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【Graffiti】レコード喫茶と音楽体験
もとより音楽は生演奏の場に足を運んで楽しむ体験、すなわち「音楽=ライブ」であったはず。
それがいつしかレコードやCDの発明によってライブでは無くなった。現在ではスマホ内のデジタルデータとなって音楽は手中に収まることとなり、イヤホンの発明により個人が別々の空間で楽しむ音楽となった。
そして、人々が個別空間で楽しむようになった結果、一曲あたりの時間が短くなり、音楽は〝体験〟ではなく、一人で〝消費〟するものとなってしまった。「音楽=ライブ」であった時代からはなんとも大きな変化である。
少し逸れるが、yamaの「春を告げる」はこの現状の音楽体験を如実に表した歌詞であると思う。(音自体もイヤホンで聴くのに適した作りになっている印象)
前提が長くなったが、そろそろタイトルについて話す。
先日、レコード喫茶なるものを初めて体験した。
仕組みとしては、飲食代とは別に、
一曲あたり200円で店が保有するレコードリストの中から好きな曲を選んでかけてもらうことができるというものだ。
これが「音楽 ≒ ライブ」であった。
勿論、耳に入ってくる音はレコードの音なのでライブではない。しかしながら、〝その場に居合わせる誰かが選んだ曲を全員で聴く〟という体験は極めてライブ的であった。これが本当に楽しかった。
ジャンルが幅広い。
あいみょんや藤井風もあれば、Earth wind&fireも流れる。
この場の誰かが素敵な音楽を共有してくれる。
それを一緒に楽しんでくれる。
自分も流してみる、「受け入れて貰えるかな、楽しんでくれるかな」と、我が子が頑張っているのを見守るような気分になる。
音楽の楽しみ方が多様化し、多くの新曲が”テンプレ通りのキャッチー消費財” となっている現在、このような音楽体験が広まってほしいと強く思った。