VUCA時代に生きる―國井修

「グローバルヘルス」を専門というか、ライフワークにしています。中でも、感染症対策、人道支援、保健システム作り、保健政策などをやってきました。インドで、ヨガや伝統医学も勉強して、今も毎日ヨガをしています。

VUCA時代に生きる―國井修

「グローバルヘルス」を専門というか、ライフワークにしています。中でも、感染症対策、人道支援、保健システム作り、保健政策などをやってきました。インドで、ヨガや伝統医学も勉強して、今も毎日ヨガをしています。

最近の記事

新型コロナの死亡率、致死率、感染致死率

依頼を受けて、新型コロナの医療崩壊について以下を寄稿しました。 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-93194.php これは紙媒体の記事なので通常はWEBには無料公開しないのですが、ニューズウィーク日本版(NWJ)の編集部はとても太っ腹で、緊急で重要な記事だということで無料でアップしれくれました。ありがとうございます。 この中で、一般(メディア)向けに死亡率と致死率を簡単に説明しましたが、公衆

    • 「対岸の火事」から「他山の石」「自分事」へ

      「対岸の火事」とは、ご存知の通り、川や湖を隔てた向こう岸で起きている火事で、「自分たちには被害が及ばないから大丈夫、心配する必要はない、自分には影響がない、関係ない」という意味があります。無関心だけでなく、冷たさすら感じられる諺にも聞こえます。「高みの見物」と似ていますが、これには、他人の不幸を興味本位で眺める、楽しむニュアンスさえありますね。「人間の性(サガ)」を示す先言のようでもあります。 今回の新型コロナウイルス流行では、この「人間の性」が日本国内のみならず、世界的に

      • ヨーロッパも新型肺炎の渦中に

        初めは中国以外に、タイ、シンガポール、日本などアジアに集中していた新型コロナウイルスの感染者も、今では中国以外の感染者トップ10のうち7つが欧州の国々となりました。私が住むスイスの人口は日本の10分の1以下、面積は九州程度でありながら、感染者は2倍以上になっています。ちなみにイタリアの感染者数は現在、日本の約30倍に及んでいます。 スイスでも週によって期間や人数は異なりますがが、先週から学校閉鎖が始まり、イベントは1000人から今では100人以上でも禁止、スキー場・プール・

        • 備えあれば、憂いなし

          世界医師会雑誌に依頼されて寄稿した「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と持続可能な開発目標(SDG)の到達のために」(P17-21)が発行された(PDF)というお知らせを頂きましたので、以下にリンクをシェアします。 オリジナルの論文ではなく単なる論考ですが、この分野に関心のある人には勉強になると思います。読んでみて、感想をきかせてください。 https://www.wma.net/wp-content/uploads/2020/02/wmj_1_2020_WEB_

          禍を転じて福と為す

          新型コロナウイルスは私が住むスイスや、車で10分で国境を越えられるフランス、1時間で行けるイタリアなどにも侵入し、多大な社会的・経済的影響を与えています。なんと、みんなが待ちに待っていたジュネーブのモーターショーも中止になるようです。1000人規模のイベントはすべて中止です。 日本でも、政府が全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請し、会社でも在宅勤務、テレワーク、出張禁止などが勧められているようですね。 皆さん、多くの困難や苦労に直面して大変だと思います。が、

          禍を転じて福と為す

          米国疾患予防管理センター(CDC)のようなもの、を設置すべき?

           大規模災害が起こると米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)、アウトブレイクが起こると米国疾患予防管理センター(CDC)を日本に作る必要があるという議論が起こります。  まずCDCをご存知の方はご承知の通り、マラリアコントロールなど感染症対策をきっかけに1946年に創設しましたが、現在では慢性疾患予防・健康増進、労働安全衛生、出生異常・発達障害、傷害予防管理など、様々な保健福祉分野を扱い、10以上の研究所・センターなどの総称で、予算額も1兆円を超え、国立感染症研究所のおそらく30

          米国疾患予防管理センター(CDC)のようなもの、を設置すべき?

          新型コロナではないけれど、参考になるかもしれないエッセイ

          新型コロナウィルスではないのですが、参考になりそうな過去に書いたエッセイを下にご紹介します。

          新型コロナではないけれど、参考になるかもしれないエッセイ

          危機管理で重要なCSCA

           このような緊急事態では、事実の誤認や歪曲はとても危険で、そこから不安や懸念が広がり、デマやフェイクが拡散し、社会不安、社会的・経済的損失につながることが多いものです。  こんな時にこそ、感情的になったり、逆上したり、個人や組織を批判したりすることは避けるべき。そこに時間や労力をかけている場合ではなく、それによってまたオペレーションが阻害されることがあるからです。  緊急時には多くの人々が興奮して、また周りが見えなくなるものです。感情的に切れやすくなり、理性的に考えられな

          危機管理で重要なCSCA

          新型コロナウィルスに関する非難・炎上

           FBに投稿した文章をペーストします。読みにくく、編集しにくかったのと、その後、岩田先生や高山先生とのやりとりもあったので、編集・追加をしました。なお、誰かを傷つける内容があれば教えてください。それが目的ではないので、その場合には修正・訂正・削除します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  友人である岩田先生も、高山先生も、橋本副大臣も、この緊急事態を乗り切り、収束させるという共通の目的をもって最大限の努力をされていると思いますが、それぞ

          新型コロナウィルスに関する非難・炎上

          noteを始めました

           私は累計17年以上海外で生活し、母国日本に貢献できなかったので、少しでも役立てることがあればと思い、本や対談やエッセイなどで情報を発信しています。主にFacebookを使っていましたが、長文になると使い勝手が悪いため、noteを使うことにしました。 よろしくお付き合いください。