歌の歌詞から宗教的な事象を探し、深める
先日の教材研究会では、多くの教員から授業実践を紹介していただきました。
今回はそのうちの1つ、新潟清心女子中学高等学校の末吉のり子先生の授業をご紹介します。
以下、末吉先生からです。
テーマ:歌の歌詞から宗教的な事象を探し、深める
対象学年:高1〜高2
使用教材など:藤井風さんの「帰ろう」歌詞カード、プロモーションビデオ
高校生たちにとって音楽は欠かせないアイテム(文化)ですし、その中には宗教的な思想や言葉が含まれていることが実は多いです。“見えない何かに導かれ…”とか、“祈る”という言葉の影には、何か大きな目に見えない存在がなければありえない…ということに気がついていない事も多いです。そこで、歌の歌詞から、宗教的な言葉や思想を探してみるという課題で、藤井風さんの「帰ろう」という歌を取り上げました。歌詞からどのようなことを感じたり、考えたりするか自分の考えをまとめ、後にグループディスカッションを行いました。
「帰ろう」の歌詞の一部
「ああ、全て与えて帰ろう ああ何も持たずに帰ろう 与えられるものこそ与えられたもの ありがとうって胸をはろう 待っているからさもう帰ろう 幸せ絶えぬ場所、帰ろう 去り際の時に何が持っていけるの 一つ一つ荷物手放そう 憎み合いの果てに何が生まれるの わたしわたしが先に忘れよう」
※作詞作曲 藤井風
生徒に投げかける問いは以下です。
① この人は一体どういう状態にあるのだろうか。
② この人は一体どこに帰ろうというのか。
③ 一つ一つ荷物を手放そう・・ってどういうことだろう。
④ 憎み合いの果てに何が生まれるの わたしわたしが先に忘れよう・・の意味は。
この人は、どのような宗教的な考えを持っているのかをまとめてクラスでシェアを行いました。
藤井風さんの歌詞には、キリスト教的なものが多いです。歌を通じて、いざという時に愛である神様を思い出して欲しくて、このような授業を行いました。生徒たちはこの歌が気に入り、カラオケで何度も歌ったと教えてくれました。死の瞬間「帰る」という言葉が心に響けば、きっと安心して旅立てるのではないかと思います。
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