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20年ぐらい前に出会った念珠

なんとなく腕にはめたくなって買った香木の念珠。6万円弱だった。
数年前に糸換えに仏具店に行ったら、『30万円ぐらいで買い取らせてほしい』と言われた。無意味にうれしかったのはなぜだろう。
僕の脂が染み込んで色が変わってしまった念珠に、そんな価値があるとは思えなかった。すでに初期の香りなどない。

念珠の意味は知らない。
ただ身につけたくなったから買った。
『それがご縁なのです』と買うときに言われたけれど。

何らかのご利益があるのかどうか分からない。ご利益の実感は20年ぐらい経過してもない。
何もないのがご利益なのかもしれないな。
自分の内に仏の存在を感じていた時もあったけれど、あれは思い込みだったのだろうか。今は何も感じないわ。

原田真二のベストアルバムを聴きながら、書いている。
当時のいろんな思い出がフラッシュバックする。
思い出せる過去があるのはしあわせなことらしいけど、悲しい出来事しか思い出さないな。胸がキュンとして切なくなってきたわ。

古い念珠の糸換えを自分でして、眺めている。


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