記憶の憧憬 Ⅱ
衣巻省三(キヌマキショウゾウ /1900~1978)という詩人に
「アイスクリーム」というとても短い作品があります。
( セイゾウという表記もあるようです )
アイスクリーム
私の戀人よ
あまりながくほつておくとお行儀が惡くなる
( 戀人 → 恋人 )
気長に構えているとじきに溶けてその形がくずれていくアイスクリームを恋人にたとえているのが面白いと想うのです。
僕がこの詩、この詩人を知ったのはフォーク歌手の高田渡がこれに曲を付けて歌っていたからです(ずいぶん昔の話になりますが)
「クリームソーダパラダイス」という作品の女の子はアイスクリームを
ソーダ水に浮かべたクリームソーダを前に何かを考え、あるいは見ているようにも想えます。
そして、アイスクリームは今のところはまだお行儀よくソーダ水に浮かんで
いるようです・・・
青森市での拙作展の紹介
「記憶の憧憬Ⅱ」の様子を紹介させていただきます。
■ 会期 / 2024 ,8 .17 (土)~ 25 (日)
於 / Caf'e & Gallery ペーパームーン
■ 以下、会場風景と作品です。
陶板の額は現代陶芸家の安藤郁子さんによるものです。
( 作品サイズ表記・額装含まず)
25年振りにガラス絵を描いてみました。
ここではガラス絵の詳細な説明は省かせていただきますが
やりようによってはいくらでも複雑で手の込んだ表現が出来るのだな・・・
ということと、その難しさを知った想いがしています。
透明で壊れやすいガラスという素材とそれが醸し出す色彩、その輝きの美しさが魅力でしょうか。
そして安藤郁子さんの額縁が拙作とよく調和してくれていると感じて
います。
漆皿の作品は、番外とも言えるのですが、わが家の納戸の奥から
出てきた10点余りの忘れられた古い黒塗りの漆皿に描いたもの。
これからも通常の油彩画制作と並行してこんなこともやって行けたら
良いな・・・と考えています。