滞在日誌 2024年10月30日、11月8日(6-7日目)
10月30日(6日目)
世田谷美術館公式Youtume「世田美チャンネル」で公開するインタビュー動画を撮影しました。
これまでの滞在を振り返ると同時に、後半の滞在や滞在報告会のアイディアを聞くことができました。
11月8日(7日目)
この日は、11月17日に開催するオープンデーに向けての準備日となりました。鑑賞リーダーの方にご協力を仰ぎ、一緒に美術館を巡り、涌田さんが滞在中に実践してきた、美術館やその周りの環境をからだで感じるためのワークを試していきます。
講堂で一緒にからだをほぐしてから館内外をめぐり、各ポイントで涌田さんによるインストラクションのもと、普段とは違う方法でその場所や風景に身を置いてみることにトライしていきました。涌田さんと巡ったことで、参加いただいた方にとっては慣れ親しんだ世田谷美術館でも、それぞれにたくさんのことを発見できたようで、さまざまなフィードバックをいただきました。
これらを活かし、オープンデーで実施する内容をブラッシュアップしていきます。
後日、涌田さんからのコメントと、短歌が届きました。
すべてのワークを通して、一人一人が自分のペースや感覚を大切にしながらのびのびと味わうことを楽しむゆったりとした時間が流れており、参加者の皆さんに体感を細やかに言葉にしてもらうことで多くの発見があった。
特に、様々なワークを通して「自然の偉大さ」「芸術と自然は一体」など、「自然」に対する畏怖や感動について語り合った時間が印象的だった。
昼の廊下から大きな窓を通して風景を味わうワークでは、日常・自然・アートがまだら模様のように混在する風景を窓を通して見ることでまるで絵画のように感じたという声が多く、「自分も絵の中に入っているような穏やかな気持ちになった」という言葉もあった。
これまでのリサーチでも、くぬぎ広場から砧公園にかけて広がる樹々や草花、空や雲などたくさんの「自然」と触れ合ったときの震えから多くの言葉と動きの種をもらってきた。
日常とアートを媒介するものとして、「自然」の存在があるのかもしれないと改めて気付き、「芸術と自然はひそかに協力して人間を健全にする」という世田美がかかげている言葉の意味にも改めて立ち返った。
樹の枝のかたちをからだでなぞるワークでは、「触れていなくても、枝葉に触れているような感覚がある」「人々がダンスを初めて踊りはじめたときのことを感じた。自然と一体化するような感じだったのかな」「よくわからないけど、(他の参加者の動きを見ていて)自然に対する祈り・畏敬のようなものを感じた」などの声があり、人々のからだに潜んでいるダンスの根源的な力を感じた。人間のからだが本来持っている感受する力、それを促す自然のエネルギーに驚いた。
今後のリサーチで、アートと日常、そしてそれらをひっそりと媒介するように存在している「自然」の存在ついても、より深めてゆきたいと感じさせる時間だった。
次回の更新もお楽しみに!
テキスト:武田侑子(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)
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