Tafroute〜自分を見つめ直す場所〜
南西に位置する、開けた町、アガディールからさらにグランタクシーで5時間ほど南に行くと、
タフロートという小さな町が現れる。
女性は、元々抱いていたイスラム教の女性の印象通り、真っ黒のスカーフと服で目以外を隠し、
大っぴらに町で話してはいない印象。
ただ、違うのが、バブーシュの華やかさ。
赤をベースに、様々な色を使ってモロッコでよく見られる幾何学模様がほどこされたカラフルなバブーシュ。
小さくて、どこか閉鎖的な町なのに、自分を魅せる何かを身につけている。
ここに売っているサンダル、バブーシュも少し変わっていて、自分も二足ほど調達。
観光地として一応ガイドブックには載っているものの、距離的に遠いことと、交通手段も不便なため、観光客も少なく、静かな町。
ただ、自分は、町としてなら、モロッコで1番好きかもしれない。
車をチャーターしてでタフロウトの郊外を一周できたが、時間もあり、のんびり行きたかったので、自転車を借りた。
ナポレオンの帽子と呼ばれる巨大な岩。
blue rockと呼ばれる、ベルギーのアーティストがペイントした巨大な岩が転がる。
周り一面の荒原と、転がる大小の岩。
風の音。
人の姿も、動物の姿さえもない。
なんだか不思議な感覚になったのは、モロッコで唯一この時間。
自分はもしかして、世界に1人しかいないのかもしれない。
なんで自分はここにいるんだろう。
日本にいる家族や友達のことを考えながら、ここにいるのは夢なのかな?
そんな気分になりながら、
わざと道を間違えたりした。
ここの場所から、離れたくないなぁ〜って
ずっとここにいたいなって。
岩の上に登ってぼんやりしてたら、モロッコ人のガイドが観光客二人をバンで連れてきて、
なんとなく現実に戻って寂しくなったような、ほっとしたような。
ガイドは、自分がアラビア語話せるとわかると、いろいろ語ってくれた。
「俺はモロッコでこの場所が一番好きだ。神様が俺に最高の場所を与えてくれた。」
オレも今そんな気分だよ。