見出し画像

N国党・立花孝志氏と選挙妨害 私人逮捕

2020年07月05日に東京都知事選挙が終わり、しばらくは”N国党 ホリエモン新党 立花孝志氏”の関連の記事は無理に書くつもりは無かったのだが、どうやらそうも言っていられないようなので急ぎペンを取る(キーを打つ)。

2020年07月13日、以前よりN国党界隈では語り草となっている「選挙妨害に対する私人逮捕」が、またしても行われてしまったのである。
本記事は、一般の皆様への注意喚起の意味も含めて見解を述べていきたい。

印西市長選挙で選挙妨害による私人逮捕

簡単にだが、まずは今回の事の成り行きを説明しておこう。
千葉県印西市では現在、2020年07月12日告示、19日投開票の印西市長選挙が行われている。当初、この選挙には現職の「板倉正直氏(73)」のみが立候補を表明しており、無投票当選と見られていた。しかし、その選挙に急遽出馬を表明した者がいた。N国党 立花孝志氏の秘書を勤める「粟飯原美佳(24)」氏である。粟飯原美佳氏が立候補を表明するに至った詳しい経緯は割愛するが、結果的に立候補をしたのは、同じくN国党 立花孝志氏の秘書を勤める「新藤加菜(27)」氏である。
(経緯の詳細は東京スポーツで報じられている。詳細はこちら)

07月13日、この日は新藤加菜氏は印西市で選挙運動を行っておらず、印西市内で演説を行っていたのは、N国党 党首 立花孝志氏であった。道路に選挙カーを止め、大きな集合住宅が立ち並ぶ街中で立花孝志氏がマイクで演説をしており、その終盤に事件は起こった。

「大きな音でご迷惑をおかけしましたが、これにて終了致します。」と言った立花孝志氏がマイク演説を終えるかと思われた矢先、1人の男性が駆け寄り立花孝志氏に直接苦情を伝え始めたのである。その様子を伝えたライブ配信や動画では、その男性が言っていることは聞き取ることはできなかったのだが、多少の口論の末、男性が指で立花孝志氏の肩を突くなどしてしまったようである。そして男性は立ち去ろうとしたが、逃げたとみなされてしまいその場で立花孝志氏の手で私人逮捕され、警察に引き渡された。その男性はカナダ人であったと後に立花孝志は語っている。
(この件はすでに東京スポーツにより報道されいる。下記参照)

東京スポーツの記事でも述べられているが、選挙妨害は犯罪である。
公職選挙法に沿った選挙運動中には、正当な理由無くその妨害行為は許されるものではない。暴力などはもってのほかなのは言うまでもないだろう。
(公職選挙法の詳細は下記参照)

N国党 立花孝志氏への選挙妨害と私人逮捕

さて、以前、立花孝志氏は「10回以上私人逮捕をしたことがある」と武勇伝のように語っていたのだが、N国党界隈でもその詳細を知る者は少ない。
選挙運動中の私人逮捕で有名なところを上げると、”松戸市での青年”、”堺市での老夫婦”、”柏市での老人男性”、”大宮市での日章旗男性”、などはよく知られている。

そして、立花孝志氏やN国党関係者による私人逮捕は、何も選挙運動中のみに行われてきたことではない。以前はNHK訪問員撃退と称して、一般家庭からの連絡を受けて立花孝志氏本人やN国党所属議員が出向き、”NHK訪問員”を私人逮捕していた事実もあるのだ。そして、その多くは不起訴処分や、逆に「N国党 立花孝志氏らが暴行を行った」とみなされた件もある。

”松戸市での青年”については「私人逮捕と称してN国党所属の市議2人が一般人に暴行を行った」と、選挙ウォッチャーの”ちだい”氏の記事で報道もなされており、ツイッターでは暴行を受けた本人が実名で世間に訴えている。

私人逮捕とまでいかずとも、選挙運動中の警察沙汰はもはやN国党関係の選挙運動では名物になってしまっているが、何故このようなことが頻繁に起こるのだろうか。先日の東京都議補選でも、北区選挙区で立候補をした新藤加菜氏のポスターが何枚も剥がされる(破られる)という事態もあった。
(ポスター破りの犯人の1人は逮捕されている。)

それにはまず、一般市民が公職選挙法を理解していない点は無視できない。
立花孝志氏率いるN国党は、「違法じゃない」を免罪符にモラルを無視した活動を行ってきた。そのモラルの無さに激怒した一般市民が感情のまま抗議などを行ってしまうと、忽ち公職選挙法に抵触してしまうことになる。

公職選挙法は比較的重い罪が課せられていることを、立花孝志氏はよく理解されている。しかし、一般市民は難しい公職選挙法のことは通常では知り得ないのだ。何が違反になるかを知らないこともそうだが、罰則が重いことを知らぬがゆえに、軽率に選挙妨害とみなされる行為に及んでしまうのだ。この点に関しては、一般市民側の知識不足は否めない。

しかし、何より一番の原因と思われるのはN国党側の責任である。
「違法じゃない」を免罪符に選挙ビジネスを展開し、NHKへの嫌がらせ街宣を行うことで選挙地域外の市民への迷惑をかけ、「政治的主張」と称して当選する気のない首長選挙へ連続出馬し、その地域の税金を浪費させ、地域住民の地元愛を踏みにじってきた。そういった市民感情を蔑ろにする行為が、N国党に嫌悪感を抱かせ続けたと言っても過言ではないだろう。これまでのN国党と立花孝志氏の行い対する嫌悪感が積もり積もった結果が、先の東京都知事選挙の得票率(立花孝志氏個人 0.72%、3人合計 0.88%)であると思われる。
(東京都知事選挙 都議補選に関しての詳細はこちら)

そして、その市民感情を蔑ろにする行為は、今も続けられているのだ。

さらに、N国党 立花孝志氏は刑事被告人である。その報道は広く全国的に流されており、多くの国民の知るところとなっている。自らが法を犯し刑罰を受ける可能性がある身でありながら、いくら自分の問われる罪に関係が無いとはいえ、その審判を待たずして「法がおかしい」などと、よく言えたものである。と、市民感情として持たれていてもおかしくはない。

一般市民の皆様はご注意ください

今回の騒動のカナダ人男性がどうかはわからないが、上記で述べたように、一般市民の多くがN国党と立花孝志氏への嫌悪感を抱いていても不思議ではない。しかし、街中で見かけても、演説中の妨害行為は絶対にしてはいけない。例え気分を害しても、不愉快になろうとも、選挙運動中の演説は中断させないように気をつけてほしい。

また、周りのスタッフや選挙カー、機材などに当たってもいけない。
選挙運動中は、彼らが公職選挙法を犯さない限り、彼らもまた、公職選挙法に守られていることを忘れてはならない。

東京都議補選 北区選挙区で起こった”ポスター剥がし(破り)”などについても同様である。絶対に行ってはいけない。

公職選挙法第225条
選挙の自由妨害罪。候補者のウェブサイトの改ざん等、選挙に関し、文書図画を毀棄し、その他不正の方法をもって選挙の自由を妨害した者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
※”文書図画”には、ポスター等の掲示物も含まれる。
※”その他不正の方法”には、演説中を中断させる罵声なども含まれる。

言うまでもないが、暴力などはもってのほかである。

N国党 立花孝志氏は、自身が刑事被告人であることを少しは自覚しているためか、以前ほど強引な活動は行わなくなっている。例え迷惑演説であったとしても、10分~の時間で切り上げることが多くなっているように見受けられる。もし、街中や家の近所で見かけて不愉快になったとしても、見て見ぬフリをするか、少しの間は我慢してほしい。どうしても耐え切れなくなったときは、警察に通報だ。

それでも、彼らが公職選挙法を犯していなければ警察に連行されることや、演説を強制終了させることはできないが、自身で文句を言いに行かずとも「迷惑だ」という意思を示すことはできる。

一般市民の皆様が、感情に任せて自滅するようなことは避けるべきである。
もし、本記事をお読みになられた方の身近にN国党に対して嫌悪感を抱いている方々かいるならば、このことを伝えてあげてほしい。

現行法では、彼らの選挙手法を止めることはできない。ならばせめて、今後は皆様自身が気をつけていただきたい。


N国党・立花孝志氏と選挙妨害 私人逮捕(終)