいけない』 … 本のタイトル、動くというのがエネルギーの流動性を表しているとするなら、そこに抑制がかかることで何事かが成り立つという意味 p.118 ニーチェ『悲劇の誕生』 …

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第四章 現代思想の潮流──ニーチェ、フロイト、マルクス)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第三章 フーコー──社会の脱構築)

          p.86 ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅰ 知への意志』渡辺守章訳、新潮社、1986年、121-122頁 … (引用)権力は下から来るということ。〜支えとなっているのだと。 p.88 フーコー『狂気の歴史』(1961) … 博士論文がベース。最初の重要な著作 フーコー『言葉と物』(1966) … フランスで大変話題になった フーコー『知の考古学』(1969) … 方法論的な本。とくに難解な本 フーコー『監獄の誕生』(1975) … 初心者が取り組みやすい。具体的に権力の歴史を論

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第三章 フーコー──社会の脱構築)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第二章 ドゥルーズ──存在の脱構築)

          p.56 浅田彰『構造と力』 … 1980年代の日本では、ベストセラーになった本書の影響もあり、ドゥルーズ、およびドゥルーズ+ガタリが注目された p.57 東浩紀『存在論的、郵便的』 … 90年代を代表する著作。デリダ論 p.58 ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『千のプラトー』上、宇野邦一ほか訳、河出文庫、2010年、23頁 … (引用)リゾームのどんな一点も〜樹木ないし根とはたいへん違うところだ。 p.59 ドゥルーズ『差異と反復』(1968) … 主著。博士論文。

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第二章 ドゥルーズ──存在の脱構築)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第一章 デリダ──概念の脱構築)

          p.33 デリダ『声と現象』(1967) … フッサールの現象学に対する脱構築 デリダ『グラマトロジーについて』(1967) … 前半は基礎理論 デリダ『エクリチュールと差異』(1967) … 論文集。初期の代表作のひとつ。フロイトとかレヴィナスとか、いろんな対象について論じている デリダ『散種』(1972) … 文体がより実験的、アクロバット的で、人を試すよう デリダ『弔鐘』(1974) … 同上 デリダ『絵葉書』(1980) … 同上 デリダ『法の力』(1994) … よ

          『現代思想入門』を読むためのメモ(第一章 デリダ──概念の脱構築)

          『現代思想入門』を読むためのメモ(はじめに 今なぜ現代思想か)

          p.14 ニーチェ『悲劇の誕生』 … 「ディオニュソス的なもの」という言い方で荒ぶる逸脱のエネルギーをクリエイティブなものとして肯定した p.15 ソール・クリプキ『規則と意味のパラドックス』 … 「規則のパラドックス」という有名な問題について要参照 p.18 ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』(1990) … 人間の欲望においては必ずしも異性愛が基本ではないということを独特な論法で示した本。 p.19 東浩紀『存在論的、郵便的──ジャック・デリダについて』 … 本

          『現代思想入門』を読むためのメモ(はじめに 今なぜ現代思想か)

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第四章 テクノロジーは超人を創るか)

          p.102 ペーター・スローターダイク『「人間園」の規則』(1999) … 普遍的な「人間(性)」を信奉する「ヒューマニズム」は元々、西欧の一部の知識人たちの文化的活動の所産にすぎず、彼らの営みとともに終焉を迎える、という議論をしている p.111 ホーネット … ハーバマスの後継者とされるが、コミュニケーションそのものではなく、(コミュニケーションの主体として振る舞うことができるための、前提条件としての)人格の相互承認に焦点を移している 仲正『現代哲学の最前線』第二章 …

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第四章 テクノロジーは超人を創るか)

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第三章 プライバシーは消滅するのか)

          p.70 ハンナ・アーレント『人間の条件』(1958) … 「欠如」を意味するラテン語〈privatus〉から派生した〈private〉は、元々は、「公性」が欠如している(=秘密が保たれる)場としての「家」という空間の特質を表す語彙であった p.73 バンジャマン・コンスタン「近代人の自由と古代人の自由」(1819) … 古代人にとっては、主権の行使に参加すること、公共の場で熟議し、外交や軍事、法や予算に関する決定に関与することが自由であったが、「私的な享楽の安全 la sé

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第三章 プライバシーは消滅するのか)

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第二章 人はなぜルールに従うのか)

          p.48 サンデル『リベラリズムと正義の限界』(1982,98) … ロールズ批判の重要な場面でヒュームの議論を参照している サンデル『正義』(邦訳『これからの正義の話をしよう』,2010) … 同上 p.50 カント『実践理性批判』(1788) … 純粋な定言命法の可能性を追求 p.51 カント「世界市民的見地から見た普遍史の構想」(1784) … 慣習的に形成されたルールが次第に洗練され、人類共通の普遍的な性格なものになっていく、という進化論的な議論 p.52  ヘーゲル

          『現代哲学の論点』を読むためのメモ(第二章 人はなぜルールに従うのか)

          『反逆の歴史』を読むためのメモ (第1章 カウンターカルチャーの誕生)

          p.75 ウィリアム・サーガント『人間改造の生理』(佐藤俊男訳, みすず書房, 1961年) … ヒトラーは大衆動員のために「組織化された興奮と集団催眠」を用いた ヴァンス・パッカード『かくれた説得者』(林周二訳, ダイヤモンド社, 1958年) … 広告業界への攻撃の書 p.78 スタンレー・ミルグラム … イェール大学心理学教授 p.81 デッド・ケネティーズ … パンクバンド ジェロ・ビアフラ … DKのメンバー 『カラー・オブ・ハート』 … 映画 p.83 シオドア・

          『反逆の歴史』を読むためのメモ (第1章 カウンターカルチャーの誕生)

          『ドストエフスキーの預言』を読むためのメモ (第21章 対話)

          p.441 バート・ゴーデスベルク綱領 … →コトバンク、→Wikipedia p.444 レーニン『マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分』 →Wikipedia シェワルナゼ … →Wikipedia p.445 ジノビエフ … →Wikipedia ブレジネフ … →Wikipedia p.452 ガルダフスキー … チェコ語版Wikipedia マホベッツ エルンスト・ブロッホ … →Wikipedia p.458 コムソモール … →Wikipedia

          『ドストエフスキーの預言』を読むためのメモ (第21章 対話)

          『ドストエフスキーの預言』を読むためのメモ (第20章 ベルジャーエフ)

          p.424 オフラナ(秘密警察) … →コトバンク、→Wikipedia p.426 カレル・クラマーシュ … →Wikipedia p.427 ヤン・コラール … →Wikipedia ルテニア … →コトバンク、→Wikipedia ルテニア人 … →Wikipedia ベネシュ大統領 … →Wikipedia p.428 ハンガリー動乱 … →Wikipedia p.429 エドモントン … →Wikipedia ガリツィア … →Wikipedia p.430 ハーシ

          『ドストエフスキーの預言』を読むためのメモ (第20章 ベルジャーエフ)