アメリカにおける第4波フェミニズム
こんにちは!サンプルHDです。
今回は、前回に引き続き、アメリカにおける第4波フェミニズムについて解説していこうと思います。大1波、第2波、第3波とあるので、そちらの方もご参照ください。では!
第四波フェミニズム
2010年代からの第四波の特徴は、SNS利用の急拡大にともなって、オンライン・アクティビズムとして運動への参加や問題意識が世界中で共有されるようになったことだ。例:2018年にTwitterで起こった#MeToo運動。
また、第4波とよく一緒に使われる言葉が、ポストフェミニズム。
ポストフェミニズム:私たちはフェミニズムがその政治的目標をすでにほぼ達成した社会に住んでいる主張。ただ、どちらかというと、フェミニズム・シーンにおいてこの言葉は、否定的なニュアンスを含んで使われることが多い。なぜなら、第二波以降のフェミニストたちが提起してきた問題の多くは、実際には、いまだ解決からは程遠いからだ。
特徴
時代背景:2010年代~現在
主な目標:#MeToo運動に代表される性暴力・ハラスメントの撲滅
デジタルフェミニズム:SNSやインターネットを活用
フェミニズムのグローバル化:世界各国での連帯
ポップカルチャーやメディアにおける女性の表象の変革
主な出来事
・#MeToo運動(2017年~)
性差別主義を体現するトランプ大統領の登場によって喚起された新しい女性運動
ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの白人女性アリッサミラノへの性的暴行が告発。彼女は同様の経験を持つ女性たちに、「私も被害を受けた」と声を上げるようになった。
セレブだけでなく、一般女性もソーシャルメディアで体験を共有
世界的な反響を呼び、政治・スポーツ・学術界などにも影響を与える
興味があれば、映画"She said"を視聴するのがおすすめ。
・Time’s Up運動(2018年~)
映画業界を中心に、職場での性差別・セクハラをなくすための法的支援活動
有名女優たちが中心となり、ハリウッドから他の業界へと波及
・デジタルフェミニズム
SNS(Twitter、Instagram、TikTok)を活用し、フェミニズムの議論が拡散
オンラインでのフェミニズム教育、情報共有、支援活動が活発化
「フェミニスト」のアイデンティティを持つ若い世代の増加
・ジェンダーの多様性への理解
トランスジェンダーの権利、ノンバイナリー(非二元的ジェンダー)の認知拡大
LGBTQ+フェミニズムの発展
ピンク・タックス(女性向け商品の価格差)の問題提起
・女性向け商品(シェービングクリーム、生理用品など)が男性向け商品より高価格に設定される問題を指摘
生理用品の「生理の貧困(Period Poverty)」への取り組みが広がる
・グローバル化
インド、アルゼンチン、韓国、日本など、各国でのフェミニズム運動の活発化
アルゼンチン(2020年):女性の中絶権が合法化
韓国の#MeToo運動(2018年~):芸能界・スポーツ界での性暴力告発
82年生まれ、キム・ジヨンは韓国における男女差を痛烈に描き、世界中で大ヒット
日本の「フラワーデモ」(2019年~):性犯罪の厳罰化を求めるデモ
批判
・SNSによる分断
SNSによるフェミニズム運動は影響力が強いが、一方で極端な意見の対立を生むことも
・経済格差や労働問題の解決にはまだ課題
女性の賃金格差(ジェンダーペイギャップ)や育児支援の問題は完全には解決していない
以上が第4波フェミニズムのざっくりとした流れになります。アメリカにおけるフェミニズムを4つに分けて説明してきましたが、いかがだったでしょうか。当初の目標であった、「フェミニズムとは、歴史の中で女性が権利を求めた軌跡である」ということが伝われば幸いです。
次回からは、アメリカにおける黒人差別を解説していこうと思います!
では!