chants of sennaarr 感想(途中)

はじめに

これから感想を書きますが、このゲームの「基本的にゲーム性への説明が無い」という特性上全てがネタバレに繋がる可能性があります。
ノーヒントであるからこそ解決した時の喜びが増えるという効果もあるかと思いますので、プレイ予定がある方は「ゲーム性」以降を読むと少し楽しみが減るかもしれません。
追記 ゲーム性より後ろはがっつりネタバレになっちゃいました。

クリア時間

13時間

ゲーム概要

未知の言語を解き明かしていくパズルゲーム。
主人公は見知らぬ場所で目を覚ますシーンから始まる。おそらく何も覚えていないのか、プレイヤー側もヒントなしで進めていくしかない。
そこには未知の言語で話す人々や未知の文字が書かれたオブジェクトが存在する。導かれるように塔の上階を目指していくが、時には命の危険にも遭遇する。

ゲーム性

  • 謎解き(言語解析)

  • パズル

  • スニーク

基本的な要素は言語(というか文字)の解析
人物たちの会話から文法の成り立ちや指示語を解析したり、壁画、看板、地図と実際にゲーム内で見たオブジェクトから類推することで文字の持つ意味を解析していく。
各文字に対してプレイヤーはメモを取ることが出来る。そして、キャラクターとしての主人公がある程度言語への理解を深めると文字に対応するようなイラストを描き起こすのでプレイヤーはそこに対応するであろう文字を当てはめる。イラストと当てはめた文字が合っていたら文字の意味が確定する。
このゲームには階層が存在し、階層ごとに言語が分かれている。その言語同士が翻訳されている資料などから読み取ることもできる。

塔の各階層にはそれぞれ全く異なる文化圏が存在しており、違う言語が扱われている。プレイヤーキャラクターはその何れにも属しておらず、時には不審な人物として危機にさらされることもあり、スニークによって進めていかねばならない。

良かったところ

グラフィックがめちゃくちゃ良い

3D(アクション?)ゲームなんですが、細かいグラフィックが~とか解像度が高い~の方向ではなく(勿論それもあるんですが)、なんというかテーマに対する表現としての色使いや雰囲気の表し方がとにかく綺麗だなと感じました。
乾燥した空気や水路を流れる水の煌めき、建物内に指す光や文化における雰囲気を示す色使い。正直これ見てるだけでかなり気持ち良いです。この視点で見ると1階層が一番好きだったかもしれない。風景として。

言語/文字へのアプローチがたくさん

そこに住む人々の会話やオブジェクトから言語/文字を類推するのですが、読み取ろうとすれば多くのヒントがそこにあるのが楽しかったです。
例えば、その一つは信仰(少し広い意味)です。その階層の人が何を大切にしているかによってある意味が当てはめられたりします。あるいは細かいところを見ると人々は話をしているわけですからその時にどのような話し方をしているかもヒントになります。何かを訴えている、楽しそうである、怒っている、何かをバカにしている。
言語そのものに注目すると文法であったり文字の作りであったり、例えば文のこの位置ならこれは名詞のはず、この文字にはこの形が含まれているから人を指すものではないか、など。この法則を考えているときもかなり楽しかったです。そしてまあまあ予想がはずれたりもするんですよね。

小さな謎解き、大きな謎解き

言語的なパズルとは別に、ゲームとしてのパズル的な要素もあるのですが、誰かに何かをしろとミッションがあるわけではなく(たまに頼まれごともありましたが)、自分が今何をすべきかは常に探さなければいけません。ミッションが思い浮かべばそれを達成するにはどうするかを次に考えて進めていく。進めていくとなぜか主人公は上の階に進んでいくわけですが、では「なぜ主人公は上階へ登っていくのか」が次は分からない。途中、おそらく主人公自身が上階を望んでいることを示唆する場面もあり、逆に主人公が考えていることをこちら(プレイヤー)側が知らない、という構図にもなるわけです。

異なる言語、異なる文化

この後まとめるのですが、改装により異なる言語/分化があり、それぞれの階層は隔絶されています。それぞれ一つ違いの階同士にはかかわりはあるものの様々な理由で交流がありません。このことが新しい階層に行った時の新鮮な気持ちというかワクワクを生んでくれて楽しかったです。
ちょっとまとめます。

階層まとめ

1階

人々:
教徒、牧師、民

信仰:
神、塔

文明のヒント:
壁画、土器、レバー式の扉や水門、水路、弦楽器、薬、霊園、協会

概要:
塔に神がいると信じ、他の階層の人々より後から塔にたどり着いた人々。神を信仰しており、塔の頂上に神がいると考えていて塔の上階へ行こうとしているが、2階の兵士たちがそれを阻んでいる。

少し感想:
特にこの階のグラフィックがとても好みでした。塔の外で遠景を望むシーンがあり、このシーンで心を大きく掴まれたと思います。しっかりビジュアルで殴られました。

2階

人々:
兵士

信仰:
武力、使命、音楽(?)

文明のヒント:
武器(金属加工)、大きな彫像(石?)、人力貨車(トロッコ/線路)、火、望遠鏡、建造が石っぽい、酒、重りと歯車を利用した動力(エレベーター等)

概要:
武力や使命を信仰している。兵士たちはみな役割をもっており誰もがそれぞれの仕事に従事している。見張り、運搬、鐘撞き番、基本的に同じ兵装をしており、見張りなどはさらに武器を持つ。この階ではその場に応じた装備をする必要があり、不審だと疑われたら問答無用で殺される。特に階序盤は何も装備を持たずにいるので常に隠れながら動く必要がある。

少し感想:
この階に来て明らかに文明が進んだのでそういう仕組みの塔なのかな?とここでは少し考えてました。あと何の説明もなく殺されるのでこの階を抜けた後もしばらく疑心暗鬼でした。何のために教徒を阻止していたか考えたのですが、よそ者を排除するにはやはり守るものがあるのかな?と考えて信仰に音楽を入れています。自体は仕事が忙しいのか音楽に関わるようなオブジェクトは無さそうでした。

3階

人々:
吟遊民、奴隷

信仰:
芸術(音楽、美術、劇)、自身

文明のヒント:
金属加工、船(ロープ伝いに川を渡る用途)、鏡、風車、本、羅針盤、彫像、絵画(塗料、紙)、文化的な家具、工具(のこぎりや槌、ペンチなど)、仕事は奴隷が行う、文化的な服装

概要:
芸術を信仰しており絵画や劇、音楽、美しさを愛する、そしてそのような自分たちと文化に満足している。仕事は奴隷が行っており、楽器を作ったり水を運んだり仕事をさせられている。地下通路が充実しておりめちゃくちゃでかい(何度も迷った)。

少し感想:
自身たちを崇高なものと捉え、自分たちと異なる価値観を侮蔑しています。勿論上階を目指す主人公もバカにしてきます。というのも上階への道を行くと怪物が出るらしいのが理由とのこと。怪物へ出会うまでの道は基本閉ざされており、怪物の存在は劇という形で半ば伝承のように語り継がれています。そして下の階の兵士のことも、芸術の価値が分からない奴らとしてバカにしています、音楽大好きなのにね。武力を愛していない、という属性もあったのかも。
1,2階を経て初めて上階への羨望がない階層でした。奴隷が存在しているものの奴隷への言及がほとんど(全く?)無く、なんというか人間性の描き方がある種リアルでした。この階層から文字に曲線が含まれ出して一気に難しくなった!

4階

人々:
科学者(錬金術師)

信仰:
科学

文明のヒント:
電気、機械、鉱業、大型の鉱業設備(電動のエレベーターや人力でないトロッコ、掘削した岩を運ぶコンベアなど)、ライター、数字、合金

概要:
科学者のみで構成されている階層、いきなり文明がかなり進む。この階にたどり着くまでに怪物から隠れて移動しなければならないが兵士と比べて動きが速くより早く捕まる。初めて数字が出てくる。研究室や図書館があり、知的探求に邁進している階。

少し感想:
信仰を科学としていますが、現実と同様あくまで科学は手段で目的をもって研究しているようです。この階の序盤で怪物と出会い捕まえられたら殺されるのですが、なんとなく怪物を避けることが出来るヒントを察知できる丁度良さが良かったですね。そのあと突然謎の機械に謎の文字が書かれてそれを解読しないと次に進めなかったのは難しかったですが、それはそれで面白かったです。あそこは本当に多分体当たりじゃなかったかな、どこかにヒントがあったのかな。
この階から最上階に行くためには物理的な扉があり、その扉を開けるカギは合金で作成する必要があります。そしてその合金の配合がメモとして残されている研究室は中に血しぶき?の跡のようなものものしい雰囲気、そしておそらく限られた人しか入れないようになっています。あとから考えるとおそらく上階への侵入を拒否する、上階の誰かの仕業のような気もしますね...

閑話休題

ここまで書いてやっと気づいたのですが、2階を除いて上階を目指した人がことごとく悲惨な目に遭っています。1階については真相は謎のままですが、3,4階に関しては、怪物についての考察が合っていれば明確に上階への侵入を拒否する存在を示唆することになりますね。あるいは階層ごとの隔絶を実現させるためだけのものか、まあでも1階の被害者はふつうに事故っぽいですけどね。ゲーム進めながら「あっこれはスルーするんだ笑」と思いながら通り過ぎました。人が倒れてるのに...!

5階

人々:
孤独の民

信仰:
孤独(?)

文明のヒント:
宙に浮く椅子、映像デバイスやビデオゲーム等高度な電子機器、ロボット(?)

概要:
「孤独の民」と呼ばれる(あるいは自称している?)民のみが暮らす階層。ここまでで最も会話とオブジェクトが少ない。文字の究明は設置されたパズルのようなオブジェクト(電子機器)によって、他の階層の文字と対応させて解き明かしていく。民同士の会話はそもそも無く、

少し感想:

このゲームをして改めて思ったのですが、直線だけで構成された文字と曲線が含まれた文字だと記憶の難易度にかなり差がありますね。

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