ロシア連邦における21の共和国~第2回
5、イングーシ(イングシェチア)共和国(Республика Ингушетия)→地図#6
先住民族:イングーシ人(チェチェン人)(北カフカースのイスラム系民族)
★イングーシ人とチェチェン人は民族的には同一。1859年の帝政時代、北カフカース併合時に抵抗した東部地域の住民をチェチェン人、抵抗しなかった西部地域の住民をイングーシ人としたのが分離のはじまり。
首都:マガス(Магас)
面積:3,600㎢(鳥取県ほど)
人口:53万人(鳥取県は54万人)
人口密度:169人/㎢(鳥取県は153人/㎢)
地理と自然:北部は草原、南部は山岳地帯で、谷と渓谷で区切られた山脈が広がる。北カフカースで最大規模の水路網を利用して灌漑システムが発達。大理石や高品質な粘土などの天然資源基盤が豊富、山々からのきれいな湧き水など
気候:比較的温暖
公用語:イングーシ語、ロシア語
住民構成:イングーシ人93%、チェチェン人2%、ロシア人0.6%、トルコ人0.05%、アゼルバイジャン人0.02%など
宗教:ほぼイスラム教
主な産業:農業(トウモロコシや小麦などの穀物や野菜、ブドウやタバコの栽培、ベリー類・アンズ・サクランボなどの果物は国内主要産地の1つ、畜産)、食品加工など、工業(石油や天然ガスなどの採掘)
6、チェチェン共和国(Чеченская Республика)→地図#20
先住民族:チェチェン人(イングーシ人)
★北カフカースでは最大規模の先住民族。国内ではロシア人、タタール人に次いで3番目に大きな民族グループ。
首都:グロズヌイ(Грозный)
面積:1万6千㎢(岩手県ほど)
人口:155万人(岩手県は116万人)
人口密度:96人/㎢(岩手県は76人/㎢)
地理と自然:低地・高地・平野・山岳と起伏がある、石油と天然ガスの豊富な産出、住宅の暖房にも利用できる温泉が多数、ガラスの原料やタイル用の粘土、岩絵具(顔料)の原料なども大量に埋蔵されている
気候:比較的穏やかな草原・牧草地帯を除いて、季節ごとの寒暖差が激しい
公用語:チェチェン語、ロシア語
住民構成:チェチェン人96%、ロシア人1%、クムイク人0.8%、アヴァール人0.3%、ノガイ人0.2%など
宗教:ほぼイスラム教
主な産業:農業(畜産、養蜂、ブドウや野菜の栽培、穀物の生産と加工など)、石油や天然ガスの精製と加工、観光業(博物館や美術館、歴史的建造物、壮大な自然スポットも多数)
7、ダゲスタン共和国(Республика Дагестан)→地図#5
先住民族:主に、カフカース諸語の8民族(アヴァール人、アグール人、ダルギン人、ラク人、レズギ人、ルトゥル人、タバサラン人、ツァフル人)とテュルク系の2民族(クムイク人、ノガイ人)で構成
首都:マハチカラ(Махачкала)
面積:5万㎢(中国・四国地方5万㎢ほど)
人口:323万人(中国・四国地方は1千万人)
人口密度:64人/㎢(中国・四国地方は200人/㎢)
地理と自然:ロシアのヨーロッパ地域で最南端。北部は平野と草原、南部は丘陵地帯と山岳地帯が広がる。東側はカスピ海に面し、大小含め6千以上の河川が流れる(うち海に流れ込むのはわずか20)。
気候:北部~中央部は比較的温暖で乾燥している、ただし丘陵地帯の気温は年間を通して低め
公用語:ロシア語、アヴァール語、アグール語、アゼルバイジャン語、ダルギン語、クムク語、ラク語、レズギ語、ノガイ語、ルトゥル語、タバサラン語、タート語、ツァフル語、チェチェン語など
住民構成:アヴァール人30%、ダルギン人17%、クムク人16%、レズギ人13%、ラク人5%、アゼルバイジャン人4%、タバサラン人4%、ロシア人3%、チェチェン人3%、ノガイ人1%、アグール人0.9%、ルトゥル人0.9%、ツァフル人0.3%など(ロシアで最も多民族な共和国)
宗教:ほぼイスラム教
主な産業:農業(林檎・桃・梨などの果物、ヘーゼルナッツやクルミなどのナッツ類、柿・ザクロ・イチジクなどの果実、キャベツ・玉ねぎ・にんにく・ニンジン・トマト・きゅうりなどの野菜、畜産)、産業(機械工学、食品加工など)、東欧諸国や中東、アジアへの大規模な貿易輸出(食品、鉱物、燃料、ゴムや革製品、木材や紙、金属や機械製品など広範囲に及ぶ)
8、カルムイク(カルムイキア)共和国(Республика Калмыкия)→地図#8
先住民族:カルムイク人(モンゴル系のオイラト族)
★ヨーロッパで唯一の仏教国。
首都:エリスタ(Элиста)
面積:7万5千㎢(北海道8万3千㎢より小さい)
人口:27万人(北海道は500万人)
人口密度:4人/㎢(北海道は65人/㎢)
地理と自然:水資源に乏しく、貯水池を活用。石炭や石油、天然ガスを豊富に産出。
気候:夏は非常に暑く(過去には最高45℃を記録)乾燥、冬の降雪は少ないものの、時に極寒となる
公用語:カルムイク語、ロシア語
住民構成:カルムイク人62%、ロシア人26%、ダルギン人3%、カザフ人1.7%、メスヘティア・トルコ人1.6%、チェチェン人1.1%、アヴァール人1%など
宗教:多くがチベット仏教
主な産業:農業(家畜の生産が約80%を占める、小麦や米などの作物も少量ながら生産)、産業は未発達
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