Reverb #64 自分の足で出向いて、自分の五感で確かめるために鹿児島に行ってきました
自分の足で出向き、自分の五感で確かめる。そこで得た確信は最高の宝物です。
今回の日本出張の大きな目的のひとつが鹿児島訪問でした。
醸造家である小牧伊勢吉さんに会うためです。
鹿児島はほとんど縁がなかったのですが、急に親近感が湧きました。
青森と同じく日本の最果て。そこから明治維新を産む活力のある人材が生まれた町。
落ちて行くような日本を感じる今、小牧さんは、ウィスキー、焼酎のプロデューサーとしてではなく人生に刺激を与えてくれる開拓者でした。
私は常に挑戦をモットーにしています。道を切り開く人に親近感を感じているのかもしれません。
小牧さんのインスタグラムはこちら。
小牧さんは世界で初でこの先おそらくできない屋久杉の樽でウィスキーを作っています。
屋久杉とは屋久島の標高500mを超える山地に自生しているスギをさします。
そしてウィスキーを作るには最高の水も必要です。
鹿児島県の川内地区は、日本有数の綺麗な源泉があります。
そこに最新で計算された蒸留機を製作して作る100樽限定(次回製作今のところ予定なし)のウィスキー。このウィスキーに出会うために鹿児島にやってきました。
小牧さんが屋久杉の樽で極上のウィスキーを製作されています。文字にするととてもシンプルですが、この屋久杉で樽を作る、というのは誰にもできない相当長い、半端ない苦労の連続の道です。
まず屋久杉そのものが、もう何年も通常販売してません。なので樽に使える板を探し出さなければなりません。そして板が見つかったとしてもそれが樽に使える板がどうか、確認しなければなりません。
ほとんどの屋久杉は年輪をみせるために輪切りなんです。それじゃ樽はできない。枝の元となる節があると樽にはできない。屋久杉と聞いて高いお金を払って購入してみたら樽には使えないものだった。。という事例も数多くあったそうです。
そして集まったとしても、まだ次の難問があります。
板を樽にしなければなりません。
でも、集めたところで、屋久杉を切ったことのある職人が見つからない。ましてや樽を作る職人もなかなか見つからない。
やっと見つかったとしても、樽職人は日本では希少な存在ので10ヶ月順番待ちと言われたり。もう苦難しかなかったそうです。
じゃあ待つのか。そうは行きません。なぜなら10ヶ月たつと木は変形してしまう。そうなると時間をかけるわけにもいかない。そして1日の寒暖差の大きい鹿児島川内の盆地の気候は熟成が早くなる地理的アドバンテージがあるわけですが、それは「季節の移り変わりがある」ということでもあります。
お話を伺ってる際、この設定、どこかで聞いたことがある。。と思い、思いつきました。ドラクエのクエスト(冒険の旅)!だと。
小牧さんの造られるウィスキーのストーリーはまさにたくさんのクエストを越えて生まれたものです。
ここで疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
世界初の屋久杉樽、ストーリーはすごいですが作った人がいないので肝心の味はと思いますよね?
試飲させて頂きました。作り始めたばかりの6ヶ月のウィスキーの香りはメイプルやバニラのような甘苦い香りでした。1日の寒暖差の大きい鹿児島川内の盆地の気候は熟成が早くなります。なのでこれから熟成はどんどん進んでいくでしょう。
このウイスキー、オーナーズカスクを販売してます。オーナーズカスクとはなんでしょうか?
オーナーズカスクとは、オーナーが樽を選んで樽ごと購入するシステムです。樽ごとにオリジナルの商品として出来上がったのがオーナーズカスクの商品です。 その為同じ年代の原酒であっても、樽の種類によって買取価格は異なります。
今回は最低2年熟成してボトリングします。オーナーによって5年熟成やもっと長くも可能です。ひびきとして一樽購入させてもらう許可をいただきました。このために鹿児島を訪れたのです。
なぜオーナーズカスクを購入したのか?そう聞かれてたら私はこう答えるでしょう。
これが揃ったものは唯一無二のウィスキーに違いないと確信したからです。
そしてそのウィスキーをぜひ、ひびきのお客様に楽しでほしい!と思ったからです。
実際に出向いて、確かめて私は確信しました。私のクエストも始まってるなと。まだ旅は続きます。本当に行ってよかったです。
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