「作品」の本質は「現在」にある
ある大学の入学試験の小論文で、「作品」の本質とは何か、を考える問題があった。課題文では、文学作品、音楽作品が例に挙げられ、作品中で省略されている箇所を「受け手の解釈」によって補う、という点が注目され、そのような「解釈」を引き出す文章や楽譜といったテキストを基本とし、そこに受け手の解釈が加わることが「作品」を成り立たせている、という説明だった。私としては、この説明には「作り手の意図」と「受け手の解釈」という二つの軸が存在しているように感じられた。テキストは作り手が何らかの意図を