枷が糧になる
皆様はご自分のパフォーマンスに対して足枷(あしかせ)になるような、「制限」や「こだわり」、これらを持っていますでしょうか?
「俺はそういうのはやらない」
「俺はこういう事をやり続ける」みたいな。
ある程度自分に枷をつけないとあかんです。そう言った事は必ず必要です。
サリトもなんとなく見つかり、それらを磨いている最中です。なのでそこまで偉そうな事は言えませんが、こだわりはあります。
細かく書くとものすごい量になりますので、軽くにしておきます。
サリトの場合は、
1、サリトらしくないマジックはやらない
サリトらしいアレンジができないマジックは絶対にやりません。
何を持って”サリトらしい”というのかは、いまいち文章にできるほどわかっていませんが、他のマジシャンがやらないようなオチやギャグ、セリフは必ず付け足します。付け足せないマジックは絶対にやりません。サリトらしいアレンジを必ずします。
またネタ選びなどに関しては不思議さや面白さよりも、サリトに似合うかどうかを優先します。サリトらしいか否かを大事にしています。
2、安易な笑いはやらない
ダジャレや時事ネタのような安易に笑いの取れるようなマジックはやりません。ダジャレを面白いと思った事がないですし、時事ネタのマジックってその時限りの薄い笑いしか起こらないのでやらないです。
更に、意外と下ネタマジックもやりません。全くやらないと言ったら嘘になりますが、下品な下ネタはやりません。下品と下ネタの違いはいつかで詳しく語るとして、直接的な言葉や物は基本的に使いません。使う時は相当な面白さというか「うまさ」がないとやりません。
3、マジック道具は使わない
マジック道具としてしか使わない物は使いません。他の用途がない箱とか、通常では使い勝手の悪い金属のコインケースだとか、本来は何に使うのかわからないリングなど、そう言った類は絶対に使いません。
こんな感じの制限は必ず持つべきです。
そう言った事を心がけると、キャラ立ちできますし、魅力が生まれます。自分に似合うマジック、自分には合わないマジック。
そう言った事をしっかりと理解した上で、ネタを選び、ルーティン構成、セリフの構築などをしていかないと、もし仮に、お客様が自分以外のマジシャンを見た時に必ず優劣をつけてしまい、キャラ立ちしてない方が劣ってると感じてしまうでしょう。
自分にしかできない世界観、自分だからできるマジック、他の人では真似できない何かが必要不可欠です。
売れてるマジシャン、有名なパフォーマーには必ずそれらがあります。
また、制限を設ける事で、逆に新しい発想が生まれる事があります。
例えば、サリトは英語が話せません。中学生1年生レベルしか分かりません。それでも海外進出はしたい。そんな中
「英語が話せないのに海外で活躍するマジシャン」っていう肩書き、面白いんじゃね?と、思いつき「喋らない」と言う制限をつけました。
そこで生まれたのが、
「喋らないならガムテープ巻けばいいじゃん。でそっから何か出てきたら面白いじゃん」といった新しい発想が生まれました。
そして、サリトのこだわりを踏まえて色々と考えた挙句、「口にガムテープを巻くマジック」が出来上がり、そのマジックで7ヶ月ものオーストラリアツアーができました。
要するに、
制限を設ける事で、新しい何かが生まれ、
こだわりを貫く事で自分にしかできない作品ができる。
そんな感じで「枷が糧になる」のです。
「こんなマジックをやりたい」よりも
「こんなマジックはやらない」と言った制限の方が大事だと思います。
わーわー言っていますが、お時間です。
でわ、またっ