見出し画像

「The Chosen」をご存じですか?

「The Chosen」というアメリカのテレビドラマシリーズをご存じですか?
これは日本語に訳すと『選ばれし者」という意味で、イエスとその弟子達のストーリーを描いた超大作です。 リンクはこちら↓

https://watch.thechosen.tv/page/seasons%201-3

これは、現在世界中で大人気のドラマで、作成の始まった2017年から現在に至るまで、およそ2億人以上の人が見ているメガヒット作品です。アメリカ以外でも、ブラジル、メキシコ、インド、ポーランド、フィリピンなどの国をはじめ世界中で多くの視聴者を引きつけていて、50以上の言語に翻訳されていることも、国際的な成功の秘密です。そして、な、なんと日本語の字幕と吹き替えまであります!!でも日本ではほとんど知られていないのがとても残念です。

宗教科の授業では、使えそうな場面満載なので、ぜひこつこつと視聴されること、お勧めします。聖書の世界とイエスと弟子達がぐっと、近くに感じられるはずです。原語で見ると英語力が各段に上がります。。英語の授業にも使えますね。。!現在シーズン(シリーズの意味)4まで完成していて、今、受難を描くシリーズ5が撮影中です。全体では、復活したイエスと弟子達の活躍を描くシーズン7まで予定されています。

監督のダラス・ジェンキンス(Dallas Jenkins)は、史上最大となるクラウドファンディング(1000万ドル以上)で資金を集め、シリーズは最後まで実現することとなりました。それで、「The Chosen」は、その素晴らしいクオリティにもかかわらず、ネットやアプリを使って全く無料で視聴できます。(視聴の仕方は、この記事の一番終わりに写真入りで載せていますので、参考にしてください)

 ジェンキンスは、熱心な福音派の信徒で、自分の信仰を「The Chosen」に表現しています。彼は、単なるエンターテインメントを提供するのではなく、人々を聖書の世界に引き入れ、イエスと弟子達のドラマを通して、福音を伝えることを願っています。物語の内容は、プロテスタントの牧師、カトリックの司祭、ユダヤ教のラビなどによって精査されていますが、同時に人物たちの人間性とそのドラマを、想像力を駆使して描き、共感を呼ぶ作品作りを心がけています。

また、イエスの役を演じるジョナサン・ルミー(Jonathan Roumie)は、熱心なカトリックの信徒で、役作りの基盤に祈りの生活を置いています。彼は、イエスを、謙遜で親しみやすく、人間味あふれる存在として描き出します。イエスの人間性と神性の両面をどちらも犠牲にすることなく表現している点は、今までの映画と一線を画しています。実は、私はイエスの映画はどれもあまり好きではなく、自分のイメージにあうイエスに出会うことはありませんでした。それが、この「The Chosen」のイエスで初めて、「これだ!」と思えたのです。イエスはジョークを言って、弟子達と笑ったりハグしたりします。同時に毅然と教え、叱ったり励ましたりします。こういう人ならついて行きたいと思えるイエスです。

同時に「The Chosen」の大きな魅力は、イエスを取り巻く人々の物語が、生き生きと語られていることです。例えば、弟子達は特に最初のころ、半端なく喧嘩しています‼彼らの苦しみ、悩み、欠点や成長をリアルに描くことで、視聴者は彼らと自分を重ねあわせ、慰めや励ましを得ることができるのです。実際多くの人々が「The Chosen」が自分の人生にとって大きなインパクトを持ったと語っています。例えば、第1話「I have called You by name」は、ほとんどすべてがマリア・マグダレナの物語です。悪霊につかれ、自暴自棄になり、酒場でリリーと呼ばれて男達の慰み者になっていたマリアは、自殺を試みようとまで思い詰めます。そのマリアを酒場の入口でイエスは呼び止め、マリアをその地獄から救うのです。イエスの登場は、この最初のエピソードの終わりの5分程度なのですが、すでに強烈なインパクトを持った場面となっています。

私は、この第1話を始めて見た時に、「あれ?なんか間違って他の映画にいっちゃったのかな?」と思ったくらいです!(笑)そのくらい、イエスは最後にしか登場しないのですが、ぜひ最後までごらんになってください!
一回の記事で「The Chosen」の魅力をすべてお伝えすることはできないので、最後におすすめのシーンをいくつかご紹介しておきますね。

かわいいエピソードなので、学生達にも見せて評判がいいのは、シーズン1の第3話「Jesus loves little children(イエスは子ども達を愛される)」です。まだ公生活を始める前の大工のイエスが子ども達した交流の場面ですが、聖書のSpiritに満ちた素敵なエピソードです。

シーズン3のエピソード5「Clean Part 2」には、出血病に苦しむ女性が、イエスに触れて癒される場面がありますが、その前の「Clean Part1」では、この女が社会から疎外されて苦しむ人生が描かれていて、それを知ってからこの2を見ると本当に感動します。

ただ一点、注意が必要なのは、聖書を知らない人(日本では多いですね)が見ると、どこが聖書の記述でどこからが想像された部分なのかの区別が難しく、すべてをそのまま受けとめてしまう可能性はでてきます。ただ、想像といっても、聖書の精神に反する表現は全くないので、視聴する上での心配はいりませんが、授業やカテキズムで使う場合は、前か後で説明する必要があると思います。

それから、最初から見ていないと、特に弟子たちの誰が誰?というのがわかりにくいです。ペトロやマリア・マグダレナはすぐわかるのですが、他の弟子達を区別するのがちょっと難しいです。。みんな長髪のひげ面なので。。でもストーリーを追っていく上では別に大きな問題ではありません。。

 では、これからも素敵な、または使えそうな場面や「The Chosen」をめぐるエピソードを紹介していきたいと思っています。
それでは、今日はこの辺で!

片山はるひ(上智大学)

The CHOSEN 日本語での視聴の仕方
PDFで開きます。

https://ndv-jp.org/wp-content/uploads/2024/10/74b210ba9d44a5260696ca9705f16bda.pdf


いいなと思ったら応援しよう!