#Reverb 26 寿司職人の私が心にしまっている「新たな挑戦」の理由。


新たなる挑戦が、今、始まろうとしています。


気がつくと2022年の7月も終わりが近づいています。本当に、本当に長い道のりでしたが、新しいひびきのソフトオープンが近づいています。


現在のひびきを営業しながら、新しいひびきの進捗を管理確認している状態は、まるで現在と過去と未来を行き来しているかのような感覚になります。4年前にクアラルンプールで現在のひびきを開いた時、コロナと共に息も絶え絶えだった時、そして新しい未来に向けて舵を切った時などを何度も思い出しています。


新しいひびきに行くと「アップデート」感をひしひしと感じます。今まで自分が大事にしてきた「晴れの場」の具現化が更に進化した!という実感があります。同時に

「ここまで進化してしまった」


と言う不安も感じています。この進化が先進的すぎて、お客様は果たしてついてきてくださるのか。。?と不安になる時があるのです。私は米国での店舗開業経験はないので想像の範囲になりますが

「歌舞伎役者さんが新作歌舞伎を米国で公演する前ってこんな気持ちなのかな?」


と思ったりします。

伝えたい思いは変わりません。揺るぎはありません。絶対に伝わる自信があります。しかし、伝える場所を作り上げる、新しい挑戦としてアップデートを行う。多角的な挑戦は本当に本当にやりがいがありますが、同時に不安な気持ちになります。


私には、その不安と共に新たな挑戦をする理由があります。今日はその理由について書きたいと思います。


4年前、クアラルンプールでのひびきをオープンした時にもこのような「不安」はもちろんありました。ある意味今回以上に不安は大きかったかもしれません。でも私はその不安と共に進むことができました。それは私の不安を共有し、私の不安をそのまま肯定し、そして自分が出来ることをしてくれたマレーシア人のビジネスパートナーがいたからでした。


そのパートナーと共に私は店を育ててきました。彼がいたから出来たことは本当にたくさんありました。そして新しいひびきで益々活躍してもらうプランをたてていました。


しかし、そのパートナーは新店舗計画の途中で交通事故で帰らぬ人になってしまいました。とてもショックで、受け入れ難い出来事でした。この件に関して、私自身は自分がどのように向き合うべきなのか、いまだに答えを出す事ができていません。


当初は気持ちの整理もつきませんでしたし、いろいろな手続きをの際に「外国人としての壁はやっぱり越えられないのか。。」と孤独感を感じることも多かったです。


そして私は同時にビジネスパートナー以外に私のお店のスタッフ、ビジョンを支えて下さる方、面白い!とプロジェクトに集ってくれる方がいること、その方々と新しい店を、ビジョンを具現化していくことで救われました。そしてその具現化していくことがビジネスパートナーへの一番の供養になるのではと思うようになりました。


新しいひびきはまさに「新劇場」です。食事を楽しんでいるお客様は、観客とあると同時に演者でもある感覚を体験をして頂けると思います。このような寿司屋はKLでも、マレーシアでも、東南アジアでも、そしてアジアでも存在しないと思います。世界で唯一の体験ができる寿司屋だと断言できます。ソフトオープンに向けての様々な準備、環境作りを進めながら「ああここで新しい世界が始まるな」「新しい挑戦が始まるな」という気持ちに身が引き締まります。


そして同時に劇場という場ではあらゆる設定が可能なことに私は希望を持っています。劇場ではどんな演劇も上演が出来ます。そう、今、この世にいない人が登場する演劇も上演可能です。


私はこの新しい劇場で天国の彼も活躍できる世界を作り上げます。彼が「新しいひびきでやりたかったこと」を私が実現します。これが私の中で「新たな挑戦に挑む理由」です。


来週、新ひびき、ソフトオープンです。

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