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海鈴の「おもしれー女」化計画「BanG Dream!Ave Mujica」8話感想 #アニメムジカ
いまだから書きますが、実を言うと#6を鑑賞した時「うわっ、この話まだやるの?」と思ってしまいました。モーティスが話をかき混ぜて面白くしたことは否定しませんが、いつになったら解決するのだろうかと。ちょっと退屈だなというのが正直な感想です。アモーリスも#1で「きのう好きでも、きょう飽きた。世の中って残酷だから、ちんたらしてたら飽きられちゃうかもよ」と言っていたじゃないですか。
ただ、あまりネガティブなことを書きたくないので「これまでで最も難解なストーリーだった」とか書いていたのですが、#7で一気に物語が進展します。CRYCHIC が完全燃焼。少なくとも祥子、そよ、立希、燈の中では。あまりにも“あっさり”していますが、完全燃焼すると、不思議なほどに執着はなくなるのです。逆に不完全燃焼だと、いつまでもくすぶり続ける。#6と#7はその対比だったのかなと思います。
さて#8です。まだモーティスの話が続くのかと驚きましたが、もうネガティブな気持ちはありません。もう、こうなったらがっつり、最後までやるべきでしょう。それに、もし睦がAve Mujica 復活に肯定的だったら、すぐに再結成じゃないですか。それはつまらない。そして物語は新しいフェーズに入りました。
母親に愛される娘たち
バンドリ!という作品は、基本的に“悪い”人が出てきません。森みなみちゃん、毒親なのかなと思っていたのですが、きちんと娘のことが分かっている。そして、娘の友人・にゃむが睦にビビっていることも察知していました。友人も含め、よく娘のことを見ていますよね。お手伝いさんに任せっぱなしなのは「?」と思っていましたが、女優が2人並んだら家庭すらも舞台(=仕事場≠心休まる場所)になってしまう。母親なりの配慮なのでしょう。
にゃむの母親も良い人です。#4で声だけの出演でしたが、この作中で唯一、にゃむが他人に弱みを見せた場面でした。東京で一旗揚げようという娘を応援しているし、にゃむも家族の期待に応えようと頑張っている。本当に良い親子です。
そして#8で登場した海鈴の母親も良い人です。「うーちゃん」の健康を心配している。#4で「私、食べても太らないので」とか言っていましたが、そんな人はいません。うそだと思っていましたよ。私は糖尿病で手術が必要と診断されたことをキッカケに、食事療法で30キロほどやせたのですが、食べなければ体重は減るし、たくさん食べれば体重は増えます。これが自然の摂理です。食べても太らないなんてことはない!そして最適な体重というのは、だいたい腹八分目をキープできるかどうか。これがきつい。体重を減らすよりも、体重をキープする方が大変なのです。
海鈴は絶対に無理していると思いますよ。母親はそんなこと、お見通しです。しかし体形を痩身でキープしようと思ったら、太っている人と一緒に生活しない方が良いです。海鈴の実家がどこなのかは知らないですが、住居を別にしている方がストレスもなく、正解だと思います。
睦、にゃむ、海鈴。いつも一緒というわけではないですが、なんだかんだで親に愛されている。祥子の母親はすでに亡くなっていますが、確かに彼女のことを愛していました。初華はここまで描写なし。何か意図があるのでしょう。
Ave Mujica とは豊川清告である
「BanG Dream!It's MyGO!!!!!」と「BanG Dream!Ave Mujica」は連続で対の作品ですから、同じ#7で「春日影」が演奏される。そしてベースの一言が、物語後半戦の号砲となる。「Ave Mujica」ではベース(海鈴)の「では、私とも元鞘に戻りませんか」が、後半戦の号砲となります。
先に記しましたが、睦が承諾したら、すぐにAve Mujica 再結成という流れになりかねない。Ave Mujica は依然として不完全燃焼です。完全燃焼したCRYCHIC とは違うのですから、睦がやりたいと言ったら祥子は強く拒否できないはずです。しかし、それだとあまりにも“あっさり”しすぎですよね。もうちょっと波乱が起きてほしい。ちょっと意地悪な気もしますが、それは祥子に再起の兆しが見えてきたからです。いまの祥子は完全な状態ではないですが、きっと復活してくれる。そうした期待を込めての意地悪です。
さて「Ave Mujica」はメンバーと家族が向き合うフェーズに入りました。この展開であれば、これまで描写のない初華が最後でも納得できます。「It's MyGO!!!!!」と「Ave Mujica」が対であるならば、メンバーが戻ってくる順番も対となるはずです。「It's MyGO!!!!!」では燈(Vo.)→楽奈(Gt.)→立希(Dr.)→愛音(Gt.)→そよ(Ba.)の順でした。しかし「Ave Mujica」では海鈴(Ba.)が最初となるので逆方向。海鈴(Ba.)→睦(Gt.)→にゃむ(Dr.)→祥子(Key.)→初華(Gt. & Vo.)になるという予想です。
睦、にゃむ、海鈴については、すでに描写もされているし、家族と向き合うにしても、それほど大きな騒動にはならないでしょう。初華は現段階だと妄想の域を出ないので言及を避けますが、祥子は父、そして祖父と向き合う必要があります。バンドリ!世界には基本“悪い”人はいないので、なんだかんだで丸く収まると思うのですが、父・清告との向き合い方をどうするかは悩みどころです。
#7の感想で祥子は「拝啓、CRYCHIC」、すなわち「CRYCHIC を聴かないことで 何か新しいものを探そうとした」結果、Ave Mujica が誕生したという解釈を記したのですが、CRYCHIC ではないからといってAve Mujica というのは飛躍が過ぎます。祥子に関するこれまでの描写を見ても、Ave Mujica 的なものは全く見当たらないわけで……。
そこで登場するのが清告です。彼、Ave Mujica の要素である「悲しみ」「死」「恐怖」「愛」「忘却」を全て備えていますよね。ということは、赤羽のボロアパートで清告と暮らす中で、祥子はAve Mujica という世界観を作り上げていったんじゃないか。そんな推測ができるのです。つまり、Ave Mujica の復活は、清告と再び暮らすことを意味します。当初、祥子の描いていたAve Mujica 世界観の崩壊は、アモーリスが反逆する前、赤羽のアパートを飛び出た時から、すでに始まっていたのです。
清告との生活。これはかなりの覚悟が必要ですよね。加えて、当然のことながら、祖父は反対するでしょう。ここは大きな山場となるはずです。しかし祥子なら大丈夫だと信じています。むしろ心配なのは初華です。
海鈴の「おもしれー女」化計画
#8では海鈴のかわいらしさが爆発しました。#6で見せた子供っぽさ。誰に対しても敬語なのは、やっぱり本性を隠しているからなんだと、視聴者に1キュン。海鈴でなくても「おいおい、ベースの復帰を諦めて自分にサポートを頼んだのは誰だよ!」ぐらいのことは思いますよね。
#7ではCRYCHIC に嫉妬。2キュン目です。ゼロと無限大が同じ意味であるように、たくさんのバンドに所属しているということは、どのバンドも居場所ではないということ。ようやく居場所と思えたAve Mujica は不完全燃焼のまま解散。これぞ私たちの居場所とばかりに「春日影」を見せつけられたら、悔しいと思うのは自然なことです。
#8では爆買い。食事でストレスを解消できないなら、買い物をするしかない。おもしろポーズも披露して好感度は爆上がりです。そしてジンジャーエール一気飲み。これは#4でにゃむが「おかーちゃーん!」と愚痴りながら「いっちゃん太かラテ」を飲むシーンと対です。きっと、にゃむも海鈴のことを「おもしれー女」と思ったんじゃないですかね。信用度も上昇したはずです。
そうなると心配なのが初華です。ほかのメンバーが好感度を上げる中、ここから巻き返しできるのでしょうか。あまりに心配なので、最近発足した佐々木李子さんの公式ファンクラブ「MottoRico!」に入会してしまいました。ワンマンライブの会員限定チケット最速先行販売(抽選)に申し込んだのですが、ライブの開催日は5月3日。「わかれ道の、その先へ」から中5日です。
佐々木李子さんなら、きっと大丈夫!初華ちゃんもきっと……、大丈夫ですよね?
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