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F1ルール変更で予算制限を32億円引き下げへ

7月のオーストリアGPでの無観客開幕が濃厚?になってきたF-1。
前回のノートでも予算制限の引き下げに関する、クリスティアン・ホーナー代表(レッドブル)のアイディアに対する考察をしましたが
ここにきて一つの方向性が出そうです。

1、レギュレーションの途中変更に関するルールを変更

ルール制定は参加チームの過半数があれば成立する一方で、制定されたルールの途中変更は全チーム一致が条件でした。それが4月24日に、以下の様に変更されました。

第18.2.4条
選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、シリーズに適切にエントリーする全競技者が全会一致で同意した場合は、上記に定めるものより短い告知期間を適用することが可能である。しかしながら、例外的な状況において、FIAが選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、あるいはシリーズの保護のために変更が不可欠であると考える場合、適切にエントリーする競技者の過半数の同意で十分とする

後半部分が新たに追加された部分。
緊急事態においては、全会一致の原則を曲げて過半数でのルール変更を可能にするという新しいルール。
これまで年間189億円の予算制限の更なる引き下げに関してはフェラーリ、レッドブルの2チームが反対していたと言われているので(メルセデスも声は出さないまでも当然の様に反対すると思われる)、これらの反対をFIAが押し切って予算制限を下げられることが出来るようになったんです。

2、予算制限を32億円引き下げを決定

そんななか、ロス・ブラウン(モータースポーツ担当マネージングディレクター)が以下のようにSKY SPORTSに発表したようです。

「1億7500万ドルでスタートすることが決まった。だが、現在の危機を考慮し、1億4500万ドルでスタートする予定となっている。それを今後数年のうちに、どれだけ引き下げられるか、協議を行っていく」

先に変更した新しいルールを使って、レッドブルやフェラーリの反対を押し切った形。

クリスティアン・ホーナーが懸念していた通りコンストラクター(パワーユニットやサスペンションを含めた新しいテクノロジーの開発を行っているチーム)に関しては、研究開発にかかる費用がある一方で、カスタマー(リステッドパーツ以外を購入するチーム)はそれら研究開発を経て完成したサスペンションやパワーユニットを購入することが可能なので当然コストは安く済む。

ということはトップチームは研究開発に大きなお金を使ってしまうとそれ以外の部分に十分なコストを使うことができない。

詳細はいかに!?

今後詳細を発表してくれるようなのですが、
基本的に、参戦に対してのスタンスが異なる「開発者」と「購入者」が同じ予算上限で良いはずはない。
更に、今後最高峰のレースであり続けるために”お金のないチームの予算状態”に合わせて良いのか?疑問は残る。
一番懸念しているのは、相当コンサバなマシンばかりになってしまうのでは?もしくは、当たり外れの大きなマシンばかりでチームの序列も、毎年変わってしまう。予算が制限されているので良いアイディアを途中から模倣することもできない。
最高峰のレースが出たとこ勝負の面白くないシリーズに成り下がってしまわないかという不安。

色々な不安も可能性もあるけれど、コロナという先の見えない霧の中で、今を乗り切ることだけを考えて、自ら崖の方へ歩いて行ってしまわないことを願います。

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