N国党・立花孝志 vs モラリスト ⑤
「N国党・立花孝志 vs モラリスト ④」の続編です。
タイトルに「立花孝志」と銘打ってはいるが、本記事の内容は立花氏関連の話しではなく、正しくは「N国党・関係者 支持者 vs モラリスト」であることを、まずはお断りしておく。2020年04月25日(土)の日中、少し興味深い騒動がツイッター内で起こっていたようなので紹介したい。
2020年04月12日告示、04月19日投開票での鹿児島市議会議員選挙、N国党 立候補者 最勝寺辰也氏(落選)の選挙運動中の「複数の影武者」に対する指摘を行っていたモラリストに、実際に影武者となった2名が「法的措置を取る」と異論を発したことで事態は起こった。
事の発端、迂闊な者たち
そもそもの発端は04月17日、今後の埼玉県戸田市の市議会議員選挙でのN国党 公認立候補予定者とされている黒瀬信明氏と、支持者の男性(以下、PK氏)がそれぞれ屋外で 「最勝寺辰也」氏の氏名入りタスキを着用したまま選挙運動を行ったこと(以下、影武者選挙運動)が問題視された。その光景を、なんと黒瀬信明氏やPK氏らが自らツイッターやYoutubeで公開してしまったのだ。
※黒瀬信明 氏
埼玉県戸田市市議会議員選挙 N国党 公認立候補予定者
N国党コールセンター在籍
当初、黒瀬氏らは「選挙管理委員会に問い合わせ済み」と釈明していたが、「誰が問い合わせたのか」という質問に対して明確に答えられた者はおらず、鹿児島市に集まっていたN国党 関係者の中で4名の名前が挙がったが、特定には至らぬまま19日の投開票を迎えた。結果、最勝寺辰也氏は落選となった。
当の立候補者が落選したという結果もあり、この騒動は鎮静化したかのように見えた。しかし、モラリストの真相追及の手は緩んではいなかったのだ。
その後もツイッター内では、「このタスキを別人がかけて選挙運動をしているのは違反ではないのか」という指摘の声は消えずにいた。
そして04月25日、昼を少し回った13時12分、突然ツイッター内で、黒瀬氏から1人のモラリスト(以下、A氏)への文章コピーペーストでのリプライ攻撃(以下、コピペ攻撃)が始まったのである。
A氏のツイッター投稿では、特に黒瀬氏やPK氏を罵倒するような文言は使用されておらず、至極真っ当な指摘であった。そこへのコピペ攻撃である。
(以下、黒瀬氏の投稿文そのまま)
「僕の画像を無断で転載してるので著作権侵害と、僕が動画やTwitterで説明してる経緯を完全に無視し、社会的評価(外部的名誉)を毀損する疑いも有り刑法230条名誉毀損罪の疑いも有ります。司法の判断に委ねるつもりなので、あなたと連絡を取らせて頂きたいです。」(黒瀬信明氏)
上記の文章でのコピペ攻撃が、A氏1人へ向けて13時23分までの僅か11分間で、なんと17回も繰り返されたのである。さらに、
「無視しないでください」
という同じリプライが、同じくA氏へその後の1分間で3度投稿された。
この一連の投稿が始まったと同時に、A氏含め複数のモラリストたちによる黒瀬氏への糾弾が開始された。中には、黒瀬氏の主張を否定せず、「正規の手続きでIPなどの開示請求を経て訴えればよい」などの声もあったが、そういった声に対しても黒瀬氏からの返答は無かった。
黒瀬氏のコピペ攻撃が続く中、黒瀬氏の主張に対して1つの指摘が飛んだ。
「違法性阻却事由には当たらないのか」
名誉毀損には、要件を満たしていても次の3つの条件を満たしている場合は名誉毀損が成立しないとされている。
1、公共性がある
2、公益性がある
3、事実である(真実相当である)
では、黒瀬氏のケースに当てはめてみよう。
1、選挙期間中に行われた選挙運動での問題であり、公共性が認められる。
2、有権者を欺く行為の指摘であり、真実を明らかにすることは有権者に対して公益性が認められる。
3、黒瀬氏ら自身が公開しており、事実と認められる。
このように解釈するのが妥当であろう。よって、黒瀬氏の主張する名誉毀損には該当しないと考えられる。
そして、この「違法性阻却事由」の指摘がなされた直後から、黒瀬氏のコピペ攻撃はピタリと止んだのである。これが13時30分の出来事だ。
時間的にこの指摘のタイミングでコピペ攻撃は止まっているが、偶然にも黒瀬氏がその行為をやめた時間とタイミングが合っただけという可能性は否定できない。その後、約10時間以上経過する間、黒瀬氏はツイッターに何も投稿をしていない。
まさかとは思うが、「違法性阻却事由」を知らずして名誉毀損だと言っていたのだろうか。
一方、N国党 支持者であるPK氏だが、黒瀬氏のコピペ攻撃が行われる約2時間ほど前から、実は先にA氏へ詰め寄っていたのである。しかし、成り行き上とはいえ、この後にPK氏の相手となったのは、モラリストの中でも「偽計業務妨害」という最大の矢を放ったその人物だったのだ。
上を行くモラリスト
午前10時40分、PK氏はA氏へツイッターで突然次のように詰め寄った。
(以下、PK氏の発言は投稿そのまま)
「お前 人の写真を勝手に使いやがって 至急連絡よこせ どういうことか説明しろ法的措置も辞さないぞ このことはすでに動画で説明している 拡散希望などもってのほかだ とにかく住所と名前教えろ」
なぜかこの後、口調が度々変化するが、要求は一方的に続いていく。
「至急連絡とりたいので連絡先教えていただけませんでしょうかお話がありますのであなたのやっていることは犯罪です こちらの事案ですが解決しておりますのでこれを拡散されるなど あなたは犯罪を犯してるのですよ 大至急連絡取れるようにしてください」
「至急あなたと連絡が取りたいので 電話番号を教えていただけますか あなたは人の写真を勝手に拡散させて名誉毀損されてます 許可なく写真も使ってますよね著作権侵害にあたりますよ とにかく連絡取りたいので大至急 連絡ください 必ず探し出します」
「今あなたを調べております 勝手に人の写真を拡散させておいて 名誉毀損で訴えます」
黒瀬氏と同じく「名誉毀損」を振りかざしてきたのである。
PK氏の場合、PK氏自身は立候補予定者ではない。選挙時はボランティアで、一般人である。この場合は「名誉毀損」の「違法性阻却事由」よりも著作権の侵害や肖像権の侵害に当たるかを見た方がよいだろう。その場合に問題となる点の指摘もなされた。(以下、あるモラリストの投稿そのまま)
「営利目的ではない複製使用はフェアユースに該当するか。マスクで顔半分隠れた状態での肖像権主張はできるか。違法性の指摘は公序良俗に反するか。ざっとこんなこところでしょうか?」
※フェアユース
著作権者の許諾なく著作物を利用しても、公正な利用に該当するものと評価されれば、その利用行為は著作権の侵害にあたらない。
「フェアユースの法理」や「フェアユースの精神」と呼ばれる。
その判断基準は国や法により様々であるが、日本では概ね米国企業の規約等に従う例が多く見られる。
まず、著作権の侵害に当たるかという点について、無断使用だけを見るのであれば、それは事実であろう。しかし、選挙運動中の写真であることや、違法性の指摘に関する使用であることを考慮すると、フェアユースに該当すると見ることもできるが、この点においては解釈の違いで意見は異なる可能性は否定できない。次に肖像権については、該当の写真の多くは顔が半分以上マスクで隠れており、直ちに個人を特定できるものとは言えないと考えられる。そして、違法性の指摘が公序良俗に反するかどうかは、問うまでもないだろう。
上記の解釈から、無断使用が直ちに正当化できるものではないが、違法性の指摘という事情において、一定の公益性は認められる。といったところだろうか。つまり、実際にPK氏が訴えた場合、分は悪いであろうが勝てる可能性も残されている。しかし、その司法判断の如何によって違法行為(影武者選挙運動)の責任から逃れられるものではない。むしろ明らかにされる可能性が高いと考えられる。
PK氏が強引な要求をA氏に突き付ける中、1人のモラリスト(以下、KB氏)がPK氏の前に立ちはだかる。
「何をもって犯罪か言ってみたら?」
とPK氏に言葉を投げかけたKB氏。ここから事態は予想外の展開を見せた。
KB氏とは、あのN国党「偽計業務妨害」の告発を行ったとされ、今も尚その手を緩めることはないと見られているモラリストの中心的人物である。
そのKB氏にPK氏は食って掛かった。一連のPK氏の発言を見てみよう。
「お前バカか 選管(選挙管理委員会)には連絡を取って 確認済みでたすきをつけたわけだ お前そんなこと言ってると名誉毀損で本当に訴えるぞ 拡散したり 子供みたいなこと言ってんじゃないよ 電話番号も顔も出さなさね 卑怯者が」
「お前こそ選管に問い合わせてないっていう証拠出せ お前みたいな雑魚に消耗(証拠)出す必要はない既に出している」
「こっちは暇じゃねえんだよお前らみたいに だったらその音声と証拠を出せ 勝手に話を作るな こっちは完全に選管に問い合わせて確認したんだよ お前らこそ話を勝手に作るな よくそんな暇があるな その証拠動画や証拠の音声を出せて言ってるだろう話を作るな」
「とにかくお前を法的処置で引きずり出してるから覚悟しておけよ 絶対に逃がさないからな」
「お前ってほんとバカだな色々情報が入ってきてんだよお前のことはもうすぐお前が特定できるからな」
PK氏の発言はこれだけではないが、ざっと見渡して目に付いたものはこんなところである。さて、この後問題となっていくのは「選管には連絡を取って 確認済みでたすきをつけた」というこの部分である。
この一連のKB氏とPK氏の会話の中で、KB氏は「選管に問い合わせて裏を取っている。お前たちの嘘はお見通しだ」といった内容の発言をしているが、それに対してPK氏は「証拠を出せ」と上記のように連呼しているのである。
「すでに自分は(選管に問い合わせた)証拠を出しているから、お前も証拠を出せ」とPK氏は言っているのだが、実際、まだその証拠とやらは提示されていない。黒瀬氏とPK氏が動画の中で「選管に問い合わせた」と自分たちで言っているだけなのだ。それに対してKB氏は「いつ、誰が確認したのか答えろ」と問うたが、PK氏は、自分たちの主張を述べただけで「証拠」だと最後まで言い張ったのである。逆に、KB氏は選管への問い合わせ時のやり取りを細かに言って見せた。(以下、KB氏の発言そのまま)
「選管での回答を教えてやるよ。
○事実として違法である
○選挙中に指摘をしたが最勝寺陣営が確認済と一点張り
○これからもするなと指摘済み
○選管より警察にも提出済み
真偽を調べてやるから選管に確認したのは尾崎(= 埼玉県坂戸市長選挙立候補者 落選)で良いの?何時ぐらいに確認したの?」
KB氏のこの発言の後、PK氏はこの件には触れなくなり、上記の一連の発言を見てわかる通り、理詰めで適わなくなると脅しにかかったのだ。
しかし、KB氏は、「偽計業務妨害」での告発劇をやってのけた人物である。こんなコケ脅しが通用する相手ではなかった。
N国党の関係者や支持者がよく口にする「電話しろ、顔を出せ、卑怯者」については、もはや子供の喧嘩レベルであると言わざるを得ない。
KB氏は言う、「告発の当事者だから、対象の人物との接触はできない」と。
当然である。が、PK氏には理解できないのか、「電話しろ、顔を出せ、卑怯者」を何度も繰り返すのである。
そして、PK氏は、KB氏の質問には答えず、選管への問い合わせをしたという証拠の提示もなく、返答は途切れた。
(04月28日 追記)<--
その後、PK氏はモラリスト側のツイッターアカウントをまとめてブロックしたようだ。外から確認できるだけでもその数は数十人にも及ぶと見られる。100人以上ではないかとの声もあるが、正確な人数はPK氏のみぞ知る。
この大量ブロックは明らかに悪手であると言えるだろう。
今回の騒動で参加していない者まで含まれており、PK氏は自身でこの騒動の範囲を広げてしまったようだ。ブロックをしたことにより、「敵」と見なしたとを暗に表明してしまったのだ。騒動に関係の無かった者まで巻き込み、明確に敵に回し増やしてしまったことで、今後PK氏が何か不祥事に関わった場合、今回広がった範囲のモラリストたちからの法的措置も含めて、集中砲火を浴びる可能性が出てきてしまったのだ。PK氏本人は、この状況を作り出してしまった自覚はあるのだろうか。しばらくの間「鍵アカウント」にするだけで良かったはずだが。-->
考察、本性の片鱗
黒瀬信明氏とPK氏は、立候補予定者と一般人という違いはあるものの、N国党党首である立花孝志氏を崇拝しているという点では同様の人物であるように見受けられる。
立花氏は、自分の想像や憶測をあたかも事実のように語ることが時折見られ「自分の説明が証拠」と言い張るあたりは、上記両名もしっかりと立花イズムを受け継いでいる。そして、罪に対して不誠実であり、認めようとせず、真摯に謝罪しないところもそっくりである。今回の一件で、「刑罰にならなければよい」とする立花氏の思考がN国党内部に浸透していることが鮮明になったと言っても過言ではないだろう。
しかし、やはり両名も自我のある大人である。立花氏とは元々は異なる性格である部分が見え隠れしていた。
黒瀬氏は、基本的には立花イズムを概ね継承しているが、立花氏ほどに覚悟を持って事に望んでいるようではない。度々見せる言い訳がましさや責任回避、歪曲した解釈のこじ付けも独特のものがあるように見受けられる。他者からの進言や指示をそのまま実行してしまう性格のようだ。そして、その行為自体の是非を自ら問うようなことはしない。他人軽視という点において、立花氏の本質と同様であるが故に、立花氏の言動や行動が正しく見えてしまうのだろう。良く言えば「従順な部下」悪く言えば「都合のいい駒」なのかもしれない。
PK氏は、黒瀬氏よりも年齢は幾分上であるが、その振る舞いや言動を見ている限り、上記のような発言を軽はずみにしてしまうところからも、年齢ほどの経験や知識が豊富にあるようには見受けられない。PK氏は、動画配信者でもあり、動画の中での口調や言葉遣いなどは決して粗暴ではない。むしろ丁寧な部類と言っても良い。しかし、今回のようなツイッターなどの文字会話となるとその印象は激変する。つまり、自分が見られている環境や人前では腰が引き気味になり無害に見えるが、そうではないところでは強気になってしまうタイプのようだ。相手が見えないと強気になるタイプの人間は、想像力に乏しい傾向がある。
両名に言えることだが、他者の影響を受けやすく、善悪の判断基準が自分自身の中には無いように思う。そしてこれは、N国党関係者の多くの者がそうであるように見受けられる。
今回の両名の主張は、ともに大失態であったのではないだろうか。自分の罪を棚に上げたまま言い訳に終始した動画を証拠とするなど、そんな都合のいい主張が通らないことは、考えるまでもなく明白である。両名を必要以上に貶すつもりはないが、もう少し、やっていい事と悪い事の区別をつけなければ、いずれその常識の乖離は自らの人生を破滅させることになりかねない。願わくば、取り返しの利くうちに自ら気付いてほしいものである。
モラリストの追撃の矢も放たれ、すでにその影響が出始めた今となっては、もう手遅れかもしれないが。
N国党・立花孝志 vs モラリスト ⑤ (終)
→ N国党・立花孝志 vs モラリスト ⑥
モンキーポッドとしましては、主立った出来事を中心に、世に周知する必要があると思われることについては、引き続き活動を行っていく所存です。
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