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随筆は薄さの中の不意の味に

多分、随筆は好きなジャンルだと思う
中学受験で苦手ながらも国語の文章読解問題をやらされまくってた時、問題文でなんとなく1番好きだったのが随筆だった。
論説も小説も読むけれど、なんか読みやすかった。
淡々と事実を述べるような所の比重が大きくて、説明内容とか感情とか読み取ることを期待される感じが無くて、筆者の経験した事実をただそーゆーことがあるんだなと受け止めればイイだけなのが心地よかったのかなと思う。
今思い返しながら言語化したから合ってるかどうか自信ないケド。
なのに中学以降は小説ばっか読んでた。
なんだか明らかに面白そうな顔して目の前に現れたラノベにハマってしまい、かなり読みふけった。
多分三百冊くらいウチにある。
そして最近に至るまで全然随筆を読んで来なかった。
ここ最近はエッセイ漫画みたいなのが作者の狭い主観で世の中を斬ろうとする感じが他の角度から見た時の大切な物を平気で軽視して台無しにしてしまう結果になるみたいな状況を多く目にするようになったので、気づいたら随筆に悪い印象すら持っていたような気もする。
でも先日、割とちゃんとしたエッセイ的なものを読んだ。
ちゃんとしたと言うか、私が最初に随筆の魅力だと思った「淡々と事実」感のしっかりあるエッセイだった。
面白かった。
そしてだからこそ教訓めいたことを言おうとして自分の視野にないものを踏み躙る感じも無かった。
教訓とかオチとかエモとかに頼らない文章の良さがあったように思う。
人の感情を大きく動かす部分がないからこそ読みやすくてスルスルと頭に入ってくる心地良さとでも言う感じだろうか。
砂糖も油もほとんどないからこそ美味しい「白和え」みたいな。
そーゆーのが良かった。
自分が何かこーゆー文章書く時、意識するべき感覚でもあるんでしょうね。

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