-トキメキ-
Tinderで知り合った年下の男の子と3回デートした。
次のお誘いはないけど、あっても次が最後。
なぜこのまま終われないのか。
それは貸したお金を返してもらいたいから。
やっちまった感が否めないけど、記事にしてみるの巻。
彼は私より5歳下。
身長が高いところと職務経験からの話がとても解りやすくて尊敬できるかなと思った。
ときめきはないけど、誘ってくれたから2回目のデートに応じた。
Tinderでは顔写真を掲載していない彼。
初めて会う日は、わかりやすい場所でお互いの服装を伝えて落ち合った。
2回目の待ち合わせは、顔が思い出せずに少し緊張した。
もうね、2回目以降は何話したか記憶にないくらい。
他愛ない話で盛り上がったとも言えず、
「なんで私ここにいるんだろう?」
って思ったくらい。
3回目に応じたのは、やっぱり3回は会ってみないと・・・という使命感みたいなものと、楽しくなくても結婚相手としての条件は揃っているかなと物件選びみたいなスタンス。
ここがいい!ってわけではないけど、住むには特に問題ないよね、って感じで。
3回目は私が先にお店に入っていたけど、やっぱり彼の顔は覚えていなかった。
来た時に、あぁこんな人だったな、って感じ。
彼に興味がないことを物語っている。
でも恋愛と結婚は別だって言うし、これくらい相手に興味がない方が楽かもしれない、とか、もはや完全に自分が選ぶ側で臨むバツイチアラフォー。
2回目の帰りに、いきなり手を繋がれた。
さっきまでの食事の間に、私に興味を示して色々質問をしてきたり、逆に彼自身が私にとってメリットがあるかのアピールをしてきたり、そんな前触れも一切なしにいきなり。
ときめかないけど、照れたフリはしてみた。
「いやなら(ほどいても)いいよ」
って冷静にSキャラできた。
ときめかないけど、嬉しがるフリをしてみた。
何度かキスを繰り返した。
「いやなら(逃げても)いいよ」
ときめかないけど、キスの相性をみてみた。
もしかしたら彼は、私とホテルに行くつもりでいたのかもしれない。
だってTinderだもん。
3回目は仕事終わりの遅い時間からの食事。
県外に住む彼は、終電まで1時間半。
しかもこの情勢、翌日はテレワークなんだって。
遅くなっても大丈夫アピール。
でも私には、彼と飲んだら別の予定が入れてある。
彼には感じなかったときめきを感じてしまった人との。
彼と飲みたかったわけではないけれど、次の予定のために少し酔っ払っておきたかった。
彼との時間は限られていたけれど、ワインをボトルで入れる。
次の人から迎えにきたとの連絡を受けて、彼に終電を促す。
「間に合う?ここは私が支払っておくから急いで駅に向かいな」
いつも彼との食事代は割り勘。
支払いでもたついて終電を逃されたらかなわない。
少しでも早く彼を返したかった。
預けていた上着を羽織った彼は私にキスをしてきた。
飲食店の中で別れ際にされる不意打ちのキス。
うん、悪くないシチュエーション。
でも、やっぱりときめきはなかった。
してやったり、と得意げな表情を見せた彼に私が何を思ったか。
「そんな余裕あるなら金払えよ」
私はキスのやり逃げと食い逃げをされたのか。
私に幸あれ。